番外編 天満カンナの悪ふざけ
ホラーともアクションともつかないB級エンターテイメント作品『うつしみ たゆたう』を閲覧いただきありがとうございます。出演されたキャストのみんなに舞台裏インタビューを行う番外編の司会を務める天満カンナです!
この番外編は本編の舞台裏をインタビュー形式で掘り下げる…もとい堅苦しい本編からリフレッシュするためのセルフパロディです。『公式が病気』の法則通り、わたしの好きなようにハメを外させてもらいます(笑)
御門市の闇に潜む吸血鬼ナレノハテと人間がどう関わっていくのか、ナレノハテを圧倒できる来栖くんの能力の秘密は何なのか、そして今回はモブキャラでしかなかったわたしの出番は次回以降増えるのか非常に気になるところですが、記念すべき初回のゲストをお招きしましょう。
暫定ヒロイン霧島丹さんと伏線の鍵を握っていそうな安倍真理亜さんです!
「あぅち、カンナちゃん暫定ヒロインって言い方は酷いよ……」
「あら正当な評価だと思うけれど、序盤は中心的な位置にいても段々とフェードアウトしていくことなんて珍しくないですわよ?」
真理亜さんの言う通り今回は丹の視点で物語が進んだけど、まだ導入部が終わっただけなんだからヒロインの地位は安泰じゃないわよ? いつの間にかわたしが主役になっていることだって……
「残念だけどそれはないと思うよ。この後カンナちゃんが中心的な役割を果たすなら、番外編の司会進行に抜擢されないと思うし……」
「所詮貴女みたいなモブキャラは本編で出番に恵まれない分、持て余したエネルギーを番外編で発散するのが関の山ですわ」
うう、図星な分反論は出来ないけれど…少なくともここの司会はわたしなんだから、ゲストはわたしの質問に答えるのが筋よ!
それじゃあ気を取り直して最初の質問。非現実的な戦いを目撃した緊張感から解放されたことと、いなくなったお母さんのことを思い出して丹が号泣しちゃいましたけどその場に居合わせた真理亜さんはあの後どうしたんですか?
「放っておく訳にもいかないから、丹さんが落ち着くまで付き添ってあげましたわ」
「うん…わたしの隣に座ってくれた安倍さんの胸に頭を抱き寄せてもらったら、なんだかお母さんに抱っこされているみたいですぐ落ち着いた」
へぇ、お母さんに抱っこされているみたいね~。真理亜さんの大きな胸に顔を埋めた感触はさぞ気持ちよかったでしょうね~?
「ちょっと貴女、公共の場でなんてふしだらなことを言うの?!」
え~これくらいどうってことないですよ~(笑) それで丹、真理亜さんの胸の触り心地はよかった? ダメだ、この子ったら顔を真っ赤にして固まっちゃっている。でも抱かれた丹が母性を感じるくらい優しく包み込んでくれたんだから、どんなに感触がよかったか想像するのは簡単ですよね~。さすがに人生経験豊富な年長者は違いますね~。
「本当に失礼な人ね、私は貴女たちよりも1つ上の高校2年生、花の17歳ですわよ!」
そういう言い方がオバ…失礼、年齢を感じさせますよね~。それじゃあ気を取り直して次の質問に行きましょう~。
「ちょっと私のことを年増呼ばわりしたまま話題を変えるつもり?!」
では次の質問、丹は幼馴染、真理亜さんはその能力に感心を寄せていることで来栖くんとフラグが立ってますけど、お2人はフラグを成就させる自信はありますか?
「えっと…クーくんとは幼馴染ってほど親しい訳じゃなくて、小学校の時にクラスメイトだっただけだからそんなこと言われても……」
「私も来栖さんの人となりではなく、彼のナレノハテに対抗出来る能力に興味を持っているだけですわ。まぁ殿方の1人や2人、篭絡しようと思えば造作もないことですけど」
わたしのことをふしだらとか言ってるくせに、純情だけど性に対する関心は強い年頃の少年を円熟した色気で手篭めするつもりなんですね~?
「ダメですよ安倍さんっ、わたしたち高校生なんだからまだそういうの早過ぎます!」
「丹さんまで何をおっしゃるの。そんなことしなくても、私の美貌だけで来栖さんを落としてみせますわ!」
恋愛に奥手そうな丹もやっぱり年頃の女の子ですね~お色気担当のキャラをだしにしてみたら案の定尻尾を出してくれました。ナレノハテとの戦いだけでなく、控えめな性格の世話焼き好きな隠れ美人の幼馴染と腹黒ビッチなお金持ちのお嬢様の三角関係からも目が離せなさそうですね~。
「三角関係……」
「丹さん、貴女も変質的な眼鏡のモブキャラのいうことを真に受けて頬を染めないで!」
段々と話が盛り上がってきましたが、それではみなさま今回のインタビューはこのくらいで失礼します。し~ゆ~あげ~ん♪