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【加筆修正版】私が間違っているのですか? 〜ピンクブロンドのあざと女子に真っ当なことを言っただけ〜  作者: もーりんもも


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36 エピローグ

 昨日の一組の騒ぎは、私たちが教室を出た後、あっという間に学園中に広まったらしい。

 生徒会が学園側との交渉に臨むにあたり、ある教師を聴取したことも知れ渡っていた。



 一夜明け登校すると掲示板に張り紙が掲出されていたので、皆、内容を知りたくて掲示板の前で団子状態になっていた。

 私もシャーリーに引っ張られて、人をかき分け掲示板の前まで来ると、その掲示を見上げた。


 一番目立つところに、『学園長交代のお知らせ』とあった。


「学園長は引退だって!」


 誰かが叫んでいる。


 現学園長が退任する旨と、新任の方の名前が書かれている。その方は――



   ◇◇◇   ◇◇◇



 早速新任の学園長の挨拶があるとのことで、急遽、授業開始前に全生徒がホールに集められた。

 一年生が一番前なので、壇上の先生方の顔がよく見える。

 つい生徒会長で失敗したことを思い出してしまう。

 今度はよく見て顔を覚えておかなくては。


「ねえ、メーベル。エリック先生以外にも何人かいなくなってるね。その代わりの先生なのか、知らない顔がちらほらある気がする……」

「うん。一年生を担当されていた方はほとんど辞められたみたいね」


 シャーリーには、昨日のうちに生徒会室での聴取について根掘り葉掘り聞かれているので、あの部屋での一連のやり取りを教えてある。

 まさにガッツリ聴取されてしまった。




 教師陣が着席すると生徒会長が中央に進み出て、赴任された学園長を簡単に紹介し拍手を始めたので、私たちも一斉に拍手で迎えた。

 新任の学園長は軽く右手を挙げて応え、生徒会長と交代した。随分と若い方だ。


「やあ諸君。学園長の急な辞任により、年度の途中で交代してしまうことを申し訳なく思う。私が新しい学園長のジョージだ。ただのジョージだから気楽に接してくれて構わん」


 壇上の教師に交じり、入学式と同じように前列中央に座っていたフレデリック殿下がおもむろに立ち上がると咳払いをして話し始めた。


「学園長。初対面の者は挨拶を額面通り受け取ってしまいますよ? 私から訂正させてもらおう。この方は長年の研究成果が認められ、国王陛下から子爵位を授与されたジョージ・モンラン卿だ。私が幼少期にお世話になった方でもある」


 うわぁ。殿下の家庭教師をされていた方なの?

 つまり、殿下の推薦っていうことか。


「ねえ、メーベル。良さげな人だね」

「そうだね」


 もちろん私もシャーリーも、真っ直ぐ前を向いたまま、あまり口を動かさずに小声で喋っている。

 すっかり慣れたものだ。



   ◇◇◇   ◇◇◇



 レリル様は、表向きは自主退学という形で学園を去っていった。

 コーエン男爵家が王族に近寄ろうと意図したことではなかったらしい。


 彼女が言っていた、「一組に相応しい生徒であるために、自分の評判をあげたかった」というのは、真実ではないかもしれないけれど、嘘とも言い切れないと判断されたとのこと。

 ついでに殿下とお近づきになれたらいいな、という淡い期待はあったかもしれないけれど。


 勉強はできないけど一組に入りたい――そんな上昇志向があったのかな?

 二組に対して偏見を持つ人なんていないのに。

 現実を受け入れて学園生活を楽しめばよかったのに。

 何だかなぁ。



 あのホールケーキでレリル様を撃退した日以来、ジゼル様とは学園の内外で親交を深めるようになった。

 ジゼル様とのお茶会には、彼女の友人やシャーリーも加わって、毎回色々な噂話に花を咲かせている。 


 年末のお茶会の話題といえば、新年を祝うパーティーしかない。

 どんなドレスにするか、パートナーは誰なのか、やいのやいのと盛り上がっている。


「もう、メーベルったら!」


 ついレリル様のことを思い出してしまい、ぼんやりしていたらしい。

 シャーリーに人差し指で、頬をグイッと押された。


「ちょっと、シャーリー」

「せっかくみんなで盛り上がっているのに、何て顔をしてんのよ!」

「だって……」

「どうせまたあの人のことを考えていたんでしょう? いい加減、忘れなさいよ。もう会うこともないんだから。そんなことより、パーティーよ、パーティー! どうなの? アーチボルト様からお誘いはあった?」

「そ、それは……」


 実は既に誘われている。



『メーベルの瞳の色を、ポケットチーフとボタンに使いたいんだ。君には僕の瞳の色を身につけてほしい。ドレスをプレゼントしたいんだけど、受け取ってくれるかい?』



 シャーリーに、「誘われた」と答えたら、絶対に、「どんな風に誘われたの?」と聞かれるから、答えに詰まってしまう。

 恥ずかし過ぎて答えられないもの!


「あー。その顔は、誘われたな?」

「まだ何にも言ってないでしょ!」

「白状しなさいよー!」

「秘密!」

「この、このー!」

「だから、ほっぺはやめてよー」




 新年を祝うパーティーは、きっとそれぞれが輝いて楽しめる場所だと思う。

 誰か一人が話題を攫うよりも、その方がずっといい。

 私もアーチボルト様と一緒に精一杯楽しもう!

最後までお読みいただきありがとうございます。

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