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【加筆修正版】私が間違っているのですか? 〜ピンクブロンドのあざと女子に真っ当なことを言っただけ〜  作者: もーりんもも


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25 秘密のお茶会⑤

年内最後の更新です。

1年間ありがとうございました!

 ジゼル様が友人を連れて戻るとは思っていなかったようで、玄関先で出迎えてくれた執事らしき男性は、にこやかな笑顔の裏で色々と算段しているようだった。


「こちらはメーベル・ディジョン様。応接室に二人分のお茶とお菓子をお願いね」


 ジゼル様はそれだけ言うと、私の手を引いて屋敷の中に入った。



   ◇◇◇   ◇◇◇



 応接室に通されると、なんだか懐かしさが込み上げてきた。

 ここで励まされた記憶が蘇ってくる。


 ジゼル様は間違いなく私の味方だ。

 そう信じられることが何より嬉しい。


 程なくしてお茶とお菓子が運ばれてきた。二人分でも多いくらいだ。

 

「さあ。まずはいただきましょう。我が家の料理人の腕の方が、()()男爵家の料理人よりも上だと自負しております」


 ジゼル様も、レリル様が学園に持ってくる焼き菓子は、料理人が作っていると考えているんだね。

 お菓子作りが趣味なのは本当かもしれないけれど、あれほど大量に作るとなると、貴族令嬢の細腕では無理だと思う。

 それに男爵家の厨房施設は、それほど大勢のお客様をもてなす前提で設計されていないと思う。

 おそらく何度も何度も繰り返し焼き上げているんじゃないかな。

 レリル様が、学園から帰宅して就寝するまでの時間を、ひたすらそれだけに充てられるはずがない。


 一日中ああだこうだと考えていたせいで、脳が疲れていたみたい。

 甘いタルトがお薬みたいに私を癒してくれる。

 ジゼル様も、勉強漬けだった鬱憤(うっぷん)を晴らすみたいに、フィナンシェをペロリと平らげている。


 二人して、「ふふふ」と見つめ合いながら食べるお菓子は本当に美味しい!

 ティーカップがほとんど空になったところで、ようやく満足した。


「ジゼル様。本当によい料理人を抱えていらっしゃいますね。どのお菓子も美味しくて、会話を楽しむことを忘れて一気に食べてしまいそうです」


 心からそう思う。

 料理よりもお菓子作りの得意な料理人を採用しているのではないかと勘繰ってしまうほどに。


「まあ! 嬉しいですわ! 『少々のことなら甘いものが癒してくれる』と、母がよく申しておりました。それに噂話には甘いものが欠かせませんし!」

「噂話……ジゼル様。二組ではどのような噂が流れているのですか?」


 いよいよ本題だ。


「今朝のあの発表! 思い出しても腹が立ちますわ。多分、レリル様が二組にいらっしゃったままなら、彼女のことを擁護する方も大勢いらっしゃったと思うのですが、一組に変わられて接する機会が減ったせいか、不満を口にする方が思いのほかいらっしゃいました。それにしても、まさか、『対象外』だなんて!」


 ジゼル様は一気に捲し立てると、最後の一口を飲み干して続けた。


「レリル様は、一組に編入して間もないので学習内容に差がある数学の試験は免除されて、そのせいで順位を正確に出せないから対象外となった――二組ではそういう話で持ちきりです」


 私がシャーリーから聞いた話と一緒だ。


「あら! 私としたことが。話し始めたら止まらなくなってしまって……。お代わりをどうぞ」


 ジゼル様がティーカップを手に取った時、私も釣られて飲んでしまったのだ。

 人払いをしているので、ジゼル様が二人分の紅茶を注いでくれた。


「ジゼル様。数学の試験の免除の話は、レリル様に近い方が本人からそのように聞いたようですので、ほぼ間違いないと思います。試験が始まる前に席を立って教室を出て行かれた時は驚きましたけれど」

「まあ! 試験を受けられなかったのですか!」

「はい。学園側が事前に免除すると決めていたようです。一年生の数学の担当はエリック先生ですけど、エリック先生は――」


 エリック先生とレリル様が二人で会っていた時のことを言ってもいいかな?

 まるで密会のような――いやいや。事実だけを伝えるべきだよね。


「実は、偶然見かけたことを吹聴するつもりはないのですが――」

 

 さすがに慎重に言葉を選ばなくっちゃ。


「メーベル様。何ですの? 気になりますわ!」


 ジゼル様の瞳がよくない輝きを帯びているような……。

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