16 【レリル視点】 いいこと思いついた!
私は子どもの頃からよく失敗したり迷惑をかけちゃったりしたけれど、そんな時は、一言謝れば、いつだってみんな許してくれた。
それなのに、どうして王立学園の人たちは許してくれないんだろう。
特に女子。
謝っても厳しい言葉をかけられて驚いちゃった。
私のこの髪や瞳の色や羨ましくて、つい意地悪しちゃうのかな?
メーベル様は隣の席なのに、特によそよそしい感じ。
お菓子も受け取ってはくれるけど、それほど嬉しそうには見えない。
女の子なら甘いものに目がないはずなんだけどな。
うちの料理人の腕じゃ子爵家の料理人には負けちゃうのかな?
それにしても、お母様に無理を言って孤児院を慰問したのは正解だった!
プリンセスらしい仕事ができたわ。
院長もちゃんとお礼状を書いてくれた。
事前活動を自分で吹聴しちゃいけないことくらい私だって知っている。
でもそれじゃあ、私が行った尊い行為が誰にも知られない。
寄付したお菓子を作るのに結構なお金がかかっているし、やったことを褒めてもらえないのは寂しい。
だから院長から学園に報告してもらうことにしたのだ。
我ながらすごくいい思いつきだったわ!
エリック先生にもみんなの前で褒められた。
もしかしたら王子様も声をかけてくれるかもと期待したけれど、特に何もなかった。
王子様って、教室の中で特定の女子に話しかけちゃいけないことになっているのかな?
そういえば、教会で会った子が私と同じ瞳の色をしていたのには驚いた。
私のピンク色の髪と緑色の瞳は、貴族の中でも珍しいらしいって、子どもの頃から褒められて、みんなから憧れられていたけど、まさか平民の子にもあそこまで綺麗な緑色の瞳の子がいたなんて……。
ちょっとがっかりしちゃった。
でも、すぐにいいことを思いついた。
背格好もそれほど違わないし、私と同じくらい綺麗な緑色の瞳なら、私として働いてもらえるんじゃない?
それとなく匂わせたら、彼女はすぐに引き受けてくれた。
うふふ。
『緑色の瞳の女性』と聞けば、学園のみんなはすぐに私のことだと思うはずよ。
もっともっとプリンセスらしい行いをして、一組のみんなに認めてほしい。
そうすれば王子様だってきっと……!
善行を言いふらすのははしたないことだから誰も言わない――勝手に噂になるだけ。
私は黙っていればいい。黙ってさえいれば、嘘をついたことにはならないもの。
うふふ。
早くみんなの話題に上らないかなあ。
エリック先生にだけは言っておこうかなあ。ううん。先生も誰かの口から聞いた方が効果的かも。
あの場所はちょっと怖くて私は行けないけれど、あの子は平気らしい。
今度は一組の生徒だけじゃなく、入学式みたいに、全校生徒の前で褒めてもらえるかもしれない!
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