夢現弄―ムゲンロウ―【2度目の偶然】
その晩、ムゲンはまた夢を見た。内容は、『とある芸能人が老衰により死去した』というニュースを観る自分…というもの。
リアルながら、同時にムゲンはその芸能人を知らない為、昨日に続いて不思議な夢だなぁ、と思いながら幻の世界を彷徨っていた。
「……眠ぃ…」
朝。目覚まし時計により眠りの世界から追い出されたムゲンは、渋々体を起こすと、寝起きで回らない頭の侭自室を出た。その足でリビングに入ると、朝御飯を食べていた母が「お早う」と声を掛けてきたので、同じ様に返す。
『続いてのニュースです。【オヤジと太郎】のオカカ役を演じていた俳優のX藤X子さんが、老衰の為に死去したと、関係者が明かしました』
心臓がドクンと跳ねた。
X藤X子ーー先程まで見ていた夢の中で、亡くなったという情報が出た俳優の名だからだ。
「【オヤジと太郎】……懐かしいなぁ…。私が子供の頃ね、放送されていたドラマなの」
もうそんな昔の作品なのね、とノスタルジックに浸る母。そんな母の声を耳に入れながら、ムゲンの視線はテレビに釘付けだった。
ーー偶然…だよな……?
具体的なニュースの内容を夢みたのは、そもそもその俳優を何処かで知っていて、それが記憶の引き出しの中でずっと仕舞われていたが、無意識の内に思い出したから。つまり、これはデジャヴ現象ではなく、サブリミナル効果とかいうものだろうと、ムゲンは結論づけた。
後書き
サブリミナル……未だにちゃんと単語を覚え切れず、検索する時に躓いてる事は内緒(〃ω〃)(←内緒とは??(OvO)
略してサブリナ…サブリナ…と_φ(・_・めもめも