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絶対防衛アイドル戦線ピンク・チケット!!  作者: K@e:Dё
(1-0.5)+(1-0.5)=1章 / 誕生! 新たなるプリマドンナ!
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用語&設定解説コーナー『なぜ? なに! ブシドーちゃん!』(第一回)

★目~『第一回では次の項目を解説しているよ!』~次★


1.大忘却とは? 地球の現在の住環境は?

2.地球の輪とは?

3.ルナリアンとは?

4.アルベドとは?

5.月脱出計画〝NO-A〟とは? 

6.軌道エレベーターとは?

7.基部都市とは?

8.荷電粒子砲とは?

9.アイドルとは? 偶像症候群とは? セット・リストとは?


ー ★ ー ★ ー ★ ー ★ ー ★  ー


「3!」


「2!」


「1!」


「どかーん!(※せんじゅつかくだんとうがばくはつするおと)」


「〝なぜ? なに! ブシドーちゃん!〟の時間だよ!」


「ここでは何の脈絡も解説もなくさも当然のように使われて貴方を混乱させたSF用語や作中用語並びに設定を解説するよ!」


「きちんと読まなきゃ非国民だよ!」


「では早速、()ってみよう! ()ってみよう! アイドル皇帝陛下万歳!」


Q.大忘却とは? 地球の現在の住環境は?


A.


「ルナリアンと人類の間で繰り広げられた最終戦争と、それに惹起される文明の崩壊、並びに文明の記憶と記録の喪失の事だな。

 どちらが先に戦いを仕掛けたか分からないが、兎に角、地球の支配権を巡って人類とルナリアンは対決、ABC兵器の類をこれでもか! これでもか! と馬鹿な学生が作るトッピング全部乗せピザの勢いで使用、挙句の果てにコバルト爆弾まで使用したらしく地球環境は劇的に悪化した。

 コバルト爆弾は熱核爆弾を放射性物質〝コバルト60〟で覆った兵器だ。爆弾が起爆するとコバルトが破壊されて、それはもう大量の放射性降下物が、爆心地を周辺に降り注ぐ。だから爆心地付近では1世紀以上に渡って人が住めなくなる。それが何発も何発も使用されたんで地球全土が今でも放射能汚染されている状況だ。

 放射性廃棄物の一部は爆発の衝撃で成層圏にまで達して、そうなりゃ落ちてこないから、何時も空は曇天、太陽光が地球に入ってこない。そのせいで地球は人工的な氷河期に突入しつつあるてな寸法だな。植物も光合成が出来なくなったから殆ど枯れ果ててしまった。だから人類が地球上で長期間生存可能なのは〝基部都市〟の中だけだ。

 因みにこのように核爆弾由来の氷河期を〝核の冬〟と呼ぶぜ。今の氷河期の進行に拍車を掛けているのが〝アルベド〟だがそれは後の項目で解説する。アイドル皇帝陛下万歳! 万歳! 解説してやったんだから俺のCDを買え! 2枚買え! 2枚買って友達に配れ! 配って友情を深めろ! 友達大事にしろよ!」


Q.地球の輪とは?


A.


「核爆発で破壊された大陸、地殻、それらが宇宙まで吹っ飛んでって衛星になっちまったものだな。言っちまえば土星の環と同じものだ。これがあるお陰で地球上の引力は出鱈目になっちまってる。輪には密度の濃い所とそうでない所があって、濃い所が人類居住圏の頭上を運航している場合、引力の関係で弾丸が直進しないなどの問題が出る。後で解説するがルナリアンが運動エネルギー兵器でなくて光学兵器を使う理由の一つがこれだとされているな。よし次。アイドル皇帝陛下万歳!」


Q.ルナリアンとは?


A.


「現在、地球上の大部分を侵略、実効支配している異星人野郎どもで、その起源は不明、詳しい生体も死ぬと塩になっちまうから不明、大抵の奴の外見は旧時代の所謂一つの〝グレイ型宇宙人〟に相似する。奴らはどうも地球人類には大して興味がないらしい。何だか知らんが奴らは地球のあちこちを掘削して何かを探しているような素振りを見せている。だから地球人類がちょっかいを出すか、奴らが掘削するルート上に位置していない場合、そんなに好戦的ではない。

 が、まあ物の見事に現在の人類は奴らの掘削ルート上に生活しているから、定期的な攻撃を受けてるわけだな。因みに〝ルナリアン〟の語源も不明だ。ルナってなんだ? まあいい。よし次。アイドル皇帝陛下万歳!」


Q.アルベドとは?


A.


「天体の外部からの入射光に対する反射光の比率、この場合、地球に降り注ぐ太陽光に対する反射光の比率だ。どんなものでも光を浴びたらその一部を吸収してその他の部分は色々な方向に反射してしまう。だから物凄く言うと〝アルベドが高いものは光を吸わずに反射してしまう〟んだな。例えば森林はアルベドが低く高くとも10パーセントだが、雪は80とか85パーセントとアルベドが高いから、光を吸わず、吸わないって事は地面が暖まらないから、今日のように地球が雪に覆われている場合、寒冷化が促進される事になる訳だな。よし次。アイドル皇帝陛下万歳!」


Q.月脱出計画〝NO-A〟とは? 


A.


「〝核の冬〟の影響で地球はもう長く持たない。〝スノーボールアース状態〟、海も、火山さえも凍ってしまっているから、少なくとも地球人類が生活してられるような状態には今後数百年、数千年、数万年単位でないだろう。だから人類はとっとと地球を捨てちまうことにした。

 ところが捨てるにしても地球上に遺されている資源は余りにも少ない。ルナリアンがどれもこれも持ってってるからな。現状の手持ち資源で行けるのは精々が月。月って分かるか。地球から53万キロの距離にあるあの赤い星だぞ。

 ルナリアンは地球に興味があるのであって人類に興味がないようだし、月はグチヤマ・ピーチ記念天体望遠鏡による観測でルナリアンに荒らされていない事が分かっているから、そこにトンズラしてとりあえずの安息を得つつ月の地下資源を確保、時機を見て月から更に人類が住み易い系外惑星 (太陽系外の惑星) への移住を行う一連の計画が月脱出計画〝NO-A〟だ。ぶっちゃけ同じ意味だから頻繁に〝地球脱出計画〟とも呼ばれる。

 因みに〝ノア〟とは地球脱出に使われる巨大移民船兼人類首都の名前だ。目下、建造中だが、基礎工事が終わった段階で人が住み始めている。最大収容人数は六〇万人で今はその半分ぐらいがもう、実際に首都に生活しているか否かは別として、〝優先搭乗権〟の保持者用に埋まったり予約されたりしている。後の半分は抽選になる予定だ。

 抽選とは言うが現在の地球総人口は400万人。あー。だから、まあ、月に脱出するにしても6.5人に一人は置いていかれる。これはアイドル省の役人でも、いや、役人だからこそ変わらない。だからマネージャー以下、アイドル省官僚の世界では、日夜、首都に〝席〟を設ける為に政治闘争が行われている。やれやれだな。

 で、この〝ノア号〟の建造の為に次に紹介する軌道エレベーターが使われている。アイドル皇帝陛下万歳!」


Q.軌道エレベーターとは?


A.


「さて、地球はルナリアンの天下、であるからには地球上で移民船なんか作れねえよな。〝ノア号〟は全長100キロもあるんだぜ。そこで〝ノア号〟の組み立ては成層圏外で行われている。

 ところがどっこい、成層圏に例えば〝ノア号〟のパーツを送るとすると、ロケットで送ってたんじゃ目立つわ、金は掛かるわ、人手は要るわ、燃料は食うわ、その割に輸送できる物資の量は少ないわでとんでもねえわな。そこで軌道エレベーターの出番だ。軌道エレベーターは煎じ詰めると地上から宇宙空間にまで縦に伸びた超巨大なエレベーターだ。

 より正確には地上から宇宙空万まで伸びた巨大なケーブルだな。このケーブルに沿ってエレベーターのハコが上下する事で地球と宇宙が物理的に繋がる。当然、軌道エレベーターは巨大だから自重も重く、大気圏を突破しなきゃならんてえんでその建材には強度が高いものが使われるが、これはアイドルニウム合金を使う事で解決している。アイドルニウム合金は〝引退〟したアイドルの肉体から精製される軽量で頑丈な合金だ。

 ところで、軌道エレベーターは重力だの引力だのであちこちに引っ張られて動いてしまうから、動かないように固定するには、カウンター・ウェイト、宇宙空間の側にも一つ動かない物質を置いて接続する必要がある。だから軌道エレベーターは遥か上空、静止軌道上、〝地球の輪〟を構成する衛星の一つを移動させて宇宙ステーションとして改造したものと接続されている。宇宙ステーションとして改造と言っても巨大な岩石の中をくり抜いてそれらしくしているだけだけどな。

 それから軌道エレベーターは巨大な一つの構造物だから小さな傷が一つ付いただけで全体がぶっ壊れる恐れがある。ので、対ルナリアン戦闘は軌道エレベーターの外で迎撃戦として行われる事が多い。あ、気になるエレベーターの輸送可能重量はハコ一つに付き1000トン以上を運べるぞ。それでも輸送力が一機じゃ足りないから一三機も建造された訳だ。ま、若い番号が振られてたエレベーターは対ルナリアン戦闘用に特化していたし、最初から陥落するのを見越して作られてたんだけどな。保険だ保険。

 そうそうそう。忘れてた。

 因みにエレベーターは旧人類首都を渦のようにカタツムリの殻のように包囲するようにして建造されている。旧人類首都はそれはそれは小さなドーム型の建物だが、ま、この話は何れ別の機会にな。

 後は作り方か。先に言ったような宇宙ステーションを用意して、そこから地球側に、こう、少しずつケーブルを下ろしていくイメージだ。この際、ケーブルはその自重で揺れて重心がズレてしまうから、反対方向、つまり地球とは逆側にもケーブルを伸ばすことで重心を安定させる。地球にケーブルが届いたら同じように何本もケーブルを下ろして、補強して、エレベーターに仕立て上げる。だからどっちにしても最初の一度はロケットで宇宙に行く必要があるな。よし次。アイドル皇帝陛下万歳!」


Q.基部都市とは?


A.


「本来は軌道エレベーターの根本に作られる都市だが、ここでは、軌道エレベーターのケーブルを取り囲む形で作られた塔の中に作られた都市の事だ。塔がエレベーターを取り囲むように作られているのは、言わずもがな、ルナリアンとの戦闘で生じた流れ弾からエレベーターを守る為だ。塔は地上高5キロ。内部は1000階層に分かれている。こう云う言い方はあれだが、ま、語弊を恐れないならば『超巨大タワマン』だな。内部気圧と温度は空調で調整されているが、内気圧と外気圧、内気温と外気温の差が著しいことから、低層では室内に風が吹く。よし次。アイドル皇帝陛下万歳!」


Q.荷電粒子砲とは?


A.


「荷電粒子、つまりは帯電させた粒子に電圧を掛けて概ね亜光速まで加速させてから放つ兵器だ。と言っても分からねえよな。だって俺も分からねえもん。早い話が磁場で荷電粒子をビヨーンと引っ張って加速させて放つ凄い強いビーム砲だ。実際、荷電粒子ビーム砲とも呼ばれる。荷電粒子レーザービームと俗に呼ばれもするが、レーザーてのは光を増幅させて且つ収束させて指向する兵器だから、実際には〝レーザービーム〟と呼ぶのは間違いない。

 てか、もっと言うと、実はルナリアンが使っているのは荷電粒子砲ではない。なんのこっちゃ。

 本当は荷電粒子砲は満足に兵器として使いものにならねんだわ。例えば放たれた荷電粒子ビームは大気中じゃ直進しない。何故か。大気中には例えば水粒子とかが大量に存在していて、荷電粒子はこれを掻き分けて進まなきゃならないが、進んでも進んでも粒子の量は減らない。だからどこかでビームが拡散して捻じ曲がる。〝プールの中に潜って水鉄砲を撃つ〟のをイメージして貰えばいい。

 一応、直進させる方法も無きにしも非ず、プールの例えで言うならばプールの水を掻き分けて進めるように水鉄砲の圧力を強くすればいい。ここで言うと粒子の収束と加速を尋常じゃないレベルで行えばいい。が、後で詳しく話すが、それには物理の常識からすれば実現不可能なレベルの電力が掛かってしまう。

 それから地磁気の問題。コンパスを使うと磁気で南北が分かるように地球も磁気を持っている。で、電荷も磁場を持っているから、お互いの磁場と磁場が引っ張り合っちゃうよな。直進しないのはこのせいでもある。

 更に更に荷電粒子の収束はとても難しいんだ。荷電粒子は荷電されているから、ほら、磁石のSとNのように〝+〟か〝-〟の電荷を有する。で、SとNの例えをそのまま使うと、〝+〟と〝-〟の電荷を持つ粒子を一緒に混ぜて使うと粒子がくっ付いちゃって電荷が中性、つまりはプラスマイナスゼロになってしまって、磁場で引っ張ることが出来なくなる。だから〝+〟なら〝+〟で〝-〟なら〝-〟でそれだけを集めて発射することになるが、とすると、磁石のSだけを固めて投げつけるようなもんだから、発射した途端にバラバラになっちゃうんだなあ。 

 まだあるぞ。疲れてきたな。予告通り消費電力の都合の話だ。荷電粒子砲は粒子を集めてまっすぐに飛ばすだけでも1万メガワットを消費する。500ワットの電子レンジ2000万台分だぜ。そんな電力を一発撃つごとにどこから集めるんだ?

 つー訳で、ルナリアンどもが使っているのは、正確には〝中性粒子ビーム砲〟だ。これは何ぞやってえと、+と-の電荷を持つ粒子を別々に加速して、発射の超ギリギリ直前に混ぜ合わせる事でバラバラになるのを防ぐってやり方だ。

 だが、これはこれで、+と-を別々に加速させなきゃだから、単なる荷電粒子砲の二倍の電力を必要とするし、消費電力がとんでもない量にになるって問題は解決していない。ルナリアンがどうやってその電力をあの小さな光線銃の中に集めているかは不明だ。

 加えてだ。これだけの電力を集めて放出させるとその熱で大気が膨張して爆発する筈だし、奴らが使うビームは人を普通の銃弾のように貫くが、そんなもんじゃ済む筈がない、当たった人間は体を構成する原子が一瞬で崩壊して消滅してしまうだろう。だからもうぶっちゃけ奴らの荷電粒子砲の動作や駆動原理は謎だ。

 正味、ルナリアンの武器が古代の文献に見られる〝荷電粒子砲〟に似ているから荷電粒子砲と呼んでいるだけだな。よし次。アイドル皇帝陛下万歳!」


Q.アイドルとは?


A.


「ショジョカイタイ=オペレーションを受けた女性全般のことだな。ショジョカイタイ=オペレーションを受ける上での絶対条件は一つ。処女であること。この他、被施術者は可能であれば肉体的精神的に健康で(検閲)適齢期の10代であれば好ましいとされる。

 ショジョカイタイ=オペレーションでは身体能力を強化する為に骨格、内臓、脳味噌の一部を人工物に置換する他、ルナリアンの幼体を(検閲)して子宮に(検閲)する。このルナリアンから得られるパワーで(検閲)。

 現在、人類が保有する最も安価で最も量産が効いて最も効果的で最も戦闘力の高く最も代替えの効かない対ルナリアン兵器がこのアイドルだ。代替えが効かないのはアイドルが〝アイドル信仰〟の対象になってるからでもあるけどな。これも別の機会に詳しく語られるだろうが、思春期の、精神的に不安定な少女が兵器として成立するかは非常に難しい。だからこそ〝大人〟であるマネージャーが戦闘指揮を担当する。

 さて、一方、人の身で持つには大き過ぎる力が体に悪影響を及ぼすので、ショジョカイタイ=オペレーションの術後、被施術者は長くとも(検閲)年しか生きられない。この〝体に対する悪影響〟を〝偶像症候群〟と呼び、更に、その偶像症候群の進行段階を〝タナー段階〟と呼ぶ。

 タナー段階は本来は思春期に身体がどの程度発育しているかを示す段階なんだがな。ま、俺達はどうせ何時まで経っても大人にはなれない。永遠にして一瞬の思春期に閉じ込められた一弁の桜の花が俺達だ。桜はキレイだが、しかし、桜であるからには散らなきゃいけない。そう云う事だな。

 話が逸れた。〝タナー段階〟は術後を0として最大5に至ると〝強制引退〟となるが、四辺りからアルツハイマーだの癌だのルナリアン化だのの強烈な病魔に身体を虐められることになるから、5に到達するアイドルは実は少ない。目指せタナー段階制覇。縁起でもねえ。

 アイドルが武器として使うのはマイクを〝錬金術〟で再構築したもの。どんな武器が出るかはそのアイドルの深層心理が深く反映される。変なのだと俺が使う〝バールのようなもの〟。強いものだと剣、銃、果ては核弾頭にもなる。誰が変なものを使うって? あ? ノリツッコミだ。笑えよ。

 で、アイドルによっては何種類もの武器を使い分ける事が出来る。その武器の使い分けと言うか、何種類の武器を持っているかを〝セット・リスト〟と呼び、例えば俺のセット・リストの1番はさっきの〝バールのようなもの〟だ。セット・リストの番号はその武器が発現した順に振られる。どーでもいいけど俺のセット・リスト3番まである。

 こんなもんか。では今回の解説はここまで。また次回の解説で逢おうな。それまで達者で生きてろよ。

 神聖にして絶対キュート不可侵なアイドル皇帝陛下万歳!」

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