魔王たる故の悪戯? 子供のカラダを手に入れたゾ!
おはようございます。こんにちは。こんばんは。誤字、脱字、諸々のご指摘お待ちしてます。あと応援をくださる方々にありがとう。ではお付き合いを
あー。苛立ち苛立ち苛立ち苛立つ
同じ考えが連呼するハインがいる。
魔王城で過ごすハインは今日も平和だ。
平和が故に弛みきっているのか、有り得ないことを仕出かした気分のハインは、悩む。
城のベッドの中で、先日のことを省み何度でも、悩むハインがいた。
こともあろうか人間の娘を娶ってしまった上に、律儀に人間の親に挨拶もした。
(うう、よく分からん敗北感が付きまとう)
まあ、無垢な娘は、魔力の増幅になると言うからとりあえず住まいを宛がい自由にさしておこう。
(好きな時に抱きに行けば良い。そして堪能しようか、あの白い身体をフフッ、て何、ムッツリしてるんだ。俺は)
部屋のベッドに寝そべり、自分の苛立ちをどうしようか考えるハインがいた。
まったく嫌になる。
隣には、セイレーンや若い魔女をはべらし戯れる。女に飽きることのないハインが嫁を貰ったのだ。
しかも、人間。
隣で、憂さを晴らしても気が収まらないハインが──────(ん?)
[ポトッ]
そんな折、小さい木の矢がハインの部屋に飛んで来た。子供サイズの木の矢で、とても可愛いらしいサイズだ。
木の矢を飛ばす犯人は、小さいサイズの死神騎士、クー・フランで地面から飛ばしているのである。
(下からここまで飛ばすとは、なかなかの手腕の持ち主だ)
感心するハインがいる。
バルコニーから顔を出し、クー・フランに声を掛ける。
「おー。クーフラ、楽しいか」
「アッ! 魔王様、楽しいです」
裸のまま地面に降り立つと、ハインではなく死神騎士の方が恥ずかしそうに手で顔を覆う。
「魔王様、裸、裸」
「ああ、気になるか? では、隠そう」
指をならし服を着る。
「これでいいか。弓矢の練習か。凄いな」
「へへぇ」
クーフラは、褒めると鼻の下を指でこすり、可愛く笑う。ハインもその笑顔に応え笑った。
クーフラの手にある矢は小さく、ハインは手に取り、考えた。
(これを、全力で投げるとどうなるだろう)
全力で腕を振り矢を投げると、空は唸り、風の壁を巻き上げ一直線に伸び飛んでいく。
「ひやぁ。飛びますね」
関心するクーフラにハインは笑顔を送る。
「いいな。魔王様は。力は在るし、背も高いし顔もカッコいい。そして女の子をいつもはべらしている………」
「ン?」
クーフラは、手をモジモジさせてハインを見て羨む。
「ほう、羨ましいか」
目の前にいるクーフラは、まだ子供で成り立ての死神騎士である。
「うん、ボクも成れるかな」
「そうだな。魔王は、素質もだが───魔力の大きさ、自我の成長とが積みかさなれば、もしかしたら成れるんじゃないかな?」
「本当?」
「ああ、ホント! もし、クーフラさえ良ければ、今だけだが身体を交換するか?」
親切のつもりで聞いているように見えるがここからが魔王の思考の逃げ道である。
「えっ、でもそんなこと出来るの?」
「ああ、一時だけならな」
「ん~。する! 交換、凄いね」
「そうでもないさ」
瞳を輝かすクーフラに、少し罪悪感をわかすがそれはそれ。ハインは自分の気持ち優先させた。
クーフラに、目を閉じさせ額を重ねる。
「いいかい。今から大きな呼吸をするから続いて呼吸をして、息を止めるんだぞ」
「うん、うん。止めるんだね」
ハインに何も、疑わうことなく言うことを聞くクーフラにハインは微笑む。
(ほお。以外と純な子だな。俺には無かったな。こんな幼少期。こんなに可愛い俺は想像出来んと言うよりこんな俺、ヤダ)
大きく息を吸い込むハインにクーフラが続いて息を吸い込む。
「魂入深影」
クーフラが瞳を開いた時には魂が入れ替わっており、気がつくとクーフラの姿をしたハインは猛ダッシュでいなくなる。
「えっ、えっ、魔王様。ちょっ」
慌ててクーフラは、腕をハインに伸ばすが、ハインの体は重く、バランスを崩し足元から転がり崩れる。
(すまない、クーフラ。今がチャンスなんだ。ルーが大浴場で一人、躰を浄めてるんだ。以前子供に化けたらバレたのでな。この体は、子どもそのもの。気配が違う。魂に気付いたとて肉体のオーラで隠れる)
「ヒャホー。ゴオ-オォン」
ハインは自分の為したいことをしに大浴場へと向かった。
慌てるクーフラの気持ちも知らずに、駆け出すハインの無邪気さは、子どもそのもので、現実からの開放感に溢れていた。
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