魔王たる故に、苛立ち、苛立ち、幼なじみを苛める
おはようございます。こんばんは。こんにちは。
改めて、見ると始めの文字数少ないこと……
ではでは、
※この話には少し過激な描写が含まれてます。
とある山あいに建つ、荘厳たる城がある。
要塞の如く、何人たりとも寄せつけなさそうに見える暗い装丁の城。重苦しい魔物共で賑わい、魔界の代表たる長がどっしり腰を据える城、の筈だが……。
外の暗さとは一転して、予想もつかないほど笑いに満ちた魔物達、和気藹々と酒を酌み交わしたり、ゲームをしたりと中は平和そのものであった。
魔界なのに───。
魔王城なのに。
魔王なのに─!!
あまりに平和で、呑気な住まいに愚痴を吐き捨てる者がここに一人。
この城に腰をどっしり、いや、軽く腰を据える秀美秀麗な魔王、ハイン。
「アアア暇だ、退屈だ。こうも平和だと身体が訛る。」
ピカピカの目映い大理石に囲まれた柱、壁、天井。
《《魔王が棲まう城》》なのに全てが綺麗に磨かれ、ここの主魔王に好い居心地を与えるため、手下の魔物達はあくせく働き、装丁、装飾全てを磨く。
城の中の美しさに、苛立ち喚くハインがいる。
(おかしいだろう?)
煌びやかな飾りに眼を向け、大きく溜息をついた。
(ここは魔界、魔界城。なのに身の回りが美しい……まぁ、綺麗に越したことはないが)
銀の髪を靡かせ、紫水晶の瞳に白皙な面立ち。
人を、全ての亜種を魅了して止まない全能なる悪魔の王はバナナを食べ、文句をつけながら残った皮を後ろにポイッと……捨てた。
「はいはいアーイ」
ススーと滑り、やって来たのは水色のスライム。床を滑り、落ちた皮を取り込むと腹で溶かした。
「……おいっ!」
「魔王さま、おっはー。綺麗になりました」
「わざと捨てたんだ。散らかしたいために」
「もう、魔王さまったらぁ、ご冗談を」
綺麗に掃除を終え、スライムはススーと去って行く。床のピカピカにむしゃくしゃするハインがいた。
「ダー、誰が頼んだ」
部屋も、散らかすこともままならないハインが怒りに打ち震えてると、幼なじみの天使のルーが遊びに来た。
「おお、煩ってるね。ふふふ」
「何だよルーか。お前はいつ見ても綺麗で素晴らしい……」
背中に二枚、腰に二枚と計四枚の翼を持つ天使がハインの前に降り立つ。
金と栗色に眩い髪、橙色を仄かに浮かす金の瞳。首にある飾りリボンがルーの可愛さを引き立てる。布一枚で作られた巻きドレスが、膨らむ胸と細い腰を美しく強調させていた。
腰布からはみ出す太腿の線がハインの瞳に美味しく映りこむ。
「綺麗だ。壊したい。うん、壊そう」
「ええ、やらしいな。ハインは」
「心がそれでしか満たせん。今日も付き合え。楽しませろ」
天使の特徴の翼を鷲づかみ、ゆっくりうつぶせ寝させ、背中に当てた手は容赦なく背の翼をポキッと折った。
「あぁッ! んッ……! 加減を知らないのかよ。痛い! 痛いよ馬鹿。バカ。馬鹿」
「美しいモノを手折ると満足するんだ。いいだろう。あとで治す」
「ううっ、そう言う問題……ッ……」
そのままルーを押さえこみ、柔らかい胸を背後から揉み、事に耽始めたハイン。
悦に浸り、蕩ける甘さに満たされようとしたとき、今度はガシャ髑髏が現れた。
手に箒を持って……
「あっ、魔王さま。!! そのそんなつもつもり!」
慌てるガシャ髑髏にハインは秀麗な顔からは想像できない冷笑を見せ、いきなり雷を落とした。ガシャ髑髏は雷を食らい、部屋から追い出された。
「あと少しでタッしたモノを彼奴め。もう、ヤダ。なんなのここは……むかつく!」
「まぁまぁ。落ち着こうか。ハインヒューノルド:ムジカ:ラッセル」
「……真名を口にするな。萎える」
「ええと、ごめんね」
「せっかくの気分を邪魔され、そしてどれをとってもニックネームに取れるその名が許せん」
「そうだね。ププ、可哀想」
「笑ったな。ルー。罰だ」
《ポキッ》
今度は、ルーの腰に生える翼をなにも言わずに折るハインがいた。
「ッッツ……」
ハインの下腹部に股がっていたルーは、驚きと痛さでハインの胸板に寝そべ悶えた。
吐かれる息、苦しみに潤んだ瞳、白皙された高揚なピンクにハインは生唾を飲んだ。
「これは、これでイイ! なんて美しさだルー」
ハインの悦びに合わせ胸の鼓動が早くなる音を訊いたルーは何故か、笑い出した。
笑った後にやはり怒った。
「このっ変態! 私の苦しむ姿がそんなに気持ち良いか!!」
「解ってるのに聞くのか。初奴だ」
ルーを抱きしめ、頰に流れる水をハインが吸い取る。
「すまん。戯れ言が過ぎた。今、治す」
ルーの身体を抱き包むと全てを治した。
何を考えているのか、ハインの頭の中は壊したい物で溢れていた。
(また、地上に降り暴れるか)
天使のルーは抱かれながらハインの思考を読み取り考える。
(こいつはいつからこんな妄想と言うのか妄執と暴走と言うのか……こんな、ヘンな事ばかり考える奴ではなかった)
二人は抱き合い、同じ空を見つめるが考えは互いに違う。
思案に暮れる二人は黙りこみ、お互いの温もりを分けあっていた。
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