強すぎる思い~ずっと側にいるからね…~
春樹の付き合ってた彼女由良。
最初はうまく付き合っていたが日に日に彼女の行動がエスカレート
その結果 別れることに そこから春樹を襲う恐怖をお楽しみください
俺(笠松 春樹)には、2年くらい付き合っている彼女がいる。
彼女(七海 由良)はどちらかと言うと”陰”キャラタイプでおとなしめの女の子
デートでも全てが奥手で俺はそれがかわいいと最初は思っていたんだ
が、最近の彼女に変化が起きたんだ。
ラインにて
由良「何してるの?春樹くん」
由良「声 聴きたいな」
由良「一人になると寂しいよ。」
由良「ずっと側にいたいな。」 等々
2時間後
春樹「由良 俺 今日バイトって伝えたよな。」
由良「あっ! 返事きた(はーと)
うん。知ってるよ。でも、寂しいんだもん。」
春樹「でも、20件以上も連絡入れてもバイト中は
返せないんだからさ…さすがに控えて。」
由良「ごめんなさい…怒らないで…寂しいだけなの?
と一方的なメッセージが大量に来ることがあり
控えてっと伝えても効果はなく、次の日もまた次の日も届く
それでも、俺は、送ってくるくらい別にいいか。寂しいなら…と
黙認していたのだが…最近はそれがエスカレートでもしたのか
たこ焼きのバイト仲間から
「なぁ 春樹。」
「ん?どうした?」
「あの、交差点の向こうで笑ってる女の子って
お前の彼女じゃねぇの?」
そう言われて指のさす方を見ると
そこには確かに由良がいた。
交差点を渡ってこっちに来るでもなく
ずっと同じ場所から、まるで観葉植物でも見ているように
にやけ顔でこっちを見る。
そして、バイト終わりに声をかけようと交差点を見ると
いつの間にかそこにもう由良はいなかった。
その日は、すぐ 由良に電話して確認すると
「もしもし 由良?」
「どーしたの春樹くん あっ!バイトお疲れ様。」
「うん。ありがとう。それよりさ…今日俺のバイト先の交差点に来た?」
「えっ!行ってないよ? どうして…」
(なんで嘘つくんだ…)
「そう…なんだ。ならいいけど
ちなみに今日は何してたんだ?」
「え~っとね。図書館行ったり 本屋に行ったりかな。」
「ほんと好きだな。本読むの。」
「うん。 1人でいるときは一番落ち着くんだ。」
「そっか。じゃぁ、また 休みの日に」
「はーい。」
その日は、由良が嘘をついたことに関しては追及しなかった?
俺もすぐ他人の空似かなって思うようにした。
それに毎日ってことでもなかったから
そんな雨の日
俺は、いつも通り、バイトに入っていた為
ひたすら業務に取り組んでいると…
「なぁ あれ…」
バイト仲間に言われ、前を見ると
雨の中 傘もささずに こっちを見てにやける由良の姿。
ただ、雨だし、たまたま通りかかっただけっと思い
そのままお客の対応をしていると
「なぁ まだ 立ってこっち見てるけど
あれ 風邪ひかねぇか?」
そう言われ、交差点を見るとあれから2時間が経過していた
にも拘わらず、まだ雨の中立ってこっちを見る由良の姿
「すいません。ちょっと行ってきていいですか?」
「うん。今なら構わないよ。言ってやんな。」
俺は、すぐ傘を持って由良のもとへ。
「どうしたの? バイトまだだよね。」
とびっくりした顔をする由良
「どうしたのじゃねぇだろ。雨も降ってる中
傘も差さないでお前何してんだよ。
しかも、俺がお前を一度確認してからもう2時間もたってんだぞ」
「だってね。すごく春樹くん仕事してる姿かっこよくって見とれてたんだ」
その時の由良の表情になぜか”怖さ”を覚えました。
「もう、用事もないのに何時間もバイト前でこっちを
見続けるのはやめてくれ。はっきり言う。さすがに怖い」
そんな日が連続ではないにしても、続いてさすがに怖くなり
電話で伝えることにした。
「由良 別れてくれ。」
「えっ! なんで どうして?
私何かした?」
「俺 言ったよな。バイト中の一方的なラインも
用もないのにバイト先に来るなっとも
正直”怖い”っとも伝えたよな。」
「うん。だって少しでも春樹君を見ていたいから。」
「それが怖いんだよ。もう無理だ。別れてくれ。」
「嫌だ。 いやだよ。 私 別れたくないよ。」
俺は必死に訴える由良の声を途中で切り一方的に別れた。
念のためにすぐIDを変更し、由良の連絡先情報も削除した。
それほど俺は彼女の行動に恐怖した。
なぜって?実はそれだけじゃなくて
夜に電話している時、ふと寝室の窓から下を見ると
そこに彼女がいて、目が合うなりにやけたり、
別れを告げる少し前の行動はまさにストーカー時見ていたんです。
それから、俺は、バイトが終わっても通知がない携帯
休日もデートをすることがない時間に少し寂しさを覚えながらも
それなりに楽しく過ごしていた。
すると
ピコン。新着1件
「ん?だれだ?」
「春樹くん 元気?」
その通知は由良からだった。
春樹「誰から聞いたんだ? 俺のID」
由良「私の春樹くんに対する思いがあればすぐ見つけるよ。」
春樹「もう、お前とは終わったんだ。連絡してくるな。」
由良「そんなこと言って、寂しいくせに」
春樹「もうブロックするからな。」
それからというものなぜかいくらブロックしても
彼女からの連絡が止まることはありませんでした。
毎日のように連絡が来るんです。
由良「おはよ。今日もいい天気だよ~。」
由良「春樹くん 大好き」
由良「春樹くん 愛してるよ。」
由良「今日もバイト?」
由良「またずっと見てあげるね。春樹くんのカッコイイ姿をね。」
その最後のラインを見たとき、俺は心底ぞっとしました。
正直、バイトを休もうかとも考えましたが
当日に欠番を足すわけにもいかず、その日は店長とだった
事もあり気は進みませんでしたが行くことに
そしたら案の定
「お前ら別れたって言ってなかったか
また こっち見てにやけてるぞ。」
っと店長に言われ、交差点を見ると
ずっと笑いながら、こっちを見ていました。何時間も…
さすがに我慢できなくなった俺は
店長に一声かけ、彼女のもとへ
そして、交差点を渡ろうと進んだ時にはもう彼女の姿はなく
もやもやした状態で仕事に戻ると
「おい。またいるぞ。」
「すいません。なんか迷惑かけて…」
「うん。俺はいいけど お前の精神的疲労が心配だ。
大丈夫か?」
「はい。大丈夫です。」
「なら いいが…」
事はそれだけじゃなく
彼女は俺の行動をすべて把握していました。
由良「今日は服買い行くんだよね。私が選んであげようか?」
由良「今日は映画行くんだよね? 何見るの?」
由良「今日は飲み会だったね。私誘われてないけど…」
そのため、俺は本当に精神的に参っていました。
そんな時 友人から連絡があり
「もしもし?春樹 久しぶり 誰だかわかるか?」
「そりゃわかるでしょ。着信時名前乗るし。どーしたんだよ。充希。」
「いやな。今 亮太と和弘と飲んでんだけどお前も来ねぇかなぁって」
「わかった。いまどこにいんの?」
俺は、久しぶりに友人たちに会いたい思いと何よりリフレッシュしたさに
行くことにした。
充希に言われた居酒屋に行くとすでに全員出来上がっていた。
「おー 春樹 久しぶりィ 相変わらずたこ焼き焼いてんだってな。」
「まじ? いい加減社会人なんだしよ~。ちゃんと定職につけよ。」
来るなりなぜか亮太と和弘にディスられる現状にびっくりする反面
どこか懐かしく感じた。
「いいんだよ。あのたこ焼き屋には学生時代から世話になってるし
何より、副業もしてるから生活には困らない程度はあるしな。」
「マジか。何やってんだよ?」
興味津々に2人は食いつく。その横で俺の事を知っている充希は
只々 笑っていた。
充希や亮太 和弘に会うのは久しぶりだけど、
充希とはこまめに連絡を取り合い、各々の近況報告をしているからだ。
彼女の件を除いて…
「言わねぇよ。内緒だ。内緒。」
「なんだよ~ 言ってくれてもいいだろ?」
「なぁ、和弘 充希は知ってるぜきっと。春樹の情報
さっきから横でにやけてやがる。」
「おい。充希知ってんなら、話せよ。お前だけせこいぞ。」
「何がせこいかわからん…本人が言ってないやろ?じゃぁ 言わへんよ。」
そういじける二人に突如 思わぬ提案が充希からされる。
「なぁ 春樹? 明日って仕事か?」
「いや することもできるけど休むこともできるよ。」
「どんな仕事やねんそれ。」
和弘と亮太がハモるように言う。
「ちょうどよかった。一応ここの3人も明日休みで
このまま旅行に行こうって話になってんだけど 春樹来ないか?」
「えっ! この出来上がってる状態で。」
「おう。この出来上がってる状態で。ちなみに温泉入りに行く。」
最近 色々とあるし、気晴らしに温泉もありだなっと思い参加した。
すると、亮太がすぐさま旅館の手配をし、和弘が新幹線の手配をした。
(こいつら酔ってんのに行動早っ!!!)
言葉通り、その足で温泉旅行へと向かった。
現地では、観光はもちろん。温泉地だったこともあり
いろんな温泉に入り、いろんなところで写真も撮り
久しぶりに心の底から楽しめた旅行となった。
「じゃぁ 写真の現像は春樹に任せるぞ。」
旅行後、3人からそう言い渡され、すぐ家のパソコンで
写真のデータを整理し、現像と準備を進めていたその時、
「なんでだよ… なんでここに由良が写ってんだよ…
さすがにあの場で急遽決まった旅行についてこれるわけない…
あの居酒屋に由良はいなかったのに何で…」
っと動揺していると電話が鳴る。
着信--充希--
「もしもーし。ん?どうした声 震えてるけど…」
「実は写真に何故か俺の彼女”由良”が”全部写ってて
教えてもないのに… とっくに別れたしあの日 居酒屋に
行くとも言ってもないのに…」
「とりあえず いったん落ち着いて。
ちなみにさ…由良って高校時の七海 由良か?」
「そう。 付き合ったのは卒業してからだけど」
「それはびっくりやし。初めて聞いた情報やけどさ
それよりもびっくりしたし、おかしいことがある。」
「なにが?」
「ほんまに写真に七海由良が写ってんの?」
そう言われたため 適当な写真を一枚充希に送った。
「マジやな…」
「やろ?」
「これタダの心霊写真やわ。」
「心霊写真?どうゆうこと?」
「だって 七海由良はお前がいつ付き合ってたか知らんけど
不慮の事故で亡くなったからな。」
「えっ!」
それを聞き、俺はすぐさま彼女の家に行くと
確かに由良の写真が飾られた仏壇がそこにはあった。
そして、彼女の両親から亡くなった時のことを聞くと
亡くなったのは…俺と別れてから一週間後の事だったそうだ。
彼女がぼーっと歩き、赤信号で渡りトラックに
跳ねられたとのことだった。
俺は、線香を済ませ 彼女家を後した。
家路へと歩いていると
ピコンっと携帯が鳴り、見てみると
由良「私が死んだこと知っちゃった?」
由良「春樹くんと別れたショックで
ぼっとしてたら引かれちゃって…」
由良「私が死んで寂しくなった?」
由良「大丈夫だよ。」
すると今度は、非通知で着信が鳴る。渋々出ると
「ずっと春樹くんの隣に私はいるから安心してね。」
彼女の声で電話がかかってきた。
そういえば…旅行の写真 彼女が写ってたの全部
俺の隣だったんです。
第5章 強すぎる思い~ずっと側にいるからね…~ 終わり
第6章へと続く…