人形
今回は私の実話をもとに怖い話を構成しました。
皆さんが楽しんでいただける怖い話になってると思います。
昔 俺(黒崎 良)の実家には数多くの人形があった。
ぬいぐるみやフランス人形そして日本人形など
まぁ 祖母が好きだったこともあり、まぁ色々と
ただ、その人形が幼い俺からしたら、すごく怖かったんだ。
何が怖いって、まず日本人形の見た目も苦ってだったんだけど…
その人形から視線を感じることもあって。そんな日まで事はさかのぼる。
俺が小学生の時
「亮くん 今日遊びに行っていい?宿題もって。」
「別に構わないけど、今日 圭太 家の用事って言ってなかった?」
「親の都合で日が変わったんだ。」
「そうなんだ。じゃぁ 別にいいよ。」
その日は友達の岸 圭太と遊ぶことになった。
「お邪魔しまーす」
「入って。」
「初めて 良くんの家来たけど…良の部屋
人形多くない?」
「おばあちゃんの趣味でさ。」
「おばあちゃんの趣味なのに良くんの部屋に置かれてるんだ。」
「まぁ…ね。とりあえず先宿題する?」
「そうだね。先に遊んじゃうと絶対忘れてそうだし…」
そして、俺たちは先に宿題をしてから、遊ぶことになった。
15分くらいたった頃 突如 圭太が
「良くん ちょっとお願いがあるんだけど…」
「どうしたん?」
「あの…人形 向き変えてもらってもいい?さっきから見られてる気がして」
そう圭太が指をさした人形は俺も苦手なだるまの形状をした日本人形だった。
「うん。いいよ。」
「ごめん。変なこと言って」
俺は圭太に大丈夫 大丈夫と言いながら、その人形を後ろに向けた。
それからは、圭太も何の違和感もないようで、無事に宿題を終え
お待ちかねのお遊びタイムに
「よし。無事に宿題もできたし、何して遊ぶ?」
「そりゃ もちろん。ゲームでしょ。」
「じゃぁ これする?」
「コレ 昨日発売したばかりの格ゲーじゃん。やるやる。」
そうして、ゲームをしていると時間が経つのもあっという間
「もう こんな時間(18時)か… さすがに帰らないと親に怒られる…
あのさ 良くん 明日も来ていい??」
「ぜんぜん。いいよ。」
「ありがとう。じゃぁまた 学校で。」
圭太は帰って行った。
そのあとゲームの続きをするため、自分の寝室へ
夕飯までゲームをしていると 急にテレビがプチンっと切れ
タイマーでも掛けちゃったかな?っと思いもう一度テレビを付けようとした時
「えっ! 俺 さっき あいつの向き変えたよな? なんで…」
さっき、圭太が視線を感じるといったため 後ろに向けた日本人形が
こっちに向いているのが消えたテレビの反射で写っていた。
でも、事はそれだけじゃ終わらず
その日の晩 俺は変な夢を見たんだ。
(真っ暗な暗闇の中 コツン コツン コツンと音が鳴り
その音の方へ目線をやると…あのだるま形状の日本人形が
こっちへ近づいてくる夢)
翌朝 俺は跳び起きて 無意識にあの人形を見るとこっちをじっと見ている
ような気すらした。
その日を境に両親に言い、その人形だけ俺の部屋から両親の部屋に移してもらった。
それからは特に友達の圭太が遊びに来ても何も気にすることなく
勉強も遊びも集中することができた。
そんなある日、学校が翌日休みだったこともあり
圭太が俺の家に泊まることになった。
「いぇーい お泊りだ。」
「圭太 テンション高い。」
「そりゃそうだよ。僕 お泊り 良の家が初めてだもん。」
「えっ! 俺の家が初めてなの。」
「そうだよ。だから 今日すごい楽しみだったんだ。」
「そうなんだ…。」
その日もいつもみたいに家に来るなり、宿題を済ませ
夕飯までゲームで楽しみ 夕飯のあと風呂に入ってまたゲーム
そんなありきたりな流れで俺と圭太は楽しんでいた。
そして、一通り楽しんで寝ようかと言う時に
「そういえば良くん。あの衣装ケースに
入ってるのファービー人形だよね?」
「そうだよ。小4の時にお母さんに買ってもらって 一時期
だいぶん遊んだけど 今はずっとあそこにある感じかな。」
「そうなんだ。やっぱCMでやってたみたいによくしゃべるの?」
「そうだね。結構楽しかった気がする。今は電池ももう切れてるだろうけど」
「そうなんだ。僕も欲しいって言った記憶があって気になっただけ。」
そう圭太から話しをされるまで 俺はファービー人形の存在すらも忘れていた。
その夜。
「ねぇ 良くん…良くん… ねぇ」
少し 怯えた声で圭太に起こされる。
「ん…ん… 圭太どうした?」
「ちょっと 起きてよ。」
「ん…なに?」
寝ぼけた状態で圭太を見ると、衣装ケースを見ながら怯えていた。
「ねぇ あのファービー人形って もう電池が切れてるって
言ってなかったっけ?」
「ん? うん。電池は切れてるはずだけど…」
「じゃぁさ… なんで… 喋ってんの?」
「えっ!」
そう言われ、ファービー人形を見ると確かに口は動き かつ
♪パパパパー パパパパー パパパパン パパパパン♪っと
結婚式のメロディーを歌っていた。
「なんで…もうとっくに切れてるはずなのに」
俺はすぐに電気をつけ、もしかして古い電池でも接触から
動くこともあるって思いながら衣装ケースからファービー人形を
取り出しとりあえず電池を抜こうと電池パックを開くと…
電池が入っていない状態で喋っていた。
「はいって…ない… なんで」
あまりの恐怖にファービー人形を投げた。
ひとまず、俺は廊下にファービー人形を出し、
圭太も俺も恐怖のあまり寝ることができなかった為
その日は、朝までゲームをして何とか乗り切った。
月曜日 圭太から呼び出された。
「ごめんな 土曜日のお泊りで怖い思いさせて。」
「まぁ 今も怖いけど… 大丈夫。」
「あと、よかったらこれからは俺ゲーム持ってくから
圭太ん家であそぼ?いいか?」
「それはもちろん。全然いいよ。正直 良くん家行けないし。」
「だよなぁ…」
「ごめんね。ひどい言い方して。」
「全然いいよ。事実 そうだろうから。
で? 話しって?」
少しためらいながら、口を開く。
「良くん ずっと今日 言うか迷ったんだけど…一応伝える。」
「なに?どうした?」
「あのお泊りした日 ファービー人形を廊下に良くん出したじゃんか?
そして、僕たち 寝れないから朝までゲームした。」
「うん。」
「僕 ゲームしてた時 ふと 良くんの扉に目をやったらさ
少し 隙間空いてて そこから ファービー人形がこっち見てたよ。」
それを聞いた俺は固まってしまい、家に帰ったあとすぐファービー人形も
両親の寝室へ追いやる形で持って行った。
これが、俺の小学生に体験した話し
今はもう社会人になり、実家も出て一人暮らしをしている。
だからもう あの恐怖は無縁とばかり思っていたら 先日 この出来事が
走馬燈のように思い返す出来事があったんだ。だから先に話したんだけどね…
それは、友人から 茶店に誘われたときに聞かされた。
連れ同士の飲み会で夜遅くまで飲んでいた日
盛り上がりすぎて、 まさかの終電越え。
その友人が家に帰れなくなったから、仕方なく俺の家に
泊まることになった。
「良 俺は酔ってねぇぞ。 酔ってねぇからな。」
「わかったからもう寝ろよ。春」
すると友人の春は 家に着くなり すぐさま爆睡。
「って 寝るの早っ!!あと酔ってる奴ほど酔ってねぇって言うからな
まぁ 寝てる奴に言っても仕方ねぇけど… 俺も寝よ。」
俺もすぐさま 布団に入り、眠りについた。
友人は酒のせいか2時間後くらいで目を覚ましたとのことだった。
水分をとり、トイレをすました時、ふとあるものに目が行く
「へぇ~ 良のやつ 見かけによらず、渋い趣味してんな。
今時 一人暮らしの家に日本人形飾るなんてな」
特にそれ以降 気を留めずまた寝たらしい。
という話だった。
(茶店にて)
「春 ちょっと待ってくれ。俺ん家 日本人形なんて置いてないぞ」
「ん? 確かにあったぞ”だるまの形状の日本人形”がお前のベッドの頭下に
まぁ 今思ったら だいぶ不気味だったけど…」
「不気味?」
「だって、気のせいかも知らねぇけど、お前の事 ずっと見てたからな。」
「うそ…だろ?」
俺はそれを聞いた時 背筋が凍り付きました。
ちなみにその人形は今でも実家にあり、酔っぱらった父親から
電話が会った時、笑いながらこう言ったんです。
「やっぱ お前の怖がってた”だるまの形状の人形”なんかあるかもやわ
だってな。誰が見ても髪伸び取るし、先週かな? 夜見たらその人形
おいてた場所におらんかったわ。( ̄∇ ̄;)ハッハッハ」
その日を父親に聞くと 春が泊まりに来て、俺の家にあったと言った日と
かぶっていました。
第4章 「人形」 終わり
第5章へと続く… 次はどんな話かな。
余談ですが、
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ファービー人形が電池のない状態で喋った事
”だるま形状の日本人形”が後ろを受けても必ずこっちへ向く
またそれが今も実家にあることについては
私 空穂音 心 実際に体験したことをです。
今回 そちらをベースに「人形」の話しを作らせていただきました。
お楽しみ頂ければ、非常にうれしく思います。
空穂音 心
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