予告ニュースアプリ
お待たせしました。第2章 青根信の怖い話は”予告ニュースアプリ”です。
お楽しみください。
第2章 「予告ニュースアプリ」
ある日、もう3年ほど会っていない地元の友人から連絡がきた。
友人の名前は三浦和馬
「亮太 久しぶりィ~ 元気か?」
「お~ 久しぶり。って久しぶりすぎてびっくりしたわ。
和馬は元気してんのかよ。」
「まぁまぁだな。所で今大丈夫か?」
「大丈夫だけど。。どうしたよ。」
「お前 ”予告ニュースアプリ”って知ってる?」
「なんだそれ?」
そのアプリの内容がダウンロードをするだけで未来の出来事を予知し
教えてくれる神アプリとのこと。しかも無料だとのことだった。
「未来を予知するアプリ?」
「そうそう。俺も使ってんだけど。めちゃくちゃ便利でさ。」
電話越しにまるで押し売り業者勝手くらいそのアプリを進める和馬。
「そんなもん。あるわけねーだろ?」
「それがあるから。今こうしてお前に教えてやってんの。」
そして、ご丁寧にメールでダウンロードサイトのURLまで送ってきた。
「まぁ、騙されたと思ってダウンロードしてみな。
ちなみにこのアプリのおかげで嫁さんの怒りを回避できたぜ。」
その言葉に結婚している俺は少し心が揺らぐ。なんせ嫁は怒ると怖い。
「まじか。それを教えてくれるならタダなら取る価値ありか。」
「そうそう。タダだから取ってみな。じゃぁな。」
「ってそれだけかよ。久しぶりなのに…」
そうして電話は一方的に切られた。(何だったんだろうか?)
その後、渋々URLからアクセスし、情報を見るとそこには
ダウンロード件数などの詳細も乗っており、わりと人気のアプリのようだ。
一日考えた末、ダウンロードをすることにした。
「こんなんで未来がわかりゃ苦労しないっての。」
そして、次の日の昼。
仕事もひと段落付き、お昼ごはんへ
「チキン南蛮が食べたいな。うーん。食いに行くか」
そしてスマホを手に取ると
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【通知1件】----予告ニュース(あと9)
今晩の風間家の晩御飯はチキン南蛮になるでしょう。
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「なんか来てる。今日のうちの晩御飯がチキン南蛮だぁ
まじか。どーせ当たんねーだろう。」
そう思い、チキン南蛮を食べに行った。
その後、午後の仕事を終わらせ、スムーズに仕事が進んだこともあり
久しぶりに残業なく、帰ることができた。
「ただいま。」
「おかえり。今日は珍しく早いね。大好物のにおいに誘われた。」
笑顔で嫁の玲美が出迎えてくれる。
「俺の大好物? ってもしかして、今日の夕飯”チキン南蛮”だったりする?」
「大正解。今日 買い物行ったら、鶏肉が安かったから。
亮太喜ぶかなぁ~って。」
「おお 大好きだから嬉しいわ。今日はいい日だ。」
「ふふ。大げさなんだから。」
そう、和気あいあいと話すも、あのアプリが頭に過る。
(偶然だよな。。。)
料理が出来上がるまでの間に先に風呂に入って疲れをとる。
「あ~ 気持ちよかった。」
「タイミングばっちり。今 ちょうど夕飯の準備できたよ。」
「玲美 いつもありがとうな。いただきまーす。」
「珍しい事 言うのね。」
そうして、夫婦仲良くご飯を食べていると
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【新規通知1件】----予告ニュース(あと8)
明日の風間良太氏の取引先:○○証券の田中様来所は
重体に巻き込まれて来訪できなくなる
可能性が非常に高いことが分かりました。
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「まじか。どーしよっかな。リスケ?でも…」
悩みに悩んだ結果、夕飯を的中させた実績がこのアプリにあった為
年の為、取引先の田中様へ連絡し、来訪日を変更することにした。
翌日
出社すると同時に斜陽形態が鳴る。○○証券の田中様だった。
「もしもし お世話になっております。」
「おー。風間君 田中だけど。」
「どうされました田中様」
「いやぁ 君にお礼を言いたくてな。昨日リスケしてくれてよかったわ。」
ご機嫌な様子の先方。
田中さんの話によると○○証券さんの近くで大事故が起きて大渋滞。
ほかの営業も身動きが取れないくて仕事にならないとのことだった。
「ほんまナイス来てんやったわ。風間君。ありがとう。」
「いえいえ。偶然ですよ。では、また。」
まさに予告通りの結果となったことにびっくりすると同時に
なんと便利なアプリだと関心をしていると
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【新規通知1件】----予告ニュース(あと7)
本日、定時後に上司の吉高課長にのみに
誘われることが分かりました。
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【新規通知1件】----予告ニュース(あと6)
(速報)風間良太氏の奥さま風間玲さんが
発熱の為倒れられたと言うニュースが
ただいま入りました。
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「玲美が倒れた。」
俺はすぐに吉高課長も元へいき
少し話を持った状態で話をした。
「吉高課長 すいません。」
「風間 どうしたんだ。そんなに慌てて」
「実は、妻が階段から落ちたと今連絡が入りまして
大変申し訳ないのですが、早退させてください。」
「それは、大変じゃないか。急ぎの仕事は大丈夫だな。」
「はい。それはすでに終えています。」
「わかった。急いで言ってあげなさい。」
「ありがとうございます。吉高課長」
そして、俺は急いで自宅へと戻った。
「ただいま。玲美大丈夫か?熱なんだろう?」
玲美は驚いた表情を隠せない。
「亮太? どうしたの?って私 熱の事亮太に連絡してないよね」
「いや… 朝少ししんどそうだったから。あとなんか嫌な予感がして。」
「ありがとう。ちょっとしんどくて。」
(ナイス予告)俺は心の中ではっきりと叫んだ。
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【新規通知1件】----予告ニュース(あと5)
本日の夜11時ごろ強い地震が起きるとのことです。
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【新規通知1件】----予告ニュース(あと4)
(速報)今入った情報です。
今晩、発生する地震で風間夫妻が家の下敷きになり
亡くなることが分かりました。
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「おいおい。まじかよ。」
それは自分たちの死を予知する内容。
「どうしたら死なずにすむ。」
必死に考える。
「あっ! そうだ。」
俺はすぐにキャンピングカーを手配した。
休みの日はよくキャンピングカーをレンタルして
夫婦でキャンプをするのが日課だったことから出た案だった。
「今日は、ド平日だから、絶対空いているはず…
しかも、平日は土日祝とは違い半額で済む。」
予想は的中し、借りることができた。すると…
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【新規通知1件】---予告ニュース(あと3)
(速報)本日発生する地震で先ほど風間夫妻が
亡くなることをお伝えしましたが、そちらは誤りです。
風間夫妻は、キャンピングカーで講演の駐車場に
居たことから奇跡的に助かることが分かりました。
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「よっしゃぁ!! まじでこのアプリ優秀だわ。
これで俺も玲美も助かる。ナイス起点だ。」
俺は、先にキャンピングカーを受け取りに行った。
その後、最小限の必要な物をカバンにまとめ
とりあえず、すぐ持っていけないものは、
家が崩れても変わりやすいように一か所にまとめることにした。
そんなことをしていると寝ていた玲美が起きてきた。
「亮太 何してるの?」
「玲美 丁度いい所に起きてきた。理由はあとでちゃんと
説明するからとりあえずついてきてくれ。」
荷物をキャンピングカーに乗せ、すぐに広い後編へと
車を走らせた。
「ちょっと亮太 どうゆうこと?」
「今晩11時頃に 大規模な地震が来るんだ。
家に居たら、俺ら死んじまうから死なないために
今から安全な所へ避難するんだ。」
「えっ! 地震? どうしたの今日? 頭でも打ったの?」
「どちらにしても今は黙ってついてきてくれ。
もし、この嫌な予感が外れたらそれはそれでいいから。」
玲美は俺の必死な表情をみて、それ以上は何も言わなかった。
そして、時刻は11時を2分周った時。
その頃、すでに夕飯などをコンビニで買い、公園にいた。
「亮太 地震なんて来ないじゃん」
玲美が言った 次の瞬間。
ゴーっと大きな音と共に大地が大きく揺れる。
「キャー」
「玲美 大丈夫。俺たちは死なないから。大丈夫。
しっかり収まるまで俺につかまって。」
20分ほどたつと揺れは徐々に収まっていった。
「ふぅ~ よかった。助かった。」
「ねぇ 亮太。どうして地震が来るってわかったの?」
「偶然だよ。」
「そんな偶然ない。いいから本当のことを答えて。」
発熱でしんどい状態で必死に訴える玲美を見て
素直に全てを話した。そして、”予告ニュースアプリ”の
事も詳しくその経緯まですべてを。
「ちょっと待ってよ。三浦くんなら一年前に亡くなったよ。」
「えっ! どうゆう事だよ。」
「そっか。確か亮太 その時、出張だったから。
ごめんね。私も知ってるとばかり思ってたから。」
「でも…ほら。」
和馬との着信履歴とそのアプリの詳細を乗ったメールを見せた。
その時の玲美の顔は真っ蒼になっていた。
「それより亮太。今、予告ニュースアプリの通知何回目?」
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【新着通知1件】---予告ニュース(あと2)
今回の地震で会社が休業になることが分かりました。
また、キャンピングカーにおいても会社が地震により
損害が大きく少しの間 預かってほしいと連絡が
来ることが分かりました。
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「あと2回 まずい!」
玲美は、俺のスマホを奪い、車から降り、タイヤのすぐ前に置き
「亮太 早くアクセル。」
「そんなことしたら携帯が…」
「いいから 早く」
これまで見たことない表情で訴えてくる玲美の迫力に圧倒し
俺は、アクセルを踏んだ。
----バキっ バキバキバキ----
スマホの割れる音が響く
玲美は再度車から降りて、ちゃんとスマホが
壊れているかを確認する。
「どうゆうことだよ。まだ分割代金も残ってるのに」
真剣な表情と低い声で口を開く
「亮太 次の通知で死んでた」
「ちょっと待って どうゆうことだよ。」
「このアプリ 通知が(あと1)になるとそれは使用者の”死”の
通知らしいのよ。
私も昔このアプリを教えてもらって使ったことがあって。
その時、これを知ってる友人に助けてもらったの。
それと、このアプリを教えてくれた人は三浦君同様に
亡くなっていたの。つまり、死者から連絡がきたの。」
「うそ…だろ?」
すると 壊れたスマホから 音が流れ それは徐々に
ハッキリと聞こえた。不気味な和馬の声で
「”あともうすこしだったのに”」
後で分かったことですが
”予告ニュースアプリ”の(あと0)の通知は
音声でこのアプリを教えてくれたものの笑い声だそうです。
つまり、今回の場合で言うと死んだことを喜ぶ和馬の笑い声が
流れるということです。
それと玲美には言わなかったんですが、
あと2回の通知が来たとき、たまたまバックミラーを見ると
そこに笑いながらこちらを見る和馬が写っていたんです。
第2章”予告ニュースアプリ” お・わ・り 第3章へ続く