素敵な名前
シズカさん達…研究者のメディカルチェックを
する機関がスクールにある…僕とシズカさんは彼女を連れて彼女の健康状態が心配なのと研究データを取るためにその医療機関に来ていた…
メディカルチェックを終えた彼女は検査着から僕の服に着替えた…「ふう…ダイスケさん…これでいいですか?」「お疲れ様…君のカラダに何処か悪い所があるとダメだから…
これからは時々診てもらわないとね…」
「私…あまりこういうの好きじゃないです…」「仕方ないよ…でも僕だってメディカルチェックは毎年受けるよ…」「じゃあ…ダイスケさんが一緒に居てくれるなら…」
メディカルチェックのデータを見ていたシズカは「スゴイわ…奇跡の融合ね…ほぼ人間と同じだわ…違うのはAIと脳が結合しているために情報処理速度が半端なく早いこと…I.Q190に匹敵するわね…しかもまだ伸びしろがあるかも…そしてもう一つ、ツリーシステムの骨格がポリ・スティール・カーボネート…限りなくしなやかで強い…常人では考えられない身体の柔らかさと骨にまとわりついた筋肉の強さと相まってとんでもないパワーを生み出すわ…ニコラ…私達の娘はとんでもないスーパーウーマンよ…」
昼食を摂るために僕と彼女はスクールの食堂に向かった…「…僕はハンバーグにしようかな…?キミはどうする?」「何を食べてもいいんですか?」「うん…大丈夫。好きな物を食べなよ…」「じゃあ…これ!」
彼女が選んだのは…ジャンボパフェ?
「これ、すっごく美しい!パーフェクトな造形、糖質も十分とれるし、エネルギーになります!」「そ、そう…」
驚いた事に彼女はジャンボパフェを一人でペロリと平らげた…「あー美味しかった!」
目を丸くしている僕に彼女は…「ダイスケさん…食べないんですか?ダメですよ…エネルギー補給しなきゃ…健康状態が低下します…」そう言って彼女はフォークでハンバーグを僕の口の前に持ってくる…
「はい、あーんして…」
女性に免疫の無い僕は照れまくって「ひ、一人で食べられるよ…」「だってこうやって貰うと男の人は嬉しいってネットワークにありましたよ…」「そりゃあ…」
「あーんして…うふふ。」
僕は彼女に言われるがまま、口を開けて食べさせて貰った…人生初の「あーんして」の相手は超美少女だった…
その時、シズカさんが食堂に入ってきた…
「おまたせ、彼女は完全に人間よ…健康状態もオッケー!さて…誰が面倒を見るかだけど…私が連れて帰ろうかと思うんだけどどう?ニコラと私の娘みたいなものだし…」
「…私はダイスケさんと一緒がいいです。」
彼女が僕とシズカさんの会話に割って入った。「…ご、ごめんなさい…ワガママ言って…でも私を作ってくれたのはダイスケさんです…その頃は音声でしか分からなかったけど、私を組み立てて大切に飾ってくれた事…嬉しかった…私の大事なご主人様です。」
シズカさんは笑いながらため息をついて「だって!じゃあダイスケ君…ヨロシクね!」
「えっ!ヨロシクって…」「だって…本人が貴方と一緒がいいって言うんですもの…」
彼女はまたあの完璧な笑顔を僕に見せた…「仕方ない…一緒に帰ろうか!」「はい!」
「ダイスケ君!大切な事忘れてるわよ…」
「大切な事?」「な・ま・え…」「あっ…」
「とびっきり可愛いのを付けてあげてね…」
僕は彼女のパッケージに書いてあった名前を思い出した
『RealIntlligence and Kinetic A ndroid』
頭文字を取って『RIKA』…リカ!
「シズカさん!リカ…ちゃん!でどうかな?」「…私よりも、もう彼女の中では決まったみたいよ…」
「リカ…私の名前はリカ…ありがとう…ダイスケさん…ありがとう…ママ…」
「マ、ママ…?」
「だって私のパパはニコラ…ママはシズカでしょ?」
シズカさんは目頭を押さえてリカを抱きしめた…「ありがとう…リカ…さあ!ダイスケ君、行くわよ…!」「ど、何処に?」
「決まってるじゃない!リカの可愛いお洋服を沢山買うのよ!それともあなたがリカの下着を買ってあげるのかしら?」
僕はその言葉に驚いて「いや、その…お供致します!荷物持ちは任せてください!」と慌てて言った。
シズカさんとリカは僕の慌てた表情を見て楽しそうに笑った…