「超」ジャンボパフェ
最初にリンクに登場したマイさんに観客席から歓声と拍手が起こる…
それを横目に僕の元にミヤさんが近づいてきた。彼女は僕の前でもう一度頭を下げた…
「この間はありがとうございました!そして、ようこそ…ヴェガへ…」「驚きました…ミヤさんも滑られるものだと思っていたので…」「私はああいう華やかな雰囲気は苦手なので…それに私の練習風景は見ていて本当につまらないと思います…」
ミヤさんは苦笑いのような表情を浮かべた…
「…でも…学生杯はがんばります!何より
あなたに励ましてもらえたから…」
「あ…」僕は一緒に食べたパフェ、夕焼けのバスターミナル、そして…僕の頬の柔らかい感触を思い出した…
あの時の事を思い出して赤面しているであろう僕の手を引いてミヤさんは歩き出した…
「さあ…付いてきてくださいね…」
「ちょ、ちょっと…ミヤさん…」
リンクの側に座ってミキやカオリと出番を待っていたリカは知らず知らずのうちにダイスケを目で追っていた。するとミヤに手を引かれてリンクを後にするダイスケが目に入った…「ダイスケ…さん…」
「あのバカ…もう!」その様子を横で見ていたミキはリカの手にそっと自分の手を重ねる…「大丈夫よ…あの人は優しいから色んな人にホイホイ付いて行ってしまうけれど決して大切な人を裏切るような人ではないわ…
それはリカさん…あなたが一番良く知っているでしょう?」寂しさに取り憑かれようとしていた自分の心を救ってくれたミキの言葉にリカは笑顔を取り戻した…「はい!」
そうだ…大丈夫…私とダイスケさんは心の深いところでいつも繋がっている…信じるんだ…
「ここは…」ダイスケがミヤに連れて行かれたのはリンクの側にあるカフェだった…
「はいよ!ミヤちゃん!これでいいんだろ?」「ありがとう!マスター!」超巨大なパフェを僕達のテーブルに置いた大きな身体の優しそうな中年の男性にミヤは深々と頭を下げた。「…おや、今日は彼氏と一緒かい?
ミヤちゃんもスミに置けないねぇ…じゃあ…ごゆっくり!」「マ、マスター!私達はその…別に…」ミヤの言い訳を聞かずにマスターは店の奥へと消えて行った…」
真っ赤になるミヤさんにつられて僕もかなり赤面していたと思う…二人とも照れ隠しに「さ、さあ…マスターにお願いして作ってもらった特注の超ジャンボパフェです!アルタイルに負けないようにってマスターが頑張ってくださいました!」「…じゃあ、アルタイルの名にかけて完食しないとですね!」「うふふ…頑張りましょう!」
僕達はスプーンを手に取って目の前の超ジャンボパフェに突撃した…
「いっただきまーす!」




