新しい家族
今日はシズカさんが僕達の部屋に夕食を食べに来られた。「へえ…二人でスケートサークルに入ったの…で、リカはコーチのお眼鏡にかなった訳ね…」「はい…でもサークルの予算が年々少なくなっているみたいで…」「なるほど…分からない話ではないわね…私達、研究者も予算ありきの研究だからね…でも、リカは世のマスコミには晒すつもりはさらさらないわ…私の大事な娘だからね…」
「それこそバレたらクローンだアンドロイドだと騒ぎ立てられますからね…リカは立派な人間ですから…」「そうね…それはそうとあなた達…お付き合いすることになったそうじゃない…?」
ブーッ!僕は飲んでたお茶を吹き出した…
リカも俯いて真っ赤になっている…「ど、何処からそれを…」「うふふ…
実は私とミドリはスクールの同期生なのよ…
今でも一番の友達なの!彼女…あなたとリカは良いカップルだと褒めていたわよ…でも…将来、結婚するとしたら、ダイスケ君は私の弟みたいなものだし…リカは娘だし…ちょっと複雑だわね…」
「け、結婚…」僕とリカは顔を見合わせてまた真っ赤になって俯いた…
僕は「こ、このポテトサラダ美味しいなあ…と誤魔化そうとするとリカも「わ、私もおかわり…」とキッチンのほうへ向かった…
リカ…僕はバニラアイスをおかわりする人を初めて見たよ…
「ところでシズカさん…一つお願いがあるんですけど…」「何かしら?私で出来ることなら…」僕がシズカさんに耳打ちすると「ああ、それなら丁度良い子がいるわ…今度連れてきてあげる…」「ありがとうございます!」「リカは知ってるの?」「あはは…サプライズで…」「りょーかい!」
リカは僕とシズカさんの会話に首を傾げながら笑っていた…
それから数日後…シズカさんはペットを入れるキャリーケースをもって僕達の部屋を訪ねてくださった…
「ママ…何ですか?これ?」リカは珍しそうにシズカさんのキャリーケースを見つめる…
シズカさんはキャリーケースを床に置いて「とても可愛い子よ…それっ!」とキャリーケースの扉を開けた…「きゃっ!」リカはビックリして声を上げた。中から勢い良くフェレットの一種のアルタイルラットが飛び出した…
イーナという種類のグレーと白の可愛いその子はリカや僕の足元をグルグルとすごい速さで駆け抜けた…