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オルトロス後半戦ー11

 『連合』側旗艦アコンカグアに漂う空気が急速に楽観から恐怖に代わる一方、『共和国』側旗艦オルレアンでは、その指揮官が安堵の息を漏らし始めていた。

 

 「しぶとい相手だったけど、やっと引っかかってくれたわね」

 

 リコリスは戦況を観察しながら、これまでの悪戦苦闘を感慨深げに思い返した。その視線の先には、14隻ではなく18隻の駆逐艦がいた。

 



 リコリスの直轄部隊は最初、オルレアンと駆逐艦18隻で構成されていた。これまで駆逐艦の数が14隻だったのは、緒戦で前衛として4隻を分派したためだ。

 その4隻は前衛の務めを果たした後、艦載機隊の半分と共に敵駆逐艦の動きを警戒する任務に就いていた。巡洋艦は大きくて目立つし運動性も悪いので予想外の動きを警戒する必要は無いが、小柄で俊敏な駆逐艦は目を離せば思わぬところに出現するリスクがあったからだ。


 しかし敵が乱戦を狙って突っ込んできた時点で、リコリスはこの4隻に攻撃任務を与えることにした。直轄部隊はミサイルを撃ち尽くしており、攻撃力が著しく低下している。対して警戒にあたっていた4隻は当然、ミサイルをそのまま残していたからだ。

 4隻合計で32発のASM-15対艦ミサイルは、状況次第では切り札になり得る存在だった。


 リコリスは最初、4隻を巡洋艦同士の砲戦の援護に使うつもりだった。しかし艦載機隊から来た、敵旗艦と思われる艦が離脱したという報告を聞いてすぐに考えを変えた。直轄部隊と秘密裏に再合流させ、敵旗艦への襲撃を行わせることにしたのだ。


 さらにリコリスは、敵旗艦をこちらの思い通りの場所に移動させるための為の餌として、『共和国』側の旗艦オルレアンをわざと敵旗艦に見つかりやすい位置に移動させ、攻撃を誘うことまでした。

 砲戦を放棄してまで単独行動をとり始めたということは、敵旗艦の目標は『共和国』側の旗艦しかあり得ない。ならば旗艦オルレアンを囮に使えば、敵は必ず食いついてくると判断したのだ。



 その戦法は概ね成功した。行方不明だった敵巡洋艦の残り1隻が出現したのは予想外だったが、後は大体考えた通りに進んでいる。敵旗艦はまんまとオルレアンに食いつき、その挙句に駆逐艦の攻撃を受けようとしていた。



 「巡洋艦部隊より入電。敵巡洋艦との砲戦が終了したということです。戦果は敵巡洋艦2隻撃沈。被害はヤムルーク、ニネヴェ沈没。モンティエル大破」

 「そんなに…か」


 そこに飛び込んできた被害報告に、リコリスは肩を落とした。巡洋艦1隻には800人以上が乗っている。沈没前に脱出した者もいるだろうが、損傷艦を含めた戦死者の合計が1500に達するのは確実だった。


 乱戦に乗じて敵旗艦を仕留めることに決めてから覚悟していたことではあるが、それでも戦死者1500以上という数字は重かった。これまでの戦いでは精々数十名単位の死者しか出したことが無いが、桁が2つも上がってしまったのだ。



 こちらは合計して4隻の巡洋艦と9隻の駆逐艦を沈めているから、戦術的に言えば勝利だが、戦死した者たちにとってそんな事は何の慰めにもならないのも事実だった。


 「せめて残りは連れ帰りたいものね」


 リコリスは戦闘指揮所の皆に宣言するように言うと、感傷を捨てて戦闘指揮に戻った。悔やんでも死者は蘇らない。生者に出来るのは、これから出る死者の数を減らすことだけだ。



 リコリスが見守る中で、18隻に増加した駆逐艦が敵巡洋艦に接近している。その中でミサイルを発射できるのは4隻だけだし、敵もおそらくそのことは知っている。


 「でも、どの艦がミサイルを残しているのかは知らないでしょう」


 リコリスは意識して笑顔を作りながら、敵指揮官に呼びかけた。巡洋艦2隻に対して駆逐艦4隻だけを突出させたのでは、ミサイル攻撃実施までに砲撃で全て潰される可能性がある。そのためリコリスは、ミサイルを持たない14隻を含む全ての駆逐艦を前進させていたのだ。


 どれほど優秀なレーダーや光学機器を持った艦でも、接近中の駆逐艦のどれがミサイルを持つ艦で、どれが持たない艦かまでは分からない。それを知っているのは『共和国』側だけだ。

 つまり敵としては18隻全てを潰さない限り、ミサイル攻撃への恐れを取り除けないことになる。敵新型巡洋艦がどれほど強力でも、短時間で1隻当たり9隻の駆逐艦を沈めることは不可能だ。


 既に敵将の運命は決まった。リコリスはそう判断していた。








 




 チェンバースもまた、既に死を覚悟していた。前進してくる『共和国』軍駆逐艦のうち2隻を撃沈したが、残りはミサイルの有効射程に入っている。

 沈没した2隻がどちらもミサイルの搭載艦だったとしても、飛んでくるミサイルの数は16発。あの距離からの発射なら、アコンカグアを撃沈するに十分だ。


 「こんな所で、本艦の欠点が裏目に出るとは」


 チェンバースは意味もなく、そんな言葉を口にした。今更言っても仕方がないことだが、言わずにはいられない。


 『連合』が誇るコロプナ級巡洋艦にはある弱点が存在した。高速の小型艦との砲戦が苦手なのだ。

 コロプナ級巡洋艦は短時間で数を揃えられるよう、出来るだけ既存の生産ラインを流用して建造できるように設計されている。主砲や機関こそ新しいが、他の部分は前級のカラコルム級からの流用が大半だ。 少し大袈裟に言えば、カラコルム級の前後から工作の難しい曲線的なブロックを取り外し、その跡に技術力の低い工廠でも作れる単純な形状のブロックを取り付け、ついでに船体を15mほど延長して追加装甲を貼るとコロプナ級になる。


 このような設計には大きなメリットがある。機関と主砲関連以外の初期不良を回避できるし、既存の艦に慣れた乗員が容易に艦に習熟できる。一刻も早い戦力化が求められる戦時急造艦としては、理想的な設計と言っていい。


 

 しかし、既存の艦の部品を流用したが故の代償もまた存在した。倉庫に眠る予備部品と既存の生産ラインを有効活用するという理念により、コロプナ級の主砲を旋回させるためのモーターその他のシステムは全てカラコルム級用が使われている。

 カラコルム級より大型化した主砲を同じモーターで動かしているのだから当然、コロプナ級の主砲旋回速度は顕著に低下した。


 これについて用兵側からは幾らかの懸念が寄せられたが、最終的に彼らの意見は無視された。巡洋艦との砲戦ならこの程度の旋回速度でも十分であり、いちいちモーターを新規に開発して建造に支障を及ぼす方が問題。それが兵器開発部の最終判断だったのだ。


 確かに「巡洋艦との砲戦」に限って言えば、兵器開発部の判断は正しかった。遠方にいる全長500m級の艦を撃つには、コロプナ級の主砲旋回速度は必要十分であることが、同級の初陣となったこの戦いで証明されている。


 しかし一方で、近くにいる全長300m級の艦を撃つには、その主砲旋回速度は不十分だった。射撃指揮所は接近してくる駆逐艦に照準を合わせることが出来たが、砲の旋回速度の方が追い付かなかったのだ。 結果として狙われた2隻のコロプナ級は、実質的に両用砲のみで18隻の『共和国』軍駆逐艦への対処を余儀なくされた。



 命中しさえすれば駆逐艦を一撃で戦闘不能にできるコロプナ級の主砲は、駆逐艦の機動に追随できずに虚空を切るばかりだ。

 両用砲による射撃は命中しているが、流石に両用砲ではかなりの数を当てないと駆逐艦は沈められない。ましてや短時間で9隻を戦闘不能にするなど、どうやっても不可能なことだった。



 『連合』側の砲員が切歯扼腕する中、両用砲による砲撃で沈没した2隻を除く16隻の『共和国』軍駆逐艦がミサイルを放ちながら逃げ去っていく。その数は32発、アコンカグアとマッキンリーの両方を沈めて余りあるだろう。



 


 「機関停止!」


 アコンカグア艦長がそう命令した。対艦ミサイルは発射時点における艦の未来位置に向かって放たれているはず。ならば機関を止めれば、回避できる可能性がある。艦長はそう判断したのだろう。


 (おそらく無駄だな)


 だがチェンバースは内心でそう思っていた。敵駆逐艦はミサイルを扇状に発射していった。今から機関を止めても、アコンカグアは確実に一部のミサイルのセンサーに捉えられる。


 

 思いがけない報告が来たのはその時だった。後方にいたマッキンリーが、アコンカグアとは対照的に機関出力を増大させたというのだ。


 「マッキンリー、本艦の前方に出ます!」

 「何だと!? そんな命令は出していないぞ!」


 前方を監視するモニターに映るマッキンリーの巨体を見ながら、チェンバースは慄くように叫んだ。マッキンリーが何をしようとしているか悟ったのだ。

 マッキンリーの艦体は、アコンカグアに向かうミサイルの針路を塞ぐ形になっている。マッキンリーは自らを盾にして、旗艦アコンカグアを守ろうとしているのだ。


 「マッキンリーに定位置に戻るよう伝えろ!」

 「…マッキンリーより入電。『命令を拒否する』。以上です」


 通信科が震える声で報告し、チェンバースは銀色の髪をかきむしった。怒りと後悔が入り混じった感情が、全身を焼き尽くすのを感じる。


 「艦長、本艦も前進し、マッキンリーを援護すれば?」

 「無駄です。そんなことをすれば、マッキンリーともども沈没するだけです」


 「そんな…」


 チェンバースは呆然とした。自分は平民出身の部下を使い捨ての道具としか考えない他の財閥系士官とは違う。チェンバースはこれまでそう自負してきたし、行動でもそれを示してきたはずだった。

 それなのにここで、部下を盾にして生き延びるのか。それでは心底軽蔑していた、リントヴルム政府軍の高級士官どもと同じではないか。




 チェンバースが何もできずに見守る中、アコンカグアの盾となって立ち塞がるマッキンリーの艦体に、6本の青白い光の矢が吸い込まれていった。

 数秒後、複数の巨大な爆発光が膨れ上がり、マッキンリーの艦体を分断する。光はそのまま膨れ上がり、かつては巡洋艦とその乗員だったもの全てを高温のガスに変えた。




 「マッキンリー、轟沈しました。なお、敵旗艦は撤退中です。今から追い付く見込みは、おそらくありません」

 「…分かった。戦闘は終了したという事だな」


 チェンバースは力なく答えた。巡洋艦と駆逐艦各2隻を沈めたが、こちらは巡洋艦5隻と駆逐艦9隻を失った。ここまで酷い敗北を喫したのは、従軍して以来初めてだった。




 「必ずしも敗北とは言えますまい。大きな犠牲は払いましたが、こちらは敵が意図していた第二十三艦隊旗艦への襲撃を阻止しています」


 チェンバースの顔色を見透かしたように、アルバトフ中佐がそう指摘した。この戦闘の目的は第二十三艦隊旗艦ベレジナを、あの部隊による襲撃から守ることだった。

 それについては達成された以上、戦闘結果は勝利と判断するべきだ。彼我の損失比は勝敗を図る唯一の尺度では無い。彼はそう思っているのだろう。


 「理屈としてはそうだがな」


 だがチェンバースとしては、アルバトフの楽観論に安易に頷く気にはなれなかった。結果として最小限の目的は達成したものの、優勢な兵力で戦ったにも関わらず倍以上の被害を受けたというのは、とても誇れることではない。

 何より悔しいのは、敵将が常にチェンバースの一枚裏を掻いてきたことだ。戦闘全体を振り返っても、『連合』側は常に『共和国』側に振り回されていたという印象が否めない。


 アコンカグアに、前方から現れた『連合』軍戦艦イーザルからの通信が入ったのはその時だった。




 「到着が遅れて済まなかった。お蔭でこの戦いで仕留める機会を逃してしまったな。よい機会のはずだったが」


 画面に現れた人物、ディーター・エックワート准将は、そう言ってチェンバースに詫びた。彼の部隊はチェンバースの部隊とともに『共和国』軍を挟撃する予定だったのだが、『共和国』軍は一足先にチェンバースの部隊を突破してしまったのだ。


 「気にするな。敵を食い止められなかった私の非才が原因だ」


 チェンバースは肩を落としながら言った。緒戦で浴びせられた一方的な砲撃、最後に自分の身代わりになるようにして沈んだマッキンリー。思い出すたびに肌が粟立ってくる。

 チェンバースは財閥系士官としては非常に珍しく、従軍してから一貫して前線に立ってきたが、あれほどの戦慄を味あわされたことは無かった。


 「そう卑下することも無いだろう。私は無傷で逃がしてしまったが、貴官はあの部隊にかなりの被害を与えている」


 エックワートが戦傷で麻痺した顔の右半面を画面から隠しながら、チェンバースを励ますように言った。

 確かにチェンバースは、あの部隊と対峙した『連合』軍部隊の中で、相手に初めて大損害を与えていると言うことは出来る。それと引き換えに失った兵力もずっと多いが。


 「今回は取り逃がしてしまったが、必要以上に恐れることもあるまい。敵将は大した奇術師かもしれないが、魔法使いでは無い。絶対に仕留められないということは無いはずだ」


 エックワートは続けてそう主張し、チェンバースは取り敢えず頷いた。エックワートの言うとおり、軍人にとって敵を過小評価するのは論外だが、徒に恐怖するのも禁物だ。指揮官の過剰な恐怖は部下にまで伝染し、部隊全体が消極性と言う病に陥ることになる。


 今回対戦した敵将は恐るべき戦術家だが、人知を超えた存在という訳ではない。仕留める方法は必ずある。そう信じるしか無かった。


 



 そのまま雑談を交わす2人の旗艦に、イピリア政府宇宙軍司令官を務めるグアハルド大将からの通信が送られてきた。戦闘終了とこれからの行動を伝えるものだ。


 「『日の場合』か」


 通信文を見たチェンバースは呟いた。イピリア政府はこれからの戦略について、大きく分けて2つの計画を準備していた。

 戦略計画の1つめは『日の場合』、2つめは『月の場合』と名付けられている。いずれも軍の参謀に救世教の民兵組織代表をも加えたグループが、惑星イピリアの占領後に大急ぎで作成したものだ。


 そのうち『日の場合』、戦略環境がイピリア政府にとって有利な場合の計画の第一段階を実行せよ。グアハルドはそう命じてきていた。


 「勝ったのだな。我々は。『共和国』軍に」


 エックワートが未だに半信半疑と言った口調で答えた。『日の場合』の発動条件の1つは、『連合』領内から『共和国』軍が撤退することだ。その為にはイピリア政府宇宙軍が、『共和国』宇宙軍に勝利する必要がある。

 ファブニル星域でかつての『連合』軍を粉砕した軍隊と戦い、追い返す。誕生してから僅か数か月の軍隊にそれが出来るのか、イピリア政府軍の高官たちは内心で疑っていた。



 しかし現実に、『共和国』宇宙軍は目の前で撤退を始めていた。損傷艦を含めて1300隻弱に減った艦隊が、地上軍を載せた輸送船団とともに惑星オルトロスから移動している。戦術的勝利を収めたとは言えないが、少なくとも戦略的勝利を収めたのは確かだった。



 「勝ったぞ! 我々は勝てるのだ!」


 次第にアコンカグアとイーザル、いやイピリア政府軍に属する全艦で、そんな歓声が上がり始めた。旧政府軍がかつて苦杯を舐めさせられた相手と正面から戦い、追い返した。その事実はいかなるプロパガンダより、イピリア政府軍将兵の士気を引き上げた。

 

 我々は今や負け犬ではないし、リントヴルム政府軍が言うような反逆者でもない。ファブニルで地に堕ちた『連合』の威信を取り戻した誇りある軍隊だ。将兵たちは撤退する『共和国』軍の姿を見て、そのことを確信していた。



 「『国土再統一』か。夢物語だと思っていたが…」


 一方、騒ぎからやや身を置いていたチェンバースとエックワートは、救世教第一司教がイピリア政府の高官たちに語った理念を思い出してふと身震いした。

 これまで狂人の妄想同然と考えていた計画が、いつの間にか手の届きそうなものとなっていた。それは何故か歓喜というよりも、恐怖に近い感触をもたらした。











 リコリス隊とチェンバース隊の交戦終了を以て、オルトロス星域会戦は完全に終結した。この戦いで『共和国』宇宙軍第2艦隊群は233隻が沈没、541隻が中破以上の損害を受け、戦闘部隊としての機能をほぼ喪失。地上軍もろとも惑星オルトロスからの撤退を余儀なくされた。

 

 一方の『連合』イピリア政府軍は194隻が沈没、611隻が損傷する被害を受けた。ほぼ完全な奇襲に成功したにもかかわらず、同程度の被害を受けたことはイピリア政府を震撼させ、ストリウス中将が主張する軍の再編を更に進ませる結果となる。

 宇宙暦702年初頭において、『共和国』宇宙軍の能力は未だに、『連合』宇宙軍を大きく上回っていた。

 


 にも関わらず、イピリア政府が同会戦を自らの大勝利と主張したのは正しかった。戦術的な意味ではなく、戦略・政略的な意味においてである。


 イピリア政府軍が『連合』の領土内に侵入していた『共和国』軍と交戦し、会戦に勝利して彼らを撤退に追い込んだ。この情報は救世教の情報網を介して全『連合』領土に拡散され、内戦における民心を大きく傾けたのだ。


 この時代における『連合』人は、「財閥の臣民の集合体」から「『連合』公用語によって結びついた1つの国民」になりつつあった。その彼らは、開戦後初めて『連合』軍が『共和国』軍を大規模な戦いで破ったというニュースに熱狂し、それを成し遂げたイピリア政府軍に歓声を浴びせた。


 一方で、『共和国』軍を自国内に招き入れたリントヴルム政府の権威は失墜した。内戦勃発時に主流だった、リントヴルム政府が正当政府でイピリア政府が反逆者という認識は、オルトロスを境として急速に逆転し始める。


 国家の第一の義務は外敵から領土と国民を防衛することだ。ならば宿敵である『共和国』軍に勝利したイピリア政府こそが、『連合』の正当政府。そんな認識が、どちらの政府の支配域に住んでいるかを問わず、『連合』人の間で広まり始めたのだ。

 


 オルトロス星域会戦の結果と並んで重要だったのは、同時期に第二次ファブニル会戦と呼ばれる戦いが発生、『連合』リントヴルム政府宇宙軍が『共和国』宇宙軍に大敗したことだった。

 

 この2つの戦いが、「宇宙暦500年代から1000年代にかけての、最も重要かつ予想外の事件」を生み、その後の歴史を変えることとなる。

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