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オルトロス星域会戦ー9

 リコリスが対峙しようとしていた『連合』イピリア政府軍部隊の指揮官、ディーター・エックワート准将は、目の前の惨劇を見て息を飲んだ。

 合計11隻の巡洋艦、駆逐艦が一瞬で轟沈した。しかも戦艦を含まない、20隻ほどの小部隊によって。


 『連合』宇宙軍に入隊してから、小競り合いを含めれば20回以上の戦闘に関わってきたが、これほど酷い敗北を目にしたのは初めてだ。あのファブニル星域会戦ですら、『連合』宇宙軍は敵にそれなりの被害を与えたというのに。

 

 

 僅かな戦力でイピリア政府軍最精鋭の艦隊に挑んだ小癪な相手を一撃で叩き潰すつもりだったが、そのような考えは改める必要がありそうだ。敵は数こそ少ないが、恐ろしく狡猾な相手だ。油断すればあっという間に、目の前で壊滅していった味方部隊と同じ運命を辿る事になるだろう。



 エックワートはそう再認識すると、右頬にかかる黒に近い茶色の髪を撫で上げながら、艦内の各部署が戦闘準備を完了しているかを確認していた。

 

 彼の浅黒い肌と鋭利な目鼻立ちはいかにも軍人らしい精悍さを感じさせるが、その顔の右半分は常に硬直している。初陣の時に負傷して表情筋を動かす神経を切断されたのだ。

 高度な医学処置を受ければ神経を修復できるらしいが、平民出身の彼には夢のまた夢だった。旧『連合』政府軍、今でいうリントヴルム政府軍では高度医療の優先権は常に財閥出身者に与えられていた。



 イピリア政府軍への入隊後、宇宙軍を指揮するフェルナン・グアハルド大将に手術を勧められたが、エックワートは断った。

 祖国存亡の折に、軍人としての能力と無関係の処置を受けて前線を離れるつもりは無い。そんな事は平和になってからすればいい事だ。エックワートはグアハルドと救世教第一司教にそう伝え、イピリア政府を守るための部隊を与えてくれるよう要求した。

 そしてその願いは叶えられ、エックワートは第二十三艦隊、イピリア政府軍最強の艦隊で戦う事になった。


 


 エックワートの旗艦イーザルの艦内では、従軍司祭が救世教を信仰する乗員に戦闘前の最後の祝福を与えている。エックワートを含むイピリア政府軍士官の多くは、彼らが一種の政治士官では無いかと疑っていたが、今のところ軍事上の判断に干渉する様子は見せていない。


 (私は神の為に戦う気は無いが、貴方が作る国家の為に戦いますよ。第一司教猊下)

 

 従軍司祭の姿をモニターで眺めながら、エックワートは内心でそう呟いた。イピリア政府を指導する第一司教は、救世教開祖の血を継いでいるとされ、救世教徒からは神のように崇拝されている。

 だがエックワートは、そんな事に興味は無かった。どんなに高貴な血を持つ人間であっても、行動までが高貴であるとは限らない。彼はその事をよく知っていた。

 



 

 エックワートは『連合』首都惑星リントヴルムで生まれ育ち、戦死した両親と同様、『連合』宇宙軍士官学校に入学した。そこで見たのは、『連合』軍、いや国家全体に蔓延る腐敗だった。


 財閥の血を引いている者は危険が少なく実入りのいい地位に自動的に就き、指揮系統を無視しても滅多に咎められない。平民出身者は危険な辺境部隊に配属され、消耗品のように扱われる。

 

 この手の問題はどこの国にもある。だが『連合』では、それが度を越していた。そもそも戦えるかも疑わしい首都防衛軍が多額の予算を消費する一方、実際に敵国の矢面に立つ辺境部隊は給料の遅配や物資の不足に苦しんでいた。

 エックワートが最初に配属された部隊では、軍人が訓練より基地内に作った畑の耕作に時間を割いていたほどだ。

 仰天するエックワートに対し、隊長は悲しげな口調で説明した。食料は現地の財閥が農民から徴収して軍に届ける事になっているが、財閥は適当な理由をつけて一向に食糧を送ってこない。だから軍が自力で食糧を生産せざるを得ないのだと。

 


 さらにエックワートが驚いたのは、辺境部隊が重要任務である筈の救世教徒の討伐を行わず、限りなく同盟に近い関係を築いている事だった。明らかな反逆行為であり、一時は真剣に中央への告発を考えた。

 

 告発を取りやめたのは、やむにやまれぬ事情がある事に気づいたからだ。

 財閥による抱え込みは食糧に限った話ではなく、燃料や兵器の予備部品にも及んでいた。軍に納入されているはずの燃料や艦船用部品の半分近くは、財閥が保有する航運会社に届けられ、会社の運転資金を削減するために使われていたのだ。



 これが経済界を支配する家系の顔ぶれが数百年来変わらない理由かと、しばしば燃料の補給が行われない裏を知ったエックワートは悪い意味でとても感心した。

 国家経済にとって最も重要な輸送手段である宇宙船舶を動かすのに必要な物資をほぼ無料で調達できる会社に、新興の他社が勝てるわけが無い。『共和国』におけるクラーク家のような新興財閥が、『連合』に出現しないのも当然だった。

 

 

 


 このように物資を横流しされている軍が曲がりなりにも戦闘力を保っているのは、救世教徒と協力しているお蔭だった。救世教徒は支配地域に大量の工場を建設し、そこで燃料や艦船用部品を製造して軍に安価で売ってくれていたのだ。

 これらの工場が建設された裏に外国の援助があるのは明らかだったが、軍としては取り締まる訳にもいかなかった。救世教徒の工場が無くなれば、辺境部隊は戦闘力を維持できなくなってしまう為である。首都防衛軍が各財閥の私兵になりつつあった時、辺境部隊は救世教徒の傭兵と化していた。



 この状況に、内戦勃発前のエックワートは苦悩した。救世教徒は本来、『連合』最大の敵だ。だが救世教徒と協力しない限り、その軍隊は存在する事が出来ず、『連合』の領土は外国によって蚕食されてしまう。最悪のジレンマだった。

 辺境部隊の軍人の一部は救世教徒が示す偉大な目標への献身という価値観に惹かれ、自らも入信する事でジレンマを解消していたが、エックワートにはこの道を取ることが出来なかった。


 救世教の教義では人間が崇拝して良いのは唯一神と、その影にして地上における栄光の象徴である第一司教だけであり、物体や個人を崇拝してはならないとされている。

 

 そしてこの教義は、エックワートが叩き込まれた軍人の理念を真っ向から否定するものだった。『連合』軍人は国家、及びその力の象徴である『天秤と剣』に忠誠を誓う事を義務付けられている。

 エックワートにとって、『連合』軍人である事と救世教徒である事を誠実に両立させるのは不可能だった。その『天秤と剣』が、今は救世教第一司教の手にあったとしてもだ。

 

 



 それでもエックワートは、内戦が発生するとすぐにイピリア政府軍に加わった。グアハルド大将との縁もあるが、それ以上にイピリア政府の方が国家として明らかにまともだったからである。

 イピリア政府においてはリントヴルム政府で常態だった給料の遅配も物資の横流しもなく、軍は財閥の都合ではなく軍事的な合理性に合わせて作り直された。

 

 また最も懸念していた宗教の押しつけや愚民化政策を、イピリア政府最高指導者の救世教第一司教は全く行おうとしなかった。

 イピリア政府軍に入隊した軍人たちが救世教への入信を強要される事は無かったし、『大内戦』の時のように旧政府の関係者が族誅される事も無かった。財閥の下で実際に経済を動かしていた人間たちは、今まで通り仕事を続けるように指示され、彼らへの迫害は固く禁じられた。


 遥か昔の前任者が行った、聖典を暗唱することが出来て、救世教に由来しない思想を「理解出来ない」者のみを生かすという政策を、救世教徒はとっくに捨てていたのだ。

 


 イピリア政府が成立するずっと前から、救世教支配地域の神学校では聖典と同時に読み書きや初歩的な計算が教えられ、優秀な者は自然科学や経済理論を学ぶ事も出来た。強制収容所で機械製造に当たっていた脱走政治犯が、外国の援助によって購入された高度な工場設備の扱い方を若手に教育し、ついには軍用部品を生産できる域にまで技術を高めた。



 財閥の支配地域にいる住民が、多世代宇宙船時代にまで遡る支配者の家系史を歴史と称して学ばされ、財閥当主の立体映像に向かって礼拝を行う事を義務付けられていたのとは対照的である。

 現在の第一司教が『共和国』国内で秘密裏に即位したのは6年前だが、その時にはとっくに、救世教徒と財閥階級にあった知力の差は逆転していたのだ。


 政争にかまけた財閥階級は、まともに政治や経済を運営する能力を失った挙句、領民に迷信を教え込むことで権威を維持していた。

 一方の救世教徒は字も碌に読めなかった物乞いや売春婦の集団を、何世代もかけて高度な教育を受けた労働者に変えていた。どちらが忠誠を尽くすに値する政府かは明らかだった。


 救世教徒は『連合』政府への反逆者だが、『連合』人への反逆者ではない。エックワートはそう気づき、救世教第一司教が作った国家に忠誠を誓ったのだ。




 そしてその国家、イピリア政府は危機の中にあった。リントヴルム政府、要するに旧『連合』政府、そして世界最強の宇宙軍を擁する国、『共和国』によって同時に宣戦布告を受けている。

 前者とは一応の密約が成立しているが、彼らが約束破りの常習犯である事は周知の事実だ。イピリア政府軍弱しとみれば、すぐにでも襲い掛かってくるだろう。



 だからこのオルトロス星域で、イピリア政府軍は何としても勝たなければならなかった。リントヴルム政府の傭兵のような形で展開している『共和国』宇宙軍を撃破しなければ、イピリア政府に未来はない。


 ここで負ければ『連合』人が初めて手に入れたまともな国家は、『共和国』とリントヴルム政府の両国に袋叩きにされて歴史の屑箱の中に消えてしまう。そして『連合』人は、またもや圧政と迷信の中で暮らすことになり、やがては他国によって併合されてしまうだろう。




 「祖国と国民の生存、そして神の栄光が実現されるか否かはこの戦闘に懸っている!」


 エックワートは指揮下の将兵にそう訓示した。

 「神の栄光」という言葉を口に出すとき、微妙な嫌悪感が胃からこみ上げてきたが、彼はそれを抑え込んだ。内心の葛藤は顔の麻痺した右半分に覆い隠され、戦闘指揮所内の他の人間が感知する事は無かった。













 「敵巡洋艦1番艦、後1分程で本艦の主砲射程内に入ります」

 「発砲、別命あるまで待て」


 エックワートは慎重に指示を出した。エックワートの部隊には、旗艦イーザルを含む2隻のドニエプル級戦艦が配属されている。この戦艦が持つ主砲の射程がいかに長いかを、『共和国』宇宙軍は今までの戦いで学んでいるはずだ。

 それなのに敵部隊は、躊躇せずに接近してきた。これは確実に何かを企んでいる。エックワートはそう推測していた。


 「巡洋艦部隊に命令、敵の頭を押さえる形に動け。また本艦から、巡洋艦部隊に射撃データを送信」


 (何を考えているかは不明だが、こちらの優位は動かない)、指揮下の部隊に指示を出しながら、エックワートは敵の指揮官にそう語りかけた。

 


 敵の戦力は巡洋艦5隻と駆逐艦18隻、対してエックワートが指揮するのは、戦艦2、巡洋艦6、駆逐艦20。それも全て新鋭艦であり、従来『連合』軍艦の弱点とされていた機動力が改善されている。質でも数でも劣る敵に敗れる事は無いはずだ。



 命令を受けた6隻のコロプナ級巡洋艦が、前進してくる敵の頭を押さえる形に動く。

 コロプナ級はカラコルム級巡洋艦の改良型であり、新型機関の採用で機動力が向上した他、船体の形状を簡略化する事でより量産に向いた構造になっている。『連合』の領内にある造船所において、戦前から合計300隻以上が建造中であり、派生形を含めれば最終的に500隻以上が建造されるという噂もある。

 余裕のある設計から兵装及び艦内設備の変更にも対応でき、これからの『連合』軍巡洋艦の標準となる運命にある艦だった。





 「巡洋艦部隊、砲戦を開始しました」


 旗艦イーザルの索敵科が報告を行う。カラコルム級よりやや大きく、直線的な船体を持つ巡洋艦がクレシー級、デュラキウム級、マラーズギルト級といった『共和国』軍巡洋艦へ発砲する様子が、エックワートの脳裏に浮かんだ。


 こちらの巡洋艦が出た事で、当然敵も変針し、同航戦の形を取ろうとするだろう。エックワートはそう推測したが、モニターに表示された彼我の位置情報を見て目を剥いた。



「この連中、一体?」


 『共和国』軍の巡洋艦、駆逐艦は同航戦も反航戦も行おうとしていない。こちらに頭を押さえられたまま、前部砲塔のみで発砲を行っている。


 このように戦理を無視した艦隊機動を行うとは、敵は余程無能だとしか思えない。だが彼らが無能とは程遠い事は、さっき壊滅した味方部隊の残骸が雄弁に物語っている。理解に苦しむ事態だった。


 コロプナ級巡洋艦6隻は、敵の奇妙な動きに困惑しながらも砲撃を続けた。相手が回避運動を行いながら進んでいるので中々照準が合わないが、それでも一斉射ごとに弾着が近づいていく。


 (そろそろ命中するか)、そう思った矢先に敵は新たな行動に出た。急回頭してエックワートの部隊から遠ざかって行ったのだ。これまで前部しか見えなかった敵艦が回頭した事で、その全貌が『連合』軍側からもはっきり分かるようになった。



 「敵巡洋艦のうち隊列先頭の2隻はクレシー級、後ろの2隻はマラーズギルト級、最後の1隻は…」


 イーザルの索敵科員が、これまでに得られた情報から推定される敵艦の種類を報告していく。だがその報告は、途中でぴたりと止んだ。


 「どうした?」

 「もう1隻は、識別表に乗っていない艦です。新鋭艦、もしくは少数しか建造されていない艦と思われます」

 「新型?」


 エックワートは首を傾げながら、今は殿の位置にいる巡洋艦の映像を眺めた。確かに妙な形の艦だ。艦橋の形状や船体前方の主砲配置はクレシー級に似ているが、後部に砲が装備されておらず、代わりに巨大な格納庫が存在している。

 全体の印象としては、かつての『連合』軍で建造が計画された後、着工直前に取りやめになった自律式偵察ポッド搭載型巡洋艦に酷似していた。



 だが自律式偵察ポッド搭載型巡洋艦にしては、その行動は不自然だ。このタイプの艦は遠距離から偵察ポッドを敵艦隊めがけて打ち出し、ポッドから情報を得て砲戦を優位に運ぶ兵器として計画された。

 対してあの巡洋艦は今もって、偵察ポッドらしきものを打ち出していない。いやそもそも、『共和国』宇宙軍が自律式偵察ポッドを開発したという情報も無ければ、これまでの戦いで使用したという記録もない。



 「と言うことは、あいつは?」


 エックワートは上官のフェルナン・グアハルド大将から聞かされた話を思い出した。グアハルドはファブニル星域会戦で一度捕虜になっている。

 その時グアハルドの旗艦エニセイを大破させた部隊が、識別リストにない妙な形状の巡洋艦を含んでいたというのだ。



 グアハルドは降伏後にすぐ他の船に移送されたので詳細を知る事は出来なかったが、戦場での行動からは警戒艦もしくは指揮専用艦では無いかという印象を受けたという。現在エックワートの目の前にいるのは、それと同じタイプの艦なのかもしれない。


 いずれにせよ、あの妙な巡洋艦が攻防性能でこちらのコロプナ級巡洋艦に及ばず、ましてやドニエプル級戦艦とは比べるべくも無いのは確実だ。そんな艦が、回頭が遅れた他の数隻とともにエックワートの目の前にいる。



 これは先ほど壊滅した味方の仇を討つ好機のはずだった。コロプナ級巡洋艦は『共和国』の巡洋艦よりやや遅いが、これまでのカラコルム級、エルブルス級、ローチェ級などに比べればかなり速い。

 6隻のカラコルム級を駆逐艦と共に前進させれば、回頭が遅れている敵艦をまとめて葬る事ができそうだった。いや特に殿を務める艦の動きの鈍さを見れば、ドニエプル級戦艦も追撃に加える事ができるかも知れない。



 「全艦、全速力で追撃しろ!」、その言葉がエックワートの口から出かけた。妙な動きを取った挙句、何もせずに逃げていくとは無礼の極みだ。


 しかも敵は急激な一斉回頭を行ったため、隊列が大きく崩れている。敵の司令官が、部隊の錬度に見合わない機動を命令し、指揮下の艦がそれについていけなかった。あのぎこちない動きは、そう見るのが最も自然だった。




 だがエックワートは結局、即座の追撃命令を出すのをやめた。あまりに怪しいと感じたためである。

 接近した後、いかにもわざとらしく離れていった敵部隊。これに安易な追撃を行うべきではないと、辺境地域の小競り合いで積んだ軍人としての経験が告げていた。

 先ほど壊滅した味方が、それで足元をすくわれたとあっては尚更だ。ここは慎重に行動する必要があった。




 「敵艦隊を追撃する。だが決して、敵艦が通過した場所を通ってはならない」


 命令を受け、エックワートの指揮する28隻は慎重に追撃を開始した。ただし最短距離ではなく、やや迂回した経路を通ってだ。

 

 単純な攻撃をかければ、恐ろしい伏兵に引っかかる可能性がある事を、エックワートは考慮に入れていた。


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