キスに対する考察
ガシャン! ガタガタッ! ゴトッガチャッ!! カラン! カタッ、カタ……。
何重奏かも分からない騒々しい音があちこちから聞こえ、直後、食堂内は痛いぐらいの静寂に包まれた。
静まり返った中、厨房からぐつぐつと何かが煮える音だけが聞こえてくる。
匂い的にはビーフシチューかな? でもそのぐつぐつ音は煮え過ぎじゃない? 大丈夫?
凍り付く空気を他所に、頭の中では別の事を考えながらも、抵抗されないのを良い事にチューし続ける事1分経過。
「……おい、何をしている」
静寂を打ち破り、食堂の入口から地を這うような声が。
普段より何割増しか低くなっているその声に、うわぉご機嫌斜めっぽいなーと思いつつ、知らぬふりを決め込み口付けを続行していると、少しして体を軽い衝撃が襲い、接触していた唇が離れていった。
どうやら無理やり引き剥がされたようだ。
「もーボス、邪魔しないでくださいよ」
私と名も知らぬ人を引き離した低音ヴォイスの犯人を振り仰ぎ文句を付けると、刺し殺されそうな目で見返された。
良かった、目線に物理的攻撃力が無くて本当に良かった。危うく命を取られるとこだった。
「お前は何をしているんだ」
「ちょっと、この人に汚名を着せてやろうかと」
無表情を解除した私がけろりとそう言えば、「意味が少しも理解出来ん。説明しろ」とのご命令が。凍り付いていた周りの騎士たちも、それに賛同するかのように激しく頷いている。首取れるよ?
「この人が、我らが騎士団長様の事をロリコン扱いしまして……でも思うんですけど、12歳の少女を娘のように可愛がる団長と、12歳の少女と口付けを交わしたこの人とでは、この人の方が確実にロリコンって事になりますよね」
おっちゃんを侮辱したコイツに汚名を被せるためなら、唇の接触事故ぐらい屁でも無いわ! という意気込みで口付けを決行した私は、もはや乙女と名乗ってはいけないのかもしれない。乙女は自分の唇を武器にはしないよね。
あれ? いや、逆に乙女こそ唇は武器なのか? という事は、私は乙女の中の乙女って事? キングオブ乙女? ……乙女なのにキング?!
些か場違いなロジックを脳内で展開していると、事故相手の名も知らぬ人――既に口付けを交わした仲ではあるが、未だ名前を知らないので便宜上こう呼び続ける――は動揺も露わに反論してきた。
「なっ、お前が勝手にやったんじゃないか!」
「でも無抵抗だったじゃないですか。逆に舌を捻じ込んでくるぐらいだから、ノリノリだったんでしょう? ほーら立派なロリコンだ」
「ち、ちがっ、あれは反射的にっ」
「反射的に12歳の少女の口内を貪ろうとするって、どんだけ不可思議な性癖背負ってるんですか。業が深いわー。理解出来無いわー。……まぁロリコンの事を理解したいとも思いませんけど」
冷め切った目で見下して(物理的には見上げているのだが)やると、相手は一瞬で顔を歪めた。
え、泣くの? 泣いちゃうの? 大の男が? 立派な騎士様が? 少女に馬鹿にされたぐらいで泣いちゃうっての? メンタル弱過ぎない?
「なっさけな……弱いくせに突っかかってこないでよ」
溜息と共に切り捨てれば、ようやく口では敵わないと悟ったのか、それとも公開キスの刑でいたたまれなくなったのか。
「っくそ、覚えてろ!」
「分かりました。記念すべき初めてのディープキスですから、一生覚えておいて事有るごとに蒸し返しますね」
オリジナリティーに欠ける捨て台詞を吐いて逃げようとしたので、その背中に私らしさを詰め込んだ返事を投げ返してやった。個性って大事。
「やめろ! 忘れろ!!」
私の言葉に心打たれたのか、逃げ出そうとした足を急停止させグルンと振り返り、必死の形相で先程とは真逆の事を訴えてくる。
「ころころ意見を変える男は嫌われますよ。まぁとっくに死ぬほど嫌いですけど。ああそうそう、街中のお嬢さん方に嫌われるのも時間の問題でしょうね。この件は私が責任持って広めますから。平民から伯爵家のご令嬢まで幅広く交流があるので、期待しててください。女の情報網を侮らない方が良いですよ。巡り巡って、あなたのご家族にもいずれ伝わるでしょうねぇ……ふふっ。あ、安心してください、嘘なんて吐きませんから。『騎士様と濃厚な口付けを交わした』という事実を伝えるだけです」
20代半ば(多分それぐらいの年齢だろう)の騎士が12歳の少女と口付けたという事実は、きっとあなたの社会的立場を殺しますけどね、と心の中で付け加えておく。
慈しむような微笑みで優しく言い聞かせてやれば、彼はどんどん顔色を悪くしていき、最終的に「やめ、やめろ、やめてくれ、やめてくださいそれだけはっ! 頼む頼みますやめて!」と私の足元に縋り付いた。
ふん、完・全・勝・利じゃあっ!
しかしここで更に追い打ちをかけようと思います。
「その頼みを聞いて、私に何かメリットがあります?」
床に膝を付きこちらを拝むように見上げる彼に、そっと顔を寄せ囁いた。もちろん、微笑みは崩さないまま。
ハイこれ重要。余裕と優位性を示すために、微笑みは必要不可欠な要素です。テストに出ますよー。
「も、もうっ、二度と、あんな事は言わない、言いません!」
「それだけ?」
「な……なんでも、何でもするっ、しますから!」
「そう……あなたの名前は?」
「っ、リリック、です」
「じゃあリリック、まずは、ごめんなさいしよっか?」
「ごごごごめんなさい申し訳ありませんでした許して下さい!」
「良く出来ました」
笑みを深めながら頭を撫でてやり、それでも『許す』とは言わない辺りに性格の悪さが滲み出ちゃうなぁ。えへ。
だっておっちゃんを馬鹿にされて腹立ったんだもん。私にムカついてんなら、私の事だけ罵れば良いのに。それなら気にしないのに。
「後は……取りあえず、私が呼んだらすぐに来てね? それだけ約束してくれる?」
「わっ、わかり、ましたっ!」
「うん、じゃあほら立って。もう行って良いよ。午後もお仕事頑張ってね?」
「は、はいっ! 失礼します!」
青ざめた表情でぎくしゃくと去る彼を見送り、これで仕返し完了! いや~我ながら良い仕事したわ! と額の汗を拭うジェスチャーをしてみれば、なぜか食堂中の人間が固まっていた。
え、何ここ彫刻の森?
こちらを凝視するマッチョたちに軽く引きながらも、あ、早くご飯食べないと休憩終わっちゃうじゃん!と席へ戻る。
だが残念ながら、座る直前、ボスにがっつり腕を掴まれ阻止された。
「あの、ご飯食べたいんですけど」
「その前に口を濯いでこい」
相変わらずの不機嫌ヴォイスでご命令くださいまして誠にありがとうございます。
お前は私の上司か! ……いや、確かに魔法師長と騎士見習いなら魔法師長の方が立場は上だけど。
「えーと、理由を伺ってもよろしいでしょうか?」
「変なものをうつされていたらどうする」
「そんな事考えてたら、誰ともちゅー出来無くなりますよ?」
「黙って従え」
「えー、ボス潔癖症なんですか?」
「……ならば別の方法で消毒してやる。先日試作した、薬品に魔法を限界まで上掛けした物が」
「すみませーん、お水もらえますかー?」
地を這うどころか、地面の中から聞こえてんの? というレベルに低く響く声で不穏な提案をされたので、スマートにボスの手を振りほどき厨房にダッシュした。
訳の分からない薬品の実験台なんて御免だ!
料理人の方々、お仕事の邪魔してホントすみません。悪いのはボスなので苦情はボスにお願いします。あ、わざわざコップにお水注いでくれたんですね。ありがとうございます。
ボスの指令通りガラガラペッをして食堂内に戻ると、彫刻状態だった騎士たちはようやく息を吹き返したようで、ぎこちないながらも各々の食事に戻り始めた。
その流れに加わり食事を再開すると、イノシシもまた向かいの席に戻ったが、彼は食事なんかより私に言いたい事があったようだ。
騎士は体が資本だろうに。ちゃんと食べないと午後からが辛いんじゃないの?
「まず貴様に言いたいのは、口付けを攻撃方法のひとつとして使用するのはやめろという事だ!」
バン! とテーブルを叩いて主張し始めた彼へ、「乙女の必殺技なのに」と唇を尖らせれば、「ばっかものおおお!!」と素晴らしいまでの怒号が返ってきた。この人はもう少し精神修養に励むべきじゃないかな。もっと年相応に落ち着くべきだと思うわ。いや、正確な年齢は知らないけどさ。
「乙女は己の唇を相手を貶める為に使ったりせぬ!」
「私さっき、『己の持ちうるすべての技を駆使するのに恥じる必要は無い』って言いましたよね? あなたもその考えに納得してましたよね?」
「それとこれとは話が違うだろうが!」
「同じですよ。己のすべてを武器にする、というのが私の信念です」
ああ、時間が経って熱々スープが冷製スープになっちゃってる。超残念。でも残すなんて事はしない。だってコレは私の身長の源! にょきにょき伸びるためには栄養は必要不可欠だからね! まだまだ伸ばすぞ!
伸びろ身長、と念じつつスープをすすれば、イノシシだけでなく周囲の騎士からも異議を申し立てられた。
「いやいや、アレは無いわ~」
「いっくらムカついたからって、あーゆー方法は駄目っしょ」
「キスとかさー、オンナノコには大事なんじゃね? それをあんな風にさー」
「感情が伴わなければ、あんなのはただの唇と唇のぶつかり稽古でしょう?」
「ナニその稽古! 聞いたこと無いし!」
うん、私も初めて言ったよ。そんな事より、サラダのトマトが生温くなってて切ない。
「大体、何故ああも急に怒りを爆発させたのだ。初めはのらりくらりと躱していたではないか」
周囲が自分に同調した事で落ち着いたのか、イノシシは多少冷静になったようだ。
「別に前半部分に怒るようなポイントはありませんでしたし」
「思い切り貶されていただろうが」
「え、だって女なのもガキなのも実力不足なのも事実じゃないですか。怒るほどの事じゃありませんよ」
大体そんな事で怒るんなら、あなたの“小娘”呼びだって受け入れる訳無いでしょ。
過去には“ガキ”とか“テメェ”とか呼んでくる人も居たしねぇ。あの人の口の悪さに比べたら、他の人の罵声なんて微風だよ、微風。
あの人もヒューも、元気でやってんのかな。
「……己を冷静に客観視し受け入れる事が出来るのだな、貴様は。そういうところは感心したものだと」
「まぁ確かに、気に入らないなら口じゃなく剣で私を叩きのめしてみろよこの口だけのクソ野郎がとは思いますけど」
「褒めようとした途端これだ! 俺の賛辞を返せ! あと下品な言葉を使うな!」
元気な人だ。
喚くイノシシを受け流し最後のミートボールをフォークで刺すと、隣から伸びた手が私の手ごとフォークを握り軽く引き、そしてミートボールは手の主の口の中へ消えた。
……ってちょっと! 予想外過ぎて見送っちゃったじゃないか!
「何で人の栄養源横取りするんですかボス!」
「美味そうだったからだが」
わ~美味しそう~って理由で人の食事をパクるのかお前は!
というか、潔癖症なんじゃなかったの?!
「私の身長の源……」
「背丈を伸ばしたいのか。それなら今度新薬を開発してやろう」
「怪しい魔法薬に頼る気はありません。栄養補助食品でなく、本物の栄養を摂取して伸ばしてみせます」
食堂へと乱入して来たボスは、そのまま普通に居座っていた。具体的には、私の隣の席に座っている。そして私の食事風景をただ見ていた。食い辛えよ! という感想ももはや湧いてこない。私も慣れたもんだ。
「ところでお前は下僕を作ってどうする気だ」
「ぐっふ……!」
いきなりの変な質問に、飲みかけていた水が逆流した。鼻! 鼻ツーンてする!
「げっ、下僕って何ですか?! そんなん作ってないよ?!」
「いやいや、さっき爆誕したのオレら見てたし」
「呼んだらスグ来いとか、ちょー下僕じゃん」
「さすがにアレは同情したわ~」
周囲もボスと同意見のようだが……さっきって、例のあの……あの……えーと、何て名前だっけ……ミミック? ん? ちょっと違うか? まぁ何でも良いか。
「いや、呼びませんからね? 用無いですし」
「「「はあああああああ?!」」」
絶叫に近い疑問形の叫びが食堂中に響き渡り、イノシシだけじゃなく騎士って皆元気なんだなーと感心した。まぁ元気というか……声でかいよ、皆。
「ではあの一連のやり取りは何だったのだ?!」
「え、ただの嫌がらせですけど? しばらくは、いつ呼ばれるかドッキドキな毎日を送れるでしょうね、あの人。良い気味!」
テーブルに身を乗り出し、どえらい形相で迫るイノシシにウヒヒと笑えば、「貴様の頭の中身はどうなっている?!」と驚愕されたが、そんなの見た事無いから知らないよ。
「では呼ぶつもりは無いのだな?」
ボスは一人だけ落ち着いてるなぁ……って、あれ? ボス、いつの間に落ち着いたんだろ。不機嫌じゃなかったっけ。ミートボール効果か?
「無いですよ。あれはつまり、呼ばれるまでは近寄るなって意味です。呼ばないから二度と近寄るな、という意味でもあります」
「そこまで腹に据えかねたのか」
「はい。自分の事は気にならないんですけど、好きな人たちの悪口雑言は許し難いので、今後も全力で対処する所存です」
「その方針は理解出来るが、全力の対処に口付けは二度と組み込むな」
「うーん……善処します、って返答で納得してもらえますかね?」
いや、私だってやりたく無いよ?
だけど、それが一番相手を抉るのに最適な方法だったら、また使っちゃう可能性はあるかもしれない。だから確約は無理かな。
そんな私の心を見抜いたのか、ボスは苛立ったような目で私の答えを拒否した。
「納得出来ん。……そんなに口付けがしたいのか、お前は」
「人をキス魔みたいに言わないでください。好きでやった訳じゃないし、さっきので私にも若干のトラウマが生まれたんですからね? まさかディープに持ち込まれるとは……」
ミミック(だったっけ?)の心はへし折れただろうけど、私の心にも一抹の傷が残ったよ。
「……深い口付けがトラウマになったのか?」
「はぁ、まぁ何て言うか……怖かったので」
「子供が接吻を玩具のように扱うからそういう事になるのだ! この大馬鹿者が!」
それ見た事かと言わんばかりに怒るイノシシに、「いや、子供とか関係無く、あれは怖いでしょう」と言えば、周りの騎士たちも「あー、やっぱ子供だわー」「ちょっと安心したかも」などとざわざわしている。
いやいや、年齢が問題なのでは無いのだよ。
「だってあれ、私があの人の舌を噛み千切ってたら、あの人相当なダメージを負いましたよ? 下手したら死ぬ可能性だってありますし。あんな風に自分の急所を他人に委ねるなんて、よく出来るなと思いました」
柔らかく痛みを感じやすい己の舌を、肉ぐらい平気で食い切る歯がずらりと並ぶ他人の口内に突っ込むなんて、自殺行為以外の何物でも無いよね。それともアレは遠回しな自殺願望の表れなのか? そんなにも深い闇を彼は私に表明していたというの?
怖いわー、ディープキス超怖いわー。
そう真剣に語ってみれば、その場の全員がドン引いた。
違う、そうじゃない、キスの最中に何てこと考えてんのこの子、怖い、その考えが怖い、などとあちこちから声があがったが……どう考えても私の意見が正しいでしょう!
私にはあんな真似とてもじゃないけど出来無いし、された場合、相手の精神状態を疑うよ!
そんな訳で、精神状態に多大なる疑いのあるミミック(多分)とは二度と関わりたく無いね。
というかむしろ、押し付けられた彼の闇を早々に忘れたいよね!
よし、近々熊でも狩りに行くか!
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その後のチャラ騎士たちの会話
「やー、さっきのはヤバかったわ」
「シーデは行動が思い切り過ぎだよなー」
「“乙女の必殺技”とか、コワ過ぎっしょ」
「食らったが最後、下僕一択だもんな……こっえー」
「アレクが居なくてマジ良かったし」
「確かに。居たらチョー騒いだだろーな」
「魔法師長サマもキレてたもんなぁ」
「無表情でもキレてんのが分かっちゃったし。レアだわー」
「てか魔法師長サマって、シーデに対してどーゆースタンスな訳?」
「え~?モルモットがどーこー言ってなかったっけ?」
「でもアレってさー、実験台に対する執着にしては強くね?」
「どーなんだろ?あの人と関わり合う事なんて無かったから、分かんねーわ」
「つーかさー、何でリリックはあんなこと言い出したんだと思う?」
「てか、あいつだけじゃ無いってシーデ言ってたし?」
「シーデの訓練見てたら、あんなん言えなくね?」
「見習いのレベル超えてるもんな~」
「俺シーデに勝てる自信ねーし」
「情けねーことゆーなよ」
「じゃーオマエ勝てんの?」
「闘わなきゃ負けねーよな」
「オマエ天才じゃね?」
「……あ!オレ分かったかも!」
「お、閃いちゃった?」
「ピーンときちゃった?」
「あいつ、シーデの訓練見た事ねーんじゃね?」
「え~?」
「それどんな確率よ?」
「俺らしょっちゅう見てんじゃん」
「だからだって!シーデが来んの、週に二回だろ?そんときオレら内勤じゃん?」
「あ、ああ~、そっか!」
「え、なになにお前も分かった系?」
「リリックとか、他にシーデに絡んだっつーヤツも、ちょーどそのタイミングで外勤なんじゃね?もしくは休みとか、たまたま別の仕事入ったとかさ」
「あー、そんで一回も見れてねーっつーコト?」
「すげー、運の悪さハンパねー」
「逆に奇跡だし」
「ちょっとさー、だんちょーに相談しね?」
「おま、それマジで言ってんの?!」
「それヤバいっしょ!今日の事知ったら、団長ぜってーぶち切れるし!」
「下手するとオレらも殺されるレベルの案件じゃん!」
「まだ死にたくねー!」
「つーか、さすがにリリックがカワイソじゃね?ただでさえシーデにバッキバキに心折られてんのに」
「あれはガチやばかった」
「ハート粉々だよな、アレ」
「ジゴージトクではあるけど、さすがにアレは無いわ」
「立ち直れんのかな~リリック」
「いやいや、さっきのはモチロン内緒だし。じゃなくて、来週からのシフトいじってもらうって方向でさー」
「えー、したら俺らがシーデに会えなくなんじゃん?それはそれでツマンネーっつーかー」
「そのうち手合わせしてみたいとか思ってんだけどな~俺」
「そりゃオレも全然見れなくなんのはツマンネーからヤだけど。いちおーさ、シーデを見習いに推しちゃったのオレらじゃん?その責任っつーのがあるかなーとか思うわけよ」
「あー、それはあるか」
「オンナノコが難癖付けられてんのなんて、見たくねーしなぁ」
「てかあんなイジメ的な現場、団長が目撃したらアビキョーカンの地獄絵図になるし」
「だから、全員が一回はシーデの訓練見れるよーなシフトにしてもらえば良んじゃね?そしたらもうあんな騒ぎになんねーと思うし」
「やべー、天才キタコレ」
「なにオマエ、いつ策士にランクアップしたの?すごくね?」
「天才っつーかむしろ神だし」
「神がかってるわ~俺が女だったら抱かれてるレベルだわ~」
「そんな天才なオレに、今日ちょっと奢ってくんねぇ?」
「「「無いわー」」」
「マジかー……現実ちょーシビアだなー……」
シーデはキスに恐怖を覚えました。こうして恋愛事から遠のいてゆく(笑)
そしてリリックの名前は覚えられなかった模様。残念。
チャラ騎士達は一人だとアホですが、集まると……よりアホです。
でも何かしらの解決策は生まれます。文殊の知恵。
ちなみに人数すら決めていないので、どれが誰の台詞でも問題無い流れになっています。




