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雑記録  作者: 鱈井 元衡
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汝自身を知れ

 二年前の記事を見ると、自分でも恥ずかしくなるほど偉そうなことを言ってて草が生える。

 おそらく、二年というのはさほど長い時間ではないのだろう。人間の成長においては決して重大な影響を与えるには至らない。むろん、少年期の場合は別であるし、人の死とかに関わる出来事が起こった場合はその限りではない。だがその類のことはいまだ起こっていない。おそらく、これが今の自分なのだ。何も大きな変化を経験してはいない。

 とはいえ、他の人からしたら、「お前は充分に変わった」とも言われるだろう。何しろ、自分の変化はむしろ自分には分からないともいうし、他の人からしたらかなり変化し続けている、という可能性はありうる。

 今の自分が最善であるとは限らないし、昔の方がよかったというのもあながち否定ばかりできることではないのかもしれない。

 いずれにしろ、この僕と言う人間が変化しているのかいないのか、僕にはよく分からない。

 僕は外界について何も知らないばかりか、自分の内面についても全く無知なのだ。いい人であろうとするのに、なぜ悪いことばかりを考えているのだろう。ひょっとすると俺は悪い人間であろうとしているのか。そう疑うことが一度や二度ではない。

 こういう時にこそ、古代ギリシアの格言「汝自身を知れ(γνῶθι σεαυτόν.)」という言葉を思い出す。

 他人の良さを知るより、自分の良さを知ることの方がより困難である。

 他人を受け入れるより、自分を受け入れることの方がより困難である。

 お前自身を、どれほどお前は理解していないか、とよく言い聞かせるがいい。お前という魂は本当に謎に満ちている。

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