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雑記録  作者: 鱈井 元衡
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生きることと死ぬこと

 人間は生を受けた時からすでに死への道を走っている。これは決していなめない事実だ。

 アンチエイジングなどというが、しょせんは死を遅らせるための手段に過ぎないではないか。死への道に曲がり角など存在しない。ただ一直線の道が広がっているだけだ。

 極論すれば生きることは死ぬことでもある。この二つは独立したものではなく、つながっているものだ。だからそれを分離して語るなど僕にはできない。

 僕は家を出て、学校に行ったりあるいは本屋に行ったりする時、よくこれが人生最後の日なのではないのかという思いにかられる。もしかしたら、今すぐにも死ぬかもよ。思いがけず事故に遇うかも。

 幸いにも、一度もその想念は現実になっていない。多分無意識が僕のそんな考えに対して「馬鹿じゃねーのテメー」という突っ込みを入れてくれているからだろう。

 そうでなくたって、死は僕の意識に常に付きまとっている。楽しみを極めようとすると、そのたびにそれとは逆のもろもろの苦しみの概念がわきあがってくる。完全に楽しんではならない。苦しみを忘れ去ってはならないのだと。

 苦しみがなければ楽しみなど理解できないのだから。

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