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open the jam  作者: あうたーむ
序章
8/25

リザード

 数分後。

 今までオークの巣窟になっていたはずの洞窟は、既にオークの死体安置所みたいになっていた。

「結局、どれが統率してたんだろうな」

 同型モンスターでも、例えばオークなら持っている武器の質がいいとか防具をつけてるとか、そういう違いがある。

なぜなら、権力を示すのも兼ねて、仲間内でも誰がリーダーか分からなくなってしまわぬようにしないといけないからだ。

 しかし。

「どれも一緒ね。これであんな統率がとれていたなんてありえないわ」

 半分以上のオークをなぎ倒したカノも、姿が違う奴は見つけられなかったらしい。

「悩んでも仕方がない。戻ろう。」

レイザの号令でまた、来た道を引き返そうとした時。


「・・・?」

カノが振り向く。

「もしかして、もう一つ部屋があるのかも・・・」

 しかし、それらしき道や部屋は見当たらない。

 諦めて宙を仰ぐと。


「上だ・・・!」

 洞窟の天井近くに、大きめの窪みがある。

レイザの対応は素早い。

「クラッド、弓でそこを狙って打ってくれ」

「おう」

 クラッドが弓を引き絞り放つと、矢はまるで生き物のように窪みに吸い込まれていく。

同時に、「グギャァ」という呻き声が聞こえ、中から緑色の物体が現れる。

あれは・・・


「ライズリザード・・・!」


 二本足で立つ緑色の物体。トカゲのような肌、凶悪な爪。棘の付いた尻尾。黒い翼を羽ばたかせこちらに飛び込んで来る。

明らかに今までの敵と違うのは、その技術だ。

奴等は人間並の知能を駆使し、鉄を鍛えて剣や鎧までも作り上げる。

 細身の曲刀と白い円盾を構え、奇声を上げながら斬りかかってきた。

「キシャァアア!」

 オークに比べかなり素早い。ギリギリでかわすと、雄叫びを上げ、黄金色の息を吐いてくる。

「毒息だ!避けろ・・・」

 しかし、咄嗟に避ける事など出来ない。毒がまわり、全員の動きが止まる。

「くそっ・・・!」


 リザードは再び奇声を上げ、今度はレイザに斬りかかる。

「ちっ!」

 なんとか右手を動かし弾いたが、容赦なくニの太刀が打たれる。

 剣がレイザの右腕をかすめ、血が吹き飛ぶ。

 なんとか動ければ・・・


 今度は仕留めるとばかりに、勢いよく三撃目が放たれ・・・。

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