表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
open the jam  作者: あうたーむ
序章
5/25

カノ

 こまめに水分補給しながら、晴れの村への道を歩く。

 途中でまた標識が見えた。

「晴れの村まで2.2ロン」

 らしい。結構歩いていたようだ。

 その時。何処からか声がした。

「止まれ!」

 誰だ?

 止まれと言われて止まる犯人がいるか・・・って犯人じゃないけど。

「お前、何者だ!」

 こっちが聞きてぇよ・・・。

「ここから先は・・・立ち入り禁止だ!」

 唐突に右手の大木から赤い影が飛び出したと思うと、何かが俺に向かって打ちかかって来た。

 咄嗟に槍を取り出し、相手の剣をはじき返す。

しかし―――。

「甘いわね。」

 敵は俺のはじいた右腕の肘で、打ちかかった勢いを利用して俺を倒した。

 そして、後ろに回していた左腕を抜き・・・

 ・・・ニ刀!?

「くっ・・・」

「相手の装備を見抜けなかった時点でアンタの負けよ」

 陽炎のようにに俺の背後に回り、左の剣を俺の首に当てた。さらに右腕で素早く槍を遠くへ飛ばした。路の端へ転がる槍。

 強い。

 ショートの赤髪の少女は、飛ばした槍を見て、

「ん・・・その槍は・・・」

 俺の槍がどうかしたのか。

「へぇ。そう言う事ね」

 どう言う事だ。

 全く状況の理解が出来ていない。何なんだこいつは。暗殺者か。

「アンタ、今回の討伐隊で唯一の槍使い。イサ・グレイドでしょ」

「知ってるのか。だったらその剣をおろせよ。俺は立ち入り許可されてるはずだが」

 すると、少女は少しだけにやっとして、

「そんな弱くて討伐隊がつとまるのかしらね」

 異様にいらつく。お前が強すぎる気もするが。

 すると剣をおろし、道の端の方に落ちていた槍を手に取る。

 そして、俺にその先端を向けて言った。

「私は皇国傭兵ギルド『クインロード』の副隊長、カノ・ホワイトよ。それじゃ」

 て、行き先同じだろうが。

 奴の武器をよく見ると、片方しか刃が付いていない。峰の方はのこぎり状になっている。何か意味はあるのだろうか。透き通るような白と、暗い紫の2本を吊るしている。

 服はいかにも傭兵って感じではない。黒のシャツに赤いベスト。スカートのも赤と黒のタータンチェックなので、どうやら赤+黒で揃っているらしい。

「その服、制服なのか?」

「別に。色も格好も統一してないわ。」

 無言でサニービレッジへの道を歩く。

 ここらはさっきカノが言ったように、モンスターの被害を防ぐため立ち入り禁止になっているため、人は誰も通っていない。左右に木々が並び、茶色い砂利の道が続く。

 景色が変わらないので結構飽きるものだ。

「『クイン』って言うぐらいだから人数は五人なのか?」

「あんまり人の私生活に首を突っ込まないでくれる。」

 剣を向けられたので、余りこいつにむやみに話しかけないようにした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ