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open the jam  作者: あうたーむ
序章
2/25

村長

 村長の家をノックすると、見慣れた姿の少年が出て来た。村長の息子のエルだ。

「イサ、どうしたの。」

 俺より頭一個分ぐらい低いところから、黒くて大きい目がこちらを見上げている。

「ちょっと村長に呼ばれて」

「分かった、ちょっと待ってね」

 そう言って扉を閉めて、しばらくすると村長が出て来た。

 村長と言えばなんか年配の人が多いイメージがあるが、結構若い、黒い短髪の男性だ。

 体つきもしっかりしていて、きりっとした目でこちらを見てくる。どちらかと言うと冒険者でもやっていそうだ。実際、いまでも魔物を趣味で狩っているらしいのだが。

「まあ、あがってくれ」

 中に入ると、意外と広い。俺の家の3倍くらいはありそうだ。

 中身を見たのは初めてだが、思っていたより豪華だ。ソファとか、ベッドとか、高価な家具がたくさんある。

 あんまり長居するわけにもいかないので、さっさと村長の部屋へ行く。

「とても重要な話だ。」

 村長の目つきは急に真剣になった。いつもの柔らかい感じとは打って変わって、真面目モードに入っているようだ。

「実は、魔物の大群がサニービレッジ付近の洞窟で確認されたらしい」

 サニービレッジは、少し東の、ここより大きい人口90人の村だ。

 決して晴れの日が多い村ではない。決して。

「その討伐部隊の一員になってほしい。」

 この付近の村のクラウディービレッジ、レイニービレッジ、ブリーズビレッジ、スノウィビレッジ、そしてサニービレッジは、同盟を結ぶ五つの村で、何処かに魔物が大量発生したり、強い魔物が現れた場合は、共同で討伐部隊を派遣し魔物を討伐する。

 俺はそこに入った事はなかった。

 狩りも趣味兼食料確保でやっているだけだし・・・。

「無理ならいい。ただ他に人材がいなくてな・・・。ここからは派遣しないともいかないし。」

 なんか凄く申し訳ない気持ちになり、しょうがないので引き受ける事にした。

「分かりました。行きましょう。」

「おお、ありがとう。」

 嬉しそうにしている村長を見ると、悪い気はしないが本当に承諾していいのか不安になってくる。

 今回大量発生したのは「ロックオーク」らしい。

 岩石の鎚を持った獣人だ。決して岩で出来たオークではない。そんなのオークの原形を留めてない。

 発生数は約40匹、討伐部隊は各村から一人ずつと、城下町から雇ってきた傭兵一人で計6名。俺は槍使いであるため中衛だ。

 一通り説明を終え、解散した時は外は雨だった。

「げ、傘持ってなかったのにな」

 ダッシュで家に帰る事にした。

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