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open the jam  作者: あうたーむ
序章
1/25

始まり

 バーチカル大陸・・・

 魔物と人間の「二百年戦争」は、過去最高の熾烈さを見せていた。

 人間たちの創った「アース皇国」

 魔物たちの作った「ムーン帝国」

 二つの勢力は国境に結界を張り、隙有らば戦争を仕掛けるという緊迫した状況が続いていた・・・。


「お、来た来た。」

 茂みの中から、のんびり歩いている鳥が出て来た。比較的大人しい魔物の「コック」だ。

背後からゆっくり近づいて、槍で足を狙って突き刺す。

「コカァ!!」

 ようやく狩人の存在に気付いたのか、奇声を上げて逃げようとする。

しかし、足を刺したため、うまく動けず転んでしまった。

 俺は網でそいつを捕まえて、背負っている籠に入れた。

すると、聞きなれた声が聞こえてきた。

「よ、大物だね。」

 森の中から一人の人影が見えた。

籠の中を覗くと、歓喜の表情でこちらを見て来た。

「今日は巨大焼き鳥だね!」

「丸焼きにする気かよ・・・。」

 確かに、今日の獲物は相当でかかった。

まあ、これで3人で食っても余るぐらいの量にはなるだろう。

「ほんとイサは狩りが好きだよねー。しかも生け捕りって、私だったら焼き殺しちゃうわ」

「マリは手加減を知れよ。そういやお前また魔法訓練の時ターゲットはずして先生に当てたんだってな。」

 マリはぎくっと肩を震わせた。

「う、うるさいわね、いいじゃないいつも全開フルパワーで」

「フルパワーで制御不能ってか」

 あーもううるさい、とマリはぎゃあぎゃあ喚いていた。

無視して村の方向へ進む。

「そういえば村長が呼んでたよ?とても大事な話があるから、2人で話したいって」

「俺そんな有名人だったか?・・・って人口60人じゃそんなものか」

俺達の住む「クラウディービレッジ」と呼ばれる村は、国境沿いの二百年戦争の最前線の砦に近めの山奥の小さな村だ。人口は60人。

決して曇りの日が多い村ではない。決して。

「そう言う事ならマリは先に帰ってろ。この鳥持って帰って適当に料理しといて」

「はーい」

村の中心広場の十字路でマリと別れた。

頬に冷たい感触が当たったと思うと、空が暗雲に覆われていた。

運悪く傘は持っていない。早く帰ってしまおうと、お世辞にも豪華とは言えない村長の屋敷へ走った。

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