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オペラ座表裏通りの天使達

作者: 翠寿きゆま

~真冬の夜のオペラ通りの王子様~



夕暮れメトロの駅を目指す。

パリの外れからはオペラまでは数か所乗り換えなけ

ればならない。私は乗り継ぎ長い地下道をひた歩く。

やっとオペラ駅についた私は、SORTIEを目指し走る。

そして階段を駆け上がり見上げた!



「あっオペラ座だ!なんて綺麗なんだ!」



目の前にはライトアップされた美しいオペラ座が聳え立つ。

私はその美しさに圧倒されてしばらく立ち止まる。

そうだ!私がここへ来た理由は19世紀からずっと

続いてる日本のアーケードの発祥になった

とゆうパサージュへ行ってみたかったからだ。

これが私のパサージュ巡り開始だ!

地図を見てオペラ通りを歩くが道に迷ってしまった。

そんな時、そばにいた二人の地元人らしき夫婦に

なんとなく話せるフランス語を駆使しながら話しかける。


「パサージュは何処ですか?」


私がそう聞くと男性が答えた。


「この一帯がどれもパサージュだよ。

確かな場所の名前は解らないのかい?

例えば~~~パサージュとかさ」


そう言われると何も考えなしに来ちゃった私は困惑する。

そんな時、


「何かお困りですか?

もしよろしければ力になりましょうか?」


あっ日本語だ!私が振り返るとそこには一人の

背の高い日本人男性が立っていた。

おお~~~!私はその言葉にほっとして、やや

緊張気味に切り出した。


「実はパサージュを探してるんです。

えっと~この辺りにある近い場所、一か所でも

いいんですが教えて頂けたら」


そうゆうと彼はとても親切に教えてくれた。

そして先ほどのフランス人夫妻にも

スマートにフランス語で


「ここは僕が説明しますので大丈夫ですよ」


そんな感じで、

それを目の当たりにして、

わぁ超かっこいいわぁと本題がそれそうになる私。笑

そんなパリのオペラ座に突然舞い降りた王子様に

教えられたプチシャン通りの

素敵なパサージュへやっと辿り着けた。


お店は何処も閉まってたけど、

偶然その日は日曜でクリスマス後だったこと

からか入口は解放されていた。

ショーウインドウの中のおもちゃや小物を見て、

真っ赤なクリスマスツリー

の前で写真を撮って幻想的な夜に包まれた。

パサージュを出てそのパサージュの名前を

しっかりとカメラに収め、

冷めやらぬお伽の世界感を私はその夜の

夢の中までずっと彷徨っていた。




~真冬の夜の裏通りの王女様~


もう明日は日本に帰るんだ!そんな日の出来事。

地図を広げた私はふと時計の針を見ると、

もう9時半過ぎ、さすがにパリの裏通り。

治安が少し良くなったこの頃とは言え、

怖さを感じない訳じゃない。

これ以上裏通りに入るのも躊躇するが、

テレビで見た場所の地図が違ってるじゃないかぁ。

私はホテルで他が寝静まる夜中2時半過ぎまで待って

やっとパソコンが空いてネット検索した

と言うのに、もう正直腹が立つ・・・・・。

だけど思わぬパサージュにもいっぱい行けて

よかったんだけど、最後の一つが見つからない。

そう言えば昼にガイドさんが言ってた言葉を思い出した。


「あっそいえばルーブルの近くにもあるって言ってた!」


今更だが・・・・・・。

もう諦めようかと思って地図を畳もうとしたときだ!


「大丈夫?何処へ行きたいの?」


英語で話しかけてくれた女性をの方を見ると・・・・・・

そこには驚く程に美しいフランス人女性がいた。

私は思わず

おお~~~~!めちゃ美人~!

叫びそうになりながら堪え

だが何度も綺麗な彼女の顔を見てしまった。

彼女が私を見て言った。


「英語大丈夫?」


その言葉に私は


「うん」


そう答えると彼女は優しく質問してきた。


「こんなに寒いのにこんな物騒な場所で可哀相に、

私で力になれるかしら?何処へ行きたいの?」


そんな彼女の問いに


「パサージュの名前をフランス語で繰り返す私」


しかし


「そぉねぇその名前のパサージュって

この界隈にはないわぁ。

多分違う名前で呼ばれてる場所なんじゃないかしら」


そう言ってもう一度私に確かめてきたが

私はそれ以上のことが解らずに


「すみませんこれしか解んなくて」


そう英語で答えると彼女はポケットから

モバイルを取り出し必死で調べ始めた。

その親切さにもう圧倒されるばかりの私、

こんなに寒いのに見ず知らずの私の為に

足を止めて時間を割いてくれるなんて・・・・・・。

パリの人ってなんて親切なんだろう。泣

普段をふらんすぅなんて~面白がってたけど笑 

なんかそんな言動に申し訳なさを感じるくらいだ。

彼女はそれからも


「どんなものが売ってる場所?

ホテル街とかおもちゃ街とか、

そうゆうの解んないかしら?」


そう言って街の地図の前で40分くらい

懸命に探してくれたんだけど、

私は彼女のこと何も聞けず

そして有難うしか言えずにいた。

そしてそれ以上は足止めするのも申し訳なくて、


「有難うお姉さんのおかげで物凄く助かったわ!

ここからは自分で探してみるねぇ」


そう言って別の道へ歩み始めた。

なんかパサージュより彼女に言葉で有難うしか言えない、

このお礼を何も返せない自分が切ない気分で名残惜しい。

パリの夜に舞い降りた素敵な王子様と王女様、

そんな幻想の様なリアルを醸し出せる

街なんて他の何処にあるのだろうか。

私はもうパリと言う街にこの日以来虜になった。

ただチーズとハムが毎日はちょっとキツイなぁ 

行き付けのうどんないと生きれんだけに住むのは

ちょっと難しいけど、

たまにまた夢を見に行きたい街だ!

最後のパサージュには今回たどり着けなかったけど、

その分また行くぞって楽しみが出来た。

楽しみがあるとまた頑張れるじゃん。

ガッカリがあっても良い様に考える常に前向きな私。

そんな天使の悪戯はきっとまたこの街に戻っておいでと

言ってるんだって解釈し受け取った。

その証拠にパサージュは見つけられなかったけど、

あの後私は夜の幻想的なルーブル美術館の庭へ迷い込んだ。


信じられないくらい美しくてウットリ!

まさにもうこの世の物じゃない!

そしてまたメトロでエッフェル塔まで行って真下

から臨んだ!何もかもに圧倒された。

またいつか新たな夢を見せて貰いにパリへ戻ってくるね。

私は一つのそんな約束した。

人も景色も素敵過ぎるパリと言う街に。


人生はどんな出来上がった小説や映画より、

自分自身の行動次第でどんどんこの上ないくらい

ドラマティックになってく。実感。

写真を見ると景色はどれもいまだいつまでも

覚める事のない夢を見ているようだ!


『旅6×6と言う旅のエッセイも綴っています。

興味が御座いましたら詳しくは私のHP 天高く翠色のくじら!

から行けますので読んでみてくださいね!』



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