プロローグ
まえがき
自由奔放な生き方を選んだ恵美莉。彼女の日常を描いたシリーズです。
大好きな彼氏がプラモに夢中。その間、恵美莉は軽んじられているのか?
彼女の不満は、とんでもない方向に突き進んでいく・・・ま、かわいい女子なら、仕方ないか。
今回の恵美莉はやりすぎです。反省しなさい。
「木曜日に新作が出るんだ」
「またプラモのこと?」
「そう、ユニコーンガンダムの1/60スケール、大迫力のやつ」
菅生春樹はスマホ片手に、プラモデラーのホームページを開きながら、目を輝かせて話している。そんなどうでもいい話を、横で調子を合わせながら聞いているのは、川崎恵美莉である。
学食でランチを済ませ、何もすることがない二人は、食べ終わった食器が載ったトレーを前に、なんとなくそのままの席でしゃべっていた。
「また徹夜で作るの?」
恵美莉は少し呆れ気味。だが春樹のプラモ作りはもう趣味のレベルではなく、コンクールで優勝できるほどの腕前で、ガンプラ業界に新しい旋風を巻き起こしている。
「今回の塗装はね、ちょっと変わったことに挑戦しようと思うんだ」
「知ってるよ、もう。普通に塗るだけじゃなくって、汚れが付いたみたいに塗るんでしょ」
「そんなんじゃないよ。三次元のプラモに二次元塗装をやってみる」
「それ、どういうこと?」
「ふふふ、立体モデルにエイジング塗装して、リアルな戦闘後の雰囲気を出すのは誰でもやってるから・・・」
「ふうん」
恵美莉はそれほど真面目に聞いていない。
「アニメの作画を参考に、立体にアニメ画の色付けをしてやろうと思うんだ」
「どう違うのよ」
「つまり汚れじゃなくて、光沢と影まで塗装するんだよ」
「それ、スゴイことなの?」
「ものすごく面白い挑戦だと思うんだ。だってアニメのロボットにつけてる影は、躍動感を演出するために、不自然なほど描き込まれることがあるんだよ」
「そんなに興奮しないでよ」
「木曜は、朝から授業休むからな」
「また、代わりに出席カード出しとけってことね、あーぁめんどい」
・
・
・




