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短編2

原作は、始まらなかった

作者: 猫宮蒼



 おっすオラ転生者!


 前世で遊んだことがある乙女ゲームの世界とそっくりな世界に転生したって気付いたのは、五歳の時!


 ちなみにヒロインでもそのライバルになるであろう、所謂悪役令嬢ポジションでもなく、攻略対象でもない完全なるモブ!


 なので普通に生活して生きていくしかない平凡な人生が約束されているはず。


 ギリギリ知ってる展開が起きるであろう頃に、ちらっとそこら辺目撃できるんじゃないかなぁ……っていう程度の、しがない子爵家の次男坊です。どうも。


 ちなみに前世でその乙女ゲームを遊ぶ事になったのは、単純に笑いを求めてです。

 現実じゃ絶対女口説く時に言わないセリフのオンパレードに実に腹筋がよく鍛えられました。

 面白すぎて友人と酒飲んだ時の罰ゲームでこのゲームのセリフを言う、なんてのがあったくらいだ。ネタにしないととてもじゃないが言えない。真顔で言うにはちょっと……色んな意味でレベルが足りない。



 ともあれ、ヒロインとライバルの織り成す恋愛ゲームが見られると思って……たんですけどねぇ。


 年頃の貴族たちが通う学校が舞台のそこに、ヒロインはいなかった。


 あっれー!?


 ついでに言うと、ライバルポジションの令嬢もいなかった。


 あっれれー!?


 もしかして、原作時間軸より前とか後なんかな? って思って暦確認したけど原作と同じ年代だった。


 じゃあ似た世界観ってだけのパラレルワールドとかかな? って思ってちょっと調べる事にした。


 結果わかったこと~!


 まずヒロイン。

 彼女は元は平民で、貴族の家に引き取られて入学する事になる。

 元平民という事から周囲は若干距離をとっていて、それでもヒロインは持ち前のポジティブさでもって周囲と打ち解けていって……って感じなんだけども。


 そもそもの話、貴族の家に養子として引き取られてすらいなかった。

 ヒロインが住んでいたであろう所には既に別の人が住んでいて、前の住人は他の町に引っ越していったんだと。

 自分がいる以上、ピンとくるよね。

 ははぁん? つまりはヒロインも転生者だったんだな、ってさ。


 貴族の家に引き取られてゲームの展開と同じようにやっていけば、最終的に誰かしらと結ばれてハッピーエンド! って思えるけど、まぁそうだよな。

 今まで平民として暮らしてたのに、そこに更に貴族としての礼儀作法から今までは学ぶ必要のなかったお勉強、更には身分が上の攻略者の誰かとくっつけば、更に色々なスキルが必要とされる。


 裕福な暮らしはできるかもしれないけれど、それ以上に余計な面倒が待っている。


 だったら、貴族の家に引き取られる前に、って事でとんずらかましたんだろう。

 まぁ、他のところに行って別の貴族に目を付けられないって保証はないけど。


 それにもし自分と同じ転生者だとしても、中身がウルトラハッピーな陽キャでもなきゃヒロインなんて無理な話だよな。

 平民ならまだしも貴族になったらその分求められるものが増えるから、必然的にハイスペックにならなきゃいけないわけで。

 それならまだ、ちょっと金持ってる平民の商人とかの嫁とか愛人とかになった方が気楽っちゃあ気楽か。


 騎士の嫁とかもありかもしんない。

 戦争とかで死んだ場合数年は手当が出て生活支援金とかもあるし。


 ただ、ま。

 この世界前世と違うからさ。

 前世だったらDVだとか言われるだろう事も、こっちだとそこまで問題になってないんだよな。

 騎士なんて大半余りある暴力を発散するためになってる、なんてふしもあるからさ。

 上の身分だったらまだしも、下っ端は鬱屈したあれこれを抱えて酒飲んだら暴れるのとか結構いるんだよな。


 結果、酔って暴れて殴られる、なんて事もあったりするから、お相手からちゃんと愛されていて危害を加えられないって確定してる状況でもなきゃ適当な結婚相手には選ばない。


 勿論、そんな事はしない紳士的な騎士だっているけど、クズはどうしたってクズだからさ~!

 金目当てで結婚する場合高確率でそういうクズ引き当てる奴が多すぎるんだよな~!


 ま、ともあれヒロインが既に舞台から撤退したってのは理解したわけだ。


 じゃあ、そんなヒロインと恋のお相手を奪い合うようなライバル令嬢はというと。


 こっちは死んでた。


 悪役令嬢というよりはライバル令嬢の方が適切なのは、婚約をしていないからだ。

 少なくともゲームでは政略結婚とか昔より数が減ったって言われてたし、恋愛ゲームで婚約者奪うような真似をヒロインにさせるのはな……ってなったんだろう。

 あんまりドロドロしたお話にしちゃうと、年齢制限とかつけないといけなくなるかもしれないもんね!

 ゲームは全年齢だったからそういう現実的に有り得そうな展開でもあまりにドロドロしそうなやつはさらっとしたものになったりしてたな。

 まぁそのせいで若干現実味が薄かったってのもある。


 なので仮にヒロインと敵対するような事になっても、婚約者から最終的に婚約破棄を突き付けられるような事にはならない。おぉ、平和平和。


 でもそれでも、貴族社会って一見煌びやかだけど裏は真っ黒だったりドロドロしてるからなぁ……


 ライバル令嬢もヒロインと同じく転生者だったっぽいし、そういう人間関係の闇に耐えられなかったのかも。

 結果として彼女は家を出て、平民として暮らしていこうと思ったらしい。


 まぁ婚約してなくても、恋のお相手をヒロインと奪い合うような形になって恋敗れた場合、惨めだもんなぁ……

 途中でヒロインが狙ってる攻略者以外に乗り換えようにも、ゲームだったらいいけど現実だとさ……昨日まであっちの男に言い寄ってたのに今日からは違う相手にすり寄る……とか外聞が悪いなんてもんじゃない。


 ゲームだったらキャラだって何も言わないけど、現実だったらさ……

 内心で尻軽とかあばずれとか思うかもしれないわけで。

 乙女ゲームの攻略対象やってるような相手だ、身分良しツラ良し声良し人間性は知らん。

 でもそういうイケメン相手に蔑まれてみろ。心死ぬよな。そういう性癖でもあれば逆にときめくのかもしれないけど、普通はそうならんし。


 スクールカースト上の相手からそんな目で見られるようになれば、周囲の反応だって変わってくるし、そうなればライバル令嬢とてただでは済まない。


 そこら辺を考えて逃げ出したのか、はたまた別の理由かは知らんけど、でも彼女は家を出て、そうして王都から出て別の町で暮らそうとしたらしい。

 隣国とか遠くまで行かなかったのは、そこまで行けるだけの準備ができてなかったのかもしれない。

 途中でお金稼いで貯まったら移動する予定を立てていた可能性はある。


 なるべく目立たない服を着て、金に換えられそうな荷物と共に乗合馬車で王都の近くの町に移動して。

 そうしてそこで死んだようだった。


 まぁそうなるよなぁ……仮にもいい家のお嬢さんだ。

 高貴な身分の令嬢は、生まれてから今の今まで使用人が傅いて身の回りの事なーんでもやってくれてたもんな。


 こっちも転生者だったとして、前世の記憶があるから平民として生きていける! とか思ったとしてもだ。


 その前世と生活水準が同じくらいなら可能かもしれないけど、そうじゃなかったら詰みよ詰み。人生がツムツムしちゃうね。


 令嬢の家族は何してるんだって思うけど、多分あれ早々に見限られてたっぽいんだよなぁ……


 気高く麗しく育つはずの令嬢が、何故か妙な部分で庶民的。貴族としてあり得ない考え方をしたり、なんて事もあれば、親からすればなんだこいつってなると思うわ。


 集めた噂が本当の事ばっかりだったら、扱いにとても困る気しかしねーもん。

 嫁に出せるかどうかもわからん、みたいな認識になれば、自主的にいなくなってくれるなら万々歳ってなるかもね。令嬢の家には他にも兄とか妹がいるみたいだったから、出来損ないが一人いなくなったってなんも困んねぇ。

 っていうのを、ライバル令嬢がどこまで把握してたか知らん。



 ともあれ、恐らくだけど前世の記憶があるから平民生活なんてヨユー! って思って出てったんだとは思う。

 でもこの世界、魔法とか魔法の道具みたいなのはないし、生活水準マジで戦前とかもっと前ですか? くらいに人力でやらないといけない事多すぎんのよ。


 火をつけるのだって、ガスコンロなんてもんはなくてカマドだし、前世でキャンプの経験あって火熾し余裕です、ってんならともかくライターもなければマッチは前世と比べると火がちゃんとつかない場合もある粗悪品が主流。平民の大半火打石だぞ?

 火花出して、その火花を上手く火種になるやつにつけて摩擦熱とかで火を大きくするとか、風を適切に送ったりとか、前世でやってた無人島で生活する番組にありがちな火熾しより下手したら手間かかりそうな感じなんだよね。

 蝋燭とかに火をつけて、蝋燭がなくなる前に新しい蝋燭に火をつけて絶やさない……なんてのも、貴族の家ならまだしも平民の家だと無理。蝋燭だってタダじゃないんだ。むしろそこそこのお値段する。

 だから夜は暗くなったら平民は皆さっさと寝るからね。余計な出費なんてできないからさ。


 夜遅くまでランプとかつけて部屋ん中明るくしてってのが許される家は、ある程度の富裕層だ。

 正直火の取り扱いしくったら火事とか簡単に起きそうでこえーよ。


 火でこれよ?

 水はじゃあどうなん? ってなったらさ、勿論井戸ですよ。


 水道なんてもんはないのよ。


 井戸から水汲み上げんの。

 大変そぉ……


 俺は一応貴族だからさ、坊ちゃんとしてそこまでハードワークを強いられる事はないんだけど、平民は全部そこらへん自分でやんないとなの。

 朝起きたら井戸から水汲んで、火を熾して料理作って飯食ったら後片付けとか仕事とか。

 前世と比べると圧倒的アナログっぷりだからね!?


 井戸から一度に汲める水だってバケツ一杯分って限られてるから、もっと使うとなればその分何度も汲まなきゃならない。

 井戸がないところなんて川まで行くんだぜ?


 川の水って大丈夫なんかな……海外の生水とか日本と同じ感覚で飲んで腹壊したって話あったけど、ここも多分それと同じようなもんだと思うんだよね……


 となると、川の場合は一度煮沸してからじゃないとヤバいかもしんない。


 いやマジで。

 前に馬車で王都から他の町に行く事あったんだけど、その時に見えた川とか雨の後だったからってのもあったのかもしんないけど、結構汚かったもん。

 井戸の水もそれ言ったら本当に大丈夫か? って心配になってくるけど、そっちはまだマシなんじゃね?

 一応井戸の水で腹壊した事は俺はないからそう信じてる。


 風呂に入ろうってなったら、お湯沸かしてそれをバスタブに入れてくけど、それだって結構な重労働だかんね?

 前世みたいに温度調整とかして最初から適温とはいかないし、もたもたしてたらお湯が冷めてくし、かといって熱すぎる状態も困るし……五右衛門風呂なんて物はそもそも存在してないんじゃないかなこの世界。だからって自分が作ろうとは思わんけど。


 やー、俺貴族に生まれてよかったー。

 平民に生まれてたら全部手作業だもんね。

 使用人が色々とやってくれてるから俺は自由時間を得る事もできてる。そこら辺理解してたらそりゃ真面目に勉強して貴族でいられるための努力をしようってなるわ。


 洗濯だって足踏みして使う洗濯機はあっても、前世みたいな全自動なんてないしさ。

 冷蔵庫とか冷凍庫なんて夢のまた夢。

 一応日の当たらない涼しい場所に蔵作ってそこで保管してるっぽいけど、ネズミとか気をつけないといけないし、前世よりも賞味期限が短い。保存状態的にも。新鮮な食料ってとても贅沢品なんだよな、そういう意味では。平民の間だと大体保存食になってる物が主流っぽい。勿論新鮮な食材も手に入らないわけじゃあないみたいだけど。前世みたいになんでも新鮮な物が確実に手に入らないってだけで。


 貴族だと大抵の身の回りの事は使用人がやってくれるからいいけど、そうじゃない平民は全部自分でやんないといけないわけ。

 一日がいくらあっても自由時間なんて下手したらほとんどないよ。

 平民の子供って学校に行ってないのが多いんだけど、今の状態だとそりゃ無理だよなぁ、って思ったわ。

 完全に労働力。学校行けるのなんて一部の富裕層。貴族は義務として通う事になってるけど、平民は本当にごく一部だけ。


 それ以外の学校行かない子たちは大体家の手伝いをしないといけない。

 やんなかったら怒られるし、拳骨で済めばいいけど働かない穀潰しに食わせる飯はねぇって感じなのが当たり前。

 前世だったら虐待で訴えられてるだろう事も、こっちだとそうじゃないっぽいんだよな。

 全く遊ばないわけじゃないみたいなんだけど、家の手伝いは義務。

 そうはいっても大人と比べてできる事に限りがあるから、大抵は昼の間に何度も井戸を往復して水を汲んだりとか、荷物運びみたいな事やってるのはよく見るな。



 そんな一日が何時間あったって余裕がない平民の中に、今の今まで身の回りの事をなんでもやってもらってたご令嬢が同じように生活する事になりました、となってマトモにできるか。

 まぁ無理じゃね?

 前世で平民生活してたって言っても、令嬢の前世がマジで戦前とかならどうにかなったかもしんないけどさぁ、でも多分間違いなく家電のある生活でしょ?

 多分原作知ってるからそこから逃れようとした結果だと思うんだよ。

 原作知らないで家を出るにしても、余程の世間知らずでしかない。手の込んだ自殺か?



 ま、ある日突然ちょっと所作の綺麗めな、平民というには似つかわしくない見た目と雰囲気の女がやって来て生活するとしてもだよ?

 よそ者をいきなりフレンドリーに受け入れられるかってーと……微妙じゃね?

 だってこれ絶対ワケありの雰囲気じゃん。


 実際遠巻きにされてたっぽいし、そんな中令嬢は頑張ってはみたっぽいんだけどさ。



 俺の優秀な使用人に調べてもらった結果、まぁ予想通りだったよね。

 まず朝起きて水を汲むだけで重労働。

 顔を洗う水も、飲み水も確保するにしてもその手前で力尽き。

 料理をするために火をつけようにも、中々つかないまま時間だけが経過して。

 いざ火がついて料理をするにしても、調理器具だって前世とは違う。

 職人が丹精込めて作った道具ならまだしも、平民の間に出回ってるのなんて職人の弟子がとりあえずで作ったような練習作だとか、下手したら素人が作ったみたいな質の悪いのも多い。

 つまり、包丁で物を切るにしても、包丁によってはガッタガタになる。

 切れるだけマシ。


 どうにか材料を切って炒めるまでいっても、調味料がやっぱり前世のようにはいかない。

 塩は一応海が近いからどうにかなっても胡椒は高級品。油だって高価なものだ。

 ハーブとか香辛料系もやっぱり平民が気軽に手を出せるものではない。モノによっては安価で入手できるのもあるけど、わざわざ使わないらしい。まぁ、癖のある食材とか調味料で失敗したら不味い飯と無駄な材料費を使ってしまった、って嫌な結果しか残らなくなるもんな。


 火加減もコンロと違って簡単に調節できないから、マトモに料理が完成したかってーと……なんか、ご近所さんの話を聞く限り結構な勢いで焦げた匂いがしてたらしいよ。


 どうにか料理を作った後、食べたとしても思ってたのと違う出来だっただろうし、食べ終わった後片づけもしないといけない。

 でも、水を充分に汲んでこなかったから足りない分をまた汲みにいかなきゃならない。


 そうこうしてるうちに、日が沈んできた。


 今までは屋敷の中で夜になったら明かりが灯されていたんだろうけど、平民は大体暗くなったらさっさと寝る。

 まぁその分朝早いんだけどさ。

 でも朝早くから身体をたくさん動かすから、夜はさっさと眠れる。


 令嬢も、多分寝たとは思うんだけど……すっかり疲れ果てて起きたら他の平民はとっくに活動してる時間。

 まずは体力をつけないといけないけど、やる事は待ってくれない。

 水は毎日汲む必要があるし、食べ物は纏めて買うにしても腐らせない量を見極めなければいけない。お風呂に入るなら水はもっと必要になるし、火を絶やさないようにしないといけない。

 そもそも平民の家に風呂桶なんてないから、お湯を沸かして身体を拭くのが精一杯。

 一応、銭湯みたいなのがあるけど、そこもやってるのは夕方まで。


 前世みたいに24時間営業の店なんてないし、日中に全てをやらないといけない。夜にやってる店なんて大抵いかがわしいか物騒なとこだからね。令嬢がのこのこ行けばどうなる事か……


 結局疲れ果ててマトモに動けなくなって、衰弱死したっていうのが調査結果ってわけ。


 若い娘の一人暮らしって事でよからぬ事を考えた相手が家に押し入って……なんて事にならなかっただけ運がいい。ワケありっぽいから手を出したら後が大変な事になりそう、って思って手を出されなかっただけかも。



 なんで、前世ゲームプレイして見たあのイベントやこのイベント、なんてもんは一切起きませんでしたァ!


 同じ転生者で前世平民だったのに令嬢だけが死ぬ結果になったのは、まぁ当然っちゃ当然なんだよな。

 ヒロインは一応こっちで平民としての生活をしていたっていう実績があるから。

 でも令嬢はそんな事は一度もやった事がなかった。ただ前世で自分の事は自分でやってた生活をしていただろうから、自信はあったんだと思うよ。

 思ってた以上に大変な生活だって事に直面するまで気付けなかっただけで。


 家出する前にせめて事前調査とか、下準備とかしとけよ、って思ったけど。

 あ、でも、それやって家出する事がバレたら連れ戻されるとか思ってたのかもしれないな。



 ゲームでヒロインや令嬢と恋愛を繰り広げていた攻略者たちはどうしてるかっていうと、まぁ、普通に他の相手と恋に落ちたり婚約を決めたりしてた。

 ま、そんなもんだよな。


 ゲームのイベントみたいに盛り上がるような事はなかった。少なくとも、自分が見た範囲では。


 下手に巻き込まれる事もなかったし、そういう意味では自分の学生生活もとても平穏かつ恙なく過ごせそう。



 転生して自分がヒロインだとか、悪役令嬢やめて真のヒロインになりかわってやる、みたいな相手じゃなくて良かったよ。その場合逆ハーとか目論んで泥沼の修羅場になってたかもしれないからね。

 あー、平和ってサイコー!

 もし令嬢が生粋のサバイバーだったなら平民生活も上手くいってたかもしれない。


 次回短編予告

 冤罪擦り付けてでも婚約者との仲を裂こうとした令嬢ですが、しかし彼女はあまりにも嘘が下手でした。


 次回 ところで貴方は何故そこに?

 相手を陥れるために針小棒大に語るのは構いませんが、結果的にそれ、自らの立場も悪くなりましてよ。まぁ、わたくしは構いませんが。

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― 新着の感想 ―
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