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第七話:勝ちは勝ち

 俺は、全てのマスの詳細が分かった状態で、サイコロを振る。魔力がないから、それしかできないのだ。


「5は出るなよ」


 俺は、そう告げる。中丸のリーダーカードであるダニエルの効果により、俺はこのターンサイコロの出目がマイナス1される。そして5ー1=4である4マス先は、以下の通りである。


<獲得魔力6:次のターン、移動不可>


 そのマスに止まると、1ターン動けなくなる。ゴール付近でのその1ターンは、致命傷になるだろう。


 だからそのマスだけには止まっては駄目だ。俺はそんなことを思いながら、サイコロを振った。


「ちっ」


 俺は、舌打ちした。俺が出した目は5であり、俺はそのマスに止まらされてしまった。


 魔力は6だけ獲得できたが、次のターン進むことができない俺は、顔をしかめる。


「わはははははは、勝負あったなぁ」


 中丸が笑う。


「きゃはははははははは」


 この戦いの中何の仕事もしていないレミーラも、笑った。


 絶対絶命のピンチだ。俺は、そう思う。


 そして、中丸のターンである。


「へへ、俺はこのターンでゴールできる」


 中丸が、とあるカードを使用した。


〈8確定〉 必要魔力8

次の自分のサイコロの出目は8となる。


 中丸は残り9マスでゴールであり、そのカードを使うことで、残り1マスとなる。


 さらに中丸が、畳みかける。


〈出目プラス2〉 必要魔力3

次の自分のサイコロの出目プラス2マス進める。


「”サポートカード無効”発動!!」


 俺は、そのカードを使用した。マスに止まったことで魔力が獲得できており、そのカードを使用できたのだ。そのことで中丸のサポートカード"出目プラス2"は、無効化された。


「わははははははは、無駄だな。さらに俺は、カードを使用する」


 中丸は再び、出目プラス2のカードを使用した。


「サポートカード”サポートカード無効"」


 俺も再度、そのカードを使用した。


 そしてその出目プラス2のカードは再度、無効化される。


「ちっ!!」


 中丸は舌打ちし、残りの手札を見る。


「俺の残りの手札のカードは全て、お前の行動を妨害するものだ。次のターン動けないお前に使う必要もないな。このターンでは勝てなかったが、次のターンで俺の勝利は確定しているから良しとしよう」


 中丸は嬉しそうな顔でそう告げ、8マス先に歩いて行く。


「だが、お前も馬鹿だな。"出目プラス2"よりも、"8確定"を無効化した方が、俺の進みを妨害できた。そうすることで、まだワンちゃんあったのになぁ」


 中丸はそうほざきながら、ゴールの1マス先にたどり着いた。


「わはははははは、これで次のターン、何の目を出してもゴールだ」


 そんな中丸の言葉に対して俺も、言葉をかぶせる。


「それはどうかな?」


 俺は笑う。中丸が到達したマスの全貌が、中丸の目にも現れる。


「な!!!!!」


 中丸が、愕然とした表情を作った。俺は元々把握していたそのマスの効果を、改めて見る。


<獲得魔力10:3ターンの間、行動不可能>


 中丸がその顔を、真っ青にしている。


「お、おい、嘘だろ?」


 俺はそのマスの効果をサポートカード"神の視界"にて把握していたが、知らなかった中丸は、驚愕するだろう。


 中丸はこれから3ターン何もできないということだ。俺は8マス先がそのマスであることを知っていたから、"8確定"ではなく、"出目プラス2"の方を無効化していたのだ。


 俺も次のターンは移動できないが、その次のターン、サポートカードを使用する。


「サポートカード"4確定"」


 俺は、そのカードを使用した。そして俺はあらかじめ神の視界にて把握していたマスに止まる。


<獲得魔力1:次のターン進める数が、サイコロの出目プラス5となる>


 中丸がその顔を、愕然とさせる。


 そしてさらに次のターンも、俺だ。中丸はこのターンまで動けない。


「サポートカード"6確定"」


 俺はそのサポートカードを使用し、かつ、前のターンに止まっていたマスの効果で、出目がプラス5される。つまり俺は、ゴールにたどり着いた。


「きゃははははははは、やるじゃない」


 レミーラが俺の勝利に対して、笑った。


「く、くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」


 中丸が、そう叫んだ。


「リーダーカードすら使用されてないのに、負けただと?」


 うなだれている、中丸。


「ま、実力だよ。俺ぐらいの実力者になると、ランダム要素の高いレミーラを使用せずとも、お前に勝てる」


 俺は、そう告げた。レミーラが相変わらずニヤニヤ笑う。


「きゃはははははは、ま、あと残り1マスでゴールされちゃってたけどねぇ~~」

 

 いやらしい顔でそう告げる、レミーラ。


「ま、勝ちは勝ちだよ」


 俺は、笑みを見せた。

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