第三話:ダイスデュエルオンラインのルール
”ダイスデュエルオンラインのルール"をまとめると、以下のような感じらしい。
対戦開始前
①事前に対戦ステージとなるマップ(双六盤)を
確認する。
②事前に登録した1枚のリーダーカードは固定。
③初期から渡される1000枚のサポートカード
の中から40枚のデッキを組む。
※ゲームが進めばサポートカードは初期カード
とは別に入手できる。
対戦開始後
①50マスの双六を相手より先にゴールすれば勝利
②リーダーカードは常時プレイヤーと行動を共に
し、プレイヤーは条件を満たせばいつでもその
能力を使える。
③サポートカードはシャッフルし、初期手札として
5枚引く。
④ターンの流れは以下の通り。
1. 手札が4枚以下の場合、5枚になるようにカード
を引く。5枚以上の場合、1枚カードを引く。
2. リーダーカード及びサポートカードの能力を
使用する。
(条件を満たせば複数枚使用可)
3. 6面ダイスを振り、出た目分双六を進む。
進んだマスのイベントが発生し、ターンエンド。
4. 上記ターンを順番に繰り返す。
「はい、そしてこれが最初のマップです」
受付の女性がそう言った瞬間、地面に双六の盤のようなものが広がった。
「なんだこれ?」
俺は驚く。
「マスが全部真っ黒じゃないか」
「ふーーーーーーー」
受付の女性が俺に煙草を吹きかけた。
「きゃははははははは」
レミーラがその様を見て、とても楽しそうに笑った。
「やめろよ」
俺は怒るが、考える。
マスが全部真っ黒ということは、マスに止まった時に発動するイベントとやらは、止まるまでは分からないということだろう。一応スタートとゴールは明示されているが、そんなの焼け石に水だろう。
さらにその双六の盤から分かる情報として、ゴールまでの経路は概ね50マスだが、分岐路も複数あり、選択するルートによっては他よりたくさんのマスを進む必要がある。
その情報を元に俺はデッキを組む。
「ちなみに、今十時です。対戦が解禁されるのは十二時ですので、それまでにデッキを組めると、解禁早々対戦を行えます」
受付の女性がそう告げ、俺は頷いた。
「うーん」
俺は受付の女性から手渡された初期のサポートカードを眺める。その中からかいつまんで4枚のカードを見た。
〈足止め〉 必要魔力3
相手の次のサイコロの出目をマイナス1する。
〈6確定〉 必要魔力5
次の自分のサイコロは必ず6を出す。
〈サイコロ3倍〉必要魔力10
次に振るサイコロは3つに増え、その合計値分進む。
〈6マス先まで照らす〉 必要魔力2
6マス先までの真っ黒マスの詳細が自分にだけ分かるようにする。
そんなサポートカード達。
「なぁ、魔力ってなんだ?」
俺の問い。
「魔力は双六を進んでいると手に入る要素です。そして、基本的には手に入れた魔力は無くなりませんが、使用すると消費され、次ターンまで使えなくなります。
魔力を10獲得した状態では必要魔力5のカードを各ターン2枚まで使えるということですね」
「ちなみに、"進化する闇 レミーラ"の効果は?」
レミーラが笑う。
「きゃはははははは、プレイヤーが持つ魔力全てを吸収し、その吸収した魔力に応じた能力を得るというものよ。あたしが吸収した魔力はターンをまたいでも回復しないから、あたしに献上するつもりで能力を使いなさい」
「吸収した魔力に応じた能力って?」
「きゃははははは、教えな~~~~い」
「それじゃあ、ゲームの戦略が組めないじゃん」
「あたしの能力を把握したうえでゲームを開始しようなんて、おこがましいったらありゃしないわよ」
レミーラはとても楽しそう。
(これは、なかなかに難航しそうになってきたな)
俺はそう思った。
だが、俺はそれからしばらく考え、40枚のデッキをくみ上げた。
そして、デッキができた旨を受付の女性に告げる。
「できたよ、デッキが」
「承知しました。では、待機ルームに転送します。そこで、対戦相手を見つけて下さい」
受付の女性はそう口にし、俺とレミーラはその真っ白な世界から別の場所に瞬間的に移動した。
とある場所に、俺達と同じような存在が複数人いた。カフェのような場所。テーブルと椅子が複数並び、その椅子に沢山の人間が座っている。そのテーブルの上には"メニュー表"というものが存在しており、ジュースも飲めるようだ。
さらに特筆事項として、売店があり、そこではカードパックが売られていた。