表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

プレリュード

高校2年生の 風間涼かざま りょう は、サッカー未経験の普通の学生。運動神経はあるものの、特に目立った実績はない。ある日、強豪校・鳳凰ほうおう高校サッカー部のエースである幼なじみ 朝倉颯斗あさくらはやと に、「お前、サッカーやってみろよ」と冗談交じりに言われる。


最初は断るつもりだったが、試しにボールを蹴った瞬間、思いがけずゴールを決めてしまう。その才能を見抜いた顧問の 片瀬監督 に誘われ、初心者ながらサッカー部に入部することに。


しかし、当然ながら技術も戦術理解もゼロ。周囲の部員からは「素人が入ってくるな」とバカにされ、特にキャプテンの 三浦豪みうら ごうからは厳しく当たられる。だが、涼は諦めない。


「やるからには、本気でトップを目指す。」

ついに始まった、風間涼の本格的なサッカー部での練習。

基礎練習を経て、彼はいきなり紅白戦に挑むことになる。

その実力は本物か、ただのまぐれか――。高校2年生の 風間涼かざま りょう は、サッカー未経験の普通の学生。運動神経はあるものの、特に目立った実績はない。ある日、強豪校・鳳凰ほうおう高校サッカー部のエースである幼なじみ 朝倉颯斗あさくらはやと に、「お前、サッカーやってみろよ」と冗談交じりに言われる。


最初は断るつもりだったが、試しにボールを蹴った瞬間、思いがけずゴールを決めてしまう。その才能を見抜いた顧問の 片瀬監督 に誘われ、初心者ながらサッカー部に入部することに。


しかし、当然ながら技術も戦術理解もゼロ。周囲の部員からは「素人が入ってくるな」とバカにされ、特にキャプテンの 三浦豪みうら ごうからは厳しく当たられる。だが、涼は諦めない。


「やるからには、本気でトップを目指す。」

ついに始まった、風間涼の本格的なサッカー部での練習。

基礎練習を経て、彼はいきなり紅白戦に挑むことになる。

その実力は本物か、ただのまぐれか――。

朝6時半

鳳凰高校 サッカーグラウンド


まだ空気に冷たさが残る時間。

だが、人工芝の上ではすでにボールの音が響いていた。


風間涼は、朝倉との約束通り、一番乗りでグラウンドに立っていた。


風間「(よし……昨日より多くタッチすることを意識しよう)」


ドリブル、トラップ、ターン――

一人での練習だが、真剣そのものだった。


そこへ、朝倉が現れる。


朝倉「よっ、やってんじゃん。……意外と根性あるな?」


風間「おう。……って、遅ぇよ」


朝倉「いやいや、お前が早すぎんだって。まだ7時前だぞ?」


朝7時、ふたりの朝練が始まる。


基礎徹底


朝倉は、現時点での涼の弱点を明確にしていた。


朝倉「お前の“武器”はシュート。でも、それだけじゃ通用しねぇ」


風間「うん……わかってる」


朝倉「まずは“止めて蹴る”。トラップとパスを完璧にする。じゃなきゃ、チームでサッカーできねぇからな」


基礎の繰り返し。地味だが、決して手を抜けない部分。


何度もボールを受け、止め、蹴る――

額から汗がしたたり落ちても、涼は集中を切らさない。


朝倉は、少し驚いていた。


朝倉(……やっぱこいつ、のびしろの塊だ)


朝練終了後

ベンチで水を飲みながら、朝倉がふと聞く。


朝倉「なぁ、なんでそんなに必死なんだ? “部活に打ち込む”って感じでもなかったよな」


涼は少し沈黙した後、ポツリと答える。


風間「昔さ……親父に言われたんだ。“何か一つ、自分の武器を持て”って」


朝倉「ほう?」


風間「でも、俺、ずっと何もなかった。極められることも、夢も、なにも。けど、初めてこの前――ボールを蹴ったとき、“これだ”って思ったんだ」


朝倉は黙って聞いていたが、ふっと笑って言う。


朝倉「いいな、それ。……じゃあその“これだ”を証明しようぜ。俺が手伝ってやるからよ」


風間「……ああ、ありがとう!朝倉」


昼休み:校舎裏

高橋秀(Bチームキャプテン)は、坂下と話していた。


高橋「……で、風間の朝練、見たか?」


坂下「見た。……正直、バカみてぇに真面目にやってた」


高橋「だろ? あいつ、意外と面白ぇかもな」


坂下「ま、確かに。才能は粗削りだけど……化けるかもしれねぇな」


そんな会話を物陰で聞いていたのは――三浦豪だった。


豪(……初心者のくせに、ずいぶん目立ちやがって)


だが、どこかで笑みを浮かべる。


豪(いいぞ風間、お前みたいなやつがいないと、つまんねぇからな)


数日後の部活

片瀬監督「よし、今日は3対3のミニゲームだ」


グラウンドに緊張が走る。レギュラーと控えが混ざった即席の試合形式。


監督「Aチーム・Bチーム関係なしで組ませる。力のあるやつを見極めたい」


涼は、坂下・朝倉と同じチームになった。


坂下「……足引っ張るなよ、風間」


風間「わ、わかってる!」


朝倉「まぁまぁ坂下、期待してやれって。今日のこいつ、ちょっと違うぞ?」


ゲーム開始。


坂下の正確な展開。朝倉の切れ味あるドリブル。

その流れの中で、涼がフリーでボールを受ける場面がやってくる。


風間「(ここだ!)」


トラップ――成功!


そして、即シュート体勢へ。


バシュッ!!


――ゴール!!


坂下「……おいおい、マジかよ」


朝倉「ナイス、風間!」


高橋「おい、坂下……あれ、ほんとに初心者か?」


坂下「わかんねぇよ……でも、間違いなく“何か”はあるな」


監督も目を細めながら言った。


片瀬監督「……面白くなってきたな」


登場人物

風間涼かざま りょう(主人公)

朝倉とは幼なじみであり、サッカーは素人。次第に自分の才能に気づく。

朝倉颯斗あさくら はやと

風間と幼なじみであり、チームのエースFW。最初は涼のことを冗談半分で誘ったが、次第に彼の才能を認める。

三浦豪みうら ごう

鳳凰高校のキャプテンでMF。努力家。他人にも自分にも厳しい。

片瀬監督かたせ かんとく

チームの指導者であり、涼の可能性にいち早く気づいた人物。

松田大輔まつだだいすけ

鳳凰高校の守護神。一見冷静で無口だが、仲間思いで面倒見の良い性格。大きなプレッシャーの中でも安定したパフォーマンスを発揮し、チームを支える。

坂下亮介さかしたりょうすけ

冷静で理論的な性格。周りのプレイヤーを冷静に指示し、試合を落ち着かせる役割を持つ。感情的にはならず、いつも一定のテンションでプレイを続けるため、ピッチ上でも頼れる存在。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ