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初めての練習

高校2年生の 風間涼かざま りょう は、サッカー未経験の普通の学生。運動神経はあるものの、特に目立った実績はない。ある日、強豪校・鳳凰ほうおう高校サッカー部のエースである幼なじみ 朝倉颯斗あさくらはやと に、「お前、サッカーやってみろよ」と冗談交じりに言われる。


最初は断るつもりだったが、試しにボールを蹴った瞬間、思いがけずゴールを決めてしまう。その才能を見抜いた顧問の 片瀬監督 に誘われ、初心者ながらサッカー部に入部することに。


しかし、当然ながら技術も戦術理解もゼロ。周囲の部員からは「素人が入ってくるな」とバカにされ、特にキャプテンの 三浦豪みうら ごうからは厳しく当たられる。だが、涼は諦めない。


「やるからには、本気でトップを目指す。」

ついに始まった、風間涼の本格的なサッカー部での練習。

基礎練習を経て、彼はいきなり紅白戦に挑むことになる。

その実力は本物か、ただのまぐれか――。

鳳凰高校サッカー部 練習グラウンド


放課後


鳳凰高校の広大なグラウンドには、すでに部員たちが集まっていた。

人工芝の上をボールが転がる音、スパイクが擦れる音、掛け声が響く。


その中で、一人の新入部員 風間涼が立っていた。


(緊張する……でも、やるしかない!)


???「おーい、涼!」


朝倉が駆け寄ってくる。


朝倉「ちゃんと来たな! よし、ウォーミングアップするぞ!」


風間「お、おう!」


基礎練習開始


まずは基本のパス練習。


朝倉「昨日やったインサイドパス、覚えてるよな?」


風間「もちろん!」


涼は落ち着いてボールを蹴る。


トッ

コロコロ……


朝倉「お、いい感じじゃん!」


その後もドリブル、トラップと一通りのメニューをこなしていく。

まだ動きはぎこちないが、着実に成長しているのが分かる。


しかしーー


???「おい、ちょっと待て」


低い声が響く。


涼が振り向くと、そこには鳳凰高校のキャプテン・三浦豪がいた。


三浦「朝倉、こいつが例の初心者か?」


朝倉「ああ、でもな、こいつ……」


三浦「試合で使えるレベルか?」


朝倉「いや、それは……」


豪は涼を鋭く見つめる。


三浦「遊びできてるなら帰れよ」


風間「本気で来たんだ」


三浦「だったら紅白戦で試してやる」


風間「えっ!?」


三浦「監督、良いですよね?」


片瀬監督「ああ、俺も試してみようと思っていたところだ」


初めての紅白戦


片瀬監督「じゃあチーム分けするぞ!」


監督の指示で、選手たちが二つのチームに分かれる。


片瀬監督「風間はビブスなしのBチームに入れ」


朝倉「俺はAチームか……」


朝倉はレギュラー組のAチーム、涼は控え組のBチーム。


???「風間、よろしくな」


風間「よろしく!名前はなんていうんだ?」


高橋「挨拶が遅れたな、俺はBチームキャプテンの高橋秀だ。秀って呼んでくれ」


風間「おう!そしたら俺のことは涼って呼んでくれ」


高橋「涼、よろしくな」


風間「ポジションは……どうする?」


高橋「適当に前にいろ」


風間「え、適当?」


高橋「お前、まだ守備の動きとか分かんねーだろ? だったら前にいて、ボールが来たらシュート狙え」


風間「そ、そんな単純な……」


高橋「簡単なことからやるんだよ!」


そして、試合開始のホイッスルが鳴った――!


試合開始!


試合が始まると、すぐにAチームが試合を支配し始めた。


レギュラー組の圧倒的な技術、速さ、戦術理解度――すべてがBチームを圧倒する。


三浦「朝倉!裏!」


ザシュッ


朝倉が開始早々裏抜けからのゴールを決めた


「ナイッシュー!朝倉!」


高橋「流石にAはレベルが違うな」



高橋「まだ負けたわけじゃないぞ!切り替えろ!」


Bチーム「おう!」


ピーッ


試合再開


風間「くそっ、ボールが全然回ってこない……!」


涼は前線で動き回るが、パスが来ない。


(やっぱり、俺じゃダメなのか……)


その時――


高橋「涼! 前向け!!」


高橋の声が飛ぶ。


その瞬間、足元にボールが来た。


風間「えっ!」


思わず足を出すと、ボールはうまくトラップできた。


高橋「涼、打てぇ!!」


高橋の声に反応して、無意識にシュートモーションに入る。


(とにかく、思いっきり蹴るしかない――!!)


バコッ!!


無回転の鋭いシュートが、ゴールへと向かっていく――!!


三浦「なっ!?」


キャプテン・三浦豪の驚愕の声。


朝倉「決まる……!」


誰もがそう思った――その時。


バチィン!!


風間「……なっ!?」


ゴール前のキーパーが、信じられない反応速度でシュートを弾いたのだ。


風間「止められた……!」


涼は衝撃を受ける。

しかし、周囲の反応は違った。


松田「……すげぇ」

坂下「まじかよ、今のシュート」


豪がゆっくりと近づいてくる。


三浦「お前……本当に初心者か?」


風間「あぁ」


その言葉に、豪は思わず息をのんだ。


次話に続く――!

登場人物

風間涼かざま りょう(主人公)

朝倉とは幼なじみであり、サッカーは素人。次第に自分の才能に気づく。

朝倉颯斗あさくら はやと

風間と幼なじみであり、チームのエースFW。最初は涼のことを冗談半分で誘ったが、次第に彼の才能を認める。

三浦豪みうら ごう

鳳凰高校のキャプテンでMF。努力家。他人にも自分にも厳しい。

片瀬監督かたせ かんとく

チームの指導者であり、涼の可能性にいち早く気づいた人物。

松田まつだ 大輔だいすけ

鳳凰高校の守護神。一見冷静で無口だが、仲間思いで面倒見の良い性格。大きなプレッシャーの中でも安定したパフォーマンスを発揮し、チームを支える。

坂下さかした 亮介りょうすけ

冷静で理論的な性格。周りのプレイヤーを冷静に指示し、試合を落ち着かせる役割を持つ。感情的にはならず、いつも一定のテンションでプレイを続けるため、ピッチ上でも頼れる存在。

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