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幕間 公爵視点

「ゲンドル、元気が無さそうじゃないか、何かあったか?」


 とある社交パーティーに参加していたサンフェスは同じ公爵家であるゲンドル・ネリアバに声をかけた。


「あぁ……、色々あってな」


 そう力なく言ったゲンドルの表情は冴えてなかった。


 本来ならば王太子の婚約者となったアーネリアの父として胸を張り振る舞っていてもおかしくはない、実際つい最近まではそうだった。


 が、現在はその影は無かった。


「サンフェス、お前の所は幸せか?」


「あぁ、ロザリーからも定期的に手紙は来てるし良好だよ」


「そうか……、幸せというのは失ってからわかるもんなんだな……」


「……まだ、夫人は帰って来てないのか?」


「聞いてくれ!サンフェス! 出ていってから1か月手紙を何度出しても返事も無く会いに行っても門前払い! こんな事今まで無かった! そんなに怒らせる事を私はしてしまったのかっ!?」


「落ち着け、ゲンドル。 家族と言っても対話は必要だ、お前は家族と話し合った事があるか?」


「それは……」


「いつもお前は1人で決めていただろ? 今まではそれで通じていたかもしれない。 でも、それは夫人やアーネリア嬢、周囲の人間が我慢していたんだ。 だが人間には限界があるんだ。 限界を越えれば感情が爆発するのは当然なんだよ」


「うぅ……」


 泣きそうな表情になるゲンドルを見て『こんなに打たれ弱い奴だったか?』と思ったが考えてみれば今まで自分の思い通りに生きてきた男、反対されたとしても力付くで従わせた事もある、それが初めて、しかも身内から反抗されたので経験が無かったのだろう。


「ゲンドル、お前がやるべき事は誠心誠意謝罪して話し合う事だ、夫人だって憎い訳では無い、ちゃんとぶつかるんだ」


「そうか……、そうだな……」


 ゲンドルはサンフェスの言葉が響いたのか何かを決意した様な顔だった。


 

 

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