アーネリアの本音、セリオの提案
「それでアーネリア様はどうされたいんですか? このまま婚約を続行するのか、それとも破棄するのか?」
「……どちらを選んだとしても幸せな未来が見えないわ。 愛の無い結婚なんてまるで両親を見てるみたいだし」
そう言って溜息を吐くアーネリア様。
普段弱みを一切見せないアーネリア様がこんな姿を見せるなんて相当迷っているのだろう。
「……私、貴女が羨ましいのよ」
「はい?」
「好きな事に夢中になって周囲も理解があって結果を出してこうして働いている、何もかも私と正反対の貴女が昔から羨ましかったし妬ましくもあったわ」
初めて聞くアーネリア様の本音だった。
「だから、王太子妃になって王族の一員になれば少しは貴女の上にいけると思ったのよ、でも比べる事自体愚かな事だったのよね」
「い、いえ、私はそんな大した事は……」
「貴女はもっと自分の事を高く評価してもいいのよ」
「あ、ありがとうございます……」
グイッと前のめりになりながら言ったアーネリア様に私はたじろいだ。
でも、嘘偽りでは無いその言葉に私はちょっと嬉しかった。
と、そこへセリオ様が入って来た。
「お話中に申し訳ないね、身内が迷惑かけてすまないね」
「ロザリー、この方は?」
「国王様の弟様のご子息のセリオさんです、この植物院の責任者です」
「えっ、えっ、という事は……王族の方っ!?」
「あぁ~、固くならなくても良いよ、そういうの苦手だから。 それよりも従兄弟達の恋愛ごっこに巻き込んで悪いね」
そう言ってセリオさんは頭を下げた。
「い、いえっ!? 王族の方に頭を下げられるなんて……」
「アーネリア様、セリオさんはこういう方なんです」
「僕としては解消する事をオススメするよ、これ以上従兄弟達の恋愛ごっこに付き合っていたら損をするよ」
「え、えぇ……、でもお父様がなんと言うか……」
「それだったら誰も文句を言わせない様に解消すればいいんだよ」
「そんな方法があるんですか?」
「あるよ、とっておきの裏技がね」
そう言ってセリオ様はニッコリと笑った。
……若干黒い物を感じたのは気のせいかしら?




