表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/51

それぞれの思惑

深い深い海の中をゆっくりと泳ぐ鯨のようなモンスター。

モンスターの胃袋の中だろうか。消化液にまみれたデストロイヤー。

「破壊を呼ぶ声が聞こえる。我を呼ぶのは誰だ」

鯨のモンスターは更に深く暗い海へと潜っていく。

   ●

ドラロン曰く。


・マジックミックスラケットに流れ込みのおわん部分で増幅されたJBの負の感情

・シャロンの爆弾発言によるファンの深い悲しみの負の感情

・彩姫の毒に犯されたファンの肉体的苦痛の負の感情


3つの負の感情とクワーマンがランドセルに溜め込んだ魔力を取り込んだ結果

DG4は進化し、デストロイヤーが誕生した。


悲しみの頂点に達した元S級冒険者のJBは顔がこびと図鑑のままで

こららの世界へまだ戻ってきていない。

シャロンちゃんの話だとJBが若いときにチャーマネントと何かあったらしいけど

一体何があったのか気になるところだ。

ちなみにガンガンはドラロンが長い年月を掛け

受け答えを一つずつ魔法でインプットしていったらしい。

転生前の世界で言えばプログラミングした、というところかな。

ドラロンの命令には絶対服従な人工知能、AI。

ガンガンの受け答えがどこか機械チックなのはこれが要因なんだろうね。

デストロイヤーはこのプログラミング的な過程を踏まず

いきなり感情を有するオートマター? として誕生したわけで。

自走式ドラムDG4はこの奇跡の負の連続コンボによって

本当の意味で自走式へ進化してしまったわけだ。

「デストロイヤーって何キー?」

「おっ、お前さん達はデストロイヤーを見てないか。

 まずはそこから説明せねばならんかったか」

「お任せください、ドラロン様」

イシカワは右手でパチンと指を鳴らす。

「なるほど~、ヤバイ奴キー」

「こんな奴見たことも聞いたことも無いワン」

「顔は可愛いカッパ」

「イシカワ、お前さん便利な能力を持ってんな~気に入ったぜ」

「恐れ入ります」

「俺様もデストロイヤーには少々興味がある。

 なんせ俺様が作ったDG4が進化したものだからな。

 どうでぇ~デストロイヤーの捕獲を手伝ってくれるかい?」

「わかったキー」

「了解したワン」

「協力するカッパ」

「よし! 話は決まったな」

ドラロンはポケットからスマフォみたいなものを出して右耳にあて通話し始めた。

「ああ、俺様だ・・・俺様じゃわからん誰かって?

 お前、俺様のことを知らんのか!さてはお前、新人だな!

 アラレちゃんにつないでくれ。

 はぁ?アラレちゃんとは誰だとな。

 ドクター・スロットに決まってんだろ!

 いいから、アラレちゃんに俺様からの連絡だと言えばわかるから」

魔王親衛教会の所長室。

「ドクター・スロット、ただいま戻りました」

「ドグロックか。で、どうだ対象者は確保できたのか?」

「現在、応接室にて待機させております」

「わかった。最初から上から目線では快く我々の研究に協力してもらえぬからな」

プープー、プープーと何か呼び出し音が鳴っている。

机の上にあるスピーカー付きの機械から音が鳴っている。

機械に付いている赤いボタンを押しながら

「私だ」

「スロット所長、俺様だと名乗る男から連絡が来ておりますが」

「俺様・・・ああ、ドラロン殿か。わかったつないでくれ」

「了解いたしました」

ドクター・スロットの目の前に横向きのA3サイズほどの画面が展開される。

画面にはドラロンの顔が映っている。

「よ~ドクター・スロットアラレちゃん、元気か?」

「ドラロン殿、その呼び方は色々と面倒なことが起こるのでやめていただけますかな」

「別にいいじゃねーか、アラレッキーノだがらアラレちゃんで」

「で、何の御用でしょうか」

「おう、そうじゃった。お前さんのところにドグロックがさらっていった

 モモのすけとかいう侍がおるじゃろ。そいつを今すぐ解放してくれ」

「耳が早いですな。わかりました、即時解放いたしましょう」

「頼んだぞ、アラレちゃん。じゃあな」

プツンっという音とともに画面はブラックアウトし、A3サイズの画面は

モザイクが消滅するようにドクター・スロットの前から消えた。

ドクター・スロットはドグロックの方へ体の向きを変え

「二度手間で申し訳ないがモモのすけとかいう侍を元の場所へ戻してきてくれるか」

「式神とかいう術の情報はよろしいのですか?」

「問題なかろう。教祖様からは別件でデストロイヤーなるものの捕獲を命じられておる。

 デストロイヤーという強烈なサンプルが発生した今、

 式神の情報を得ても何の足しにもならんと言える」

「デストロイヤーとは?」

「デストロイヤーについてはドグレッタから聞くことになるだろう。

 侍を元の場所に戻したらドグレッタの召集に応じてくれ」

「了解しました。全ては魔王様のために」

応接室のふっかふかのソファーに座り超くつろぎ中のモモのすけ。

コンコンとノックする音がしてドグロックが戻ってきた。

「情報の提供は不要となった。元の場所へ戻してやろう」

   ●

「これでモモのすけの件は問題なしと」

ピチ4の面々に向かってニカっと笑いサムアップするドラロン。

「お前さん達には準備が出来次第、こちらから連絡するから待っててくれ」

   ●

所長室のドアを開け入ってくるドグレッタ。

「ドクター・スロット、お呼びでしょうか」

「ドグレッタ、五将星を招集してくれ」

   ●

セーフティレンジャーのピンクが叫ぶ

「今日は絶対、絶対、絶ーーーーーー対、帰さないからな!」

全員がいっせいにピンクの顔を見て声を揃えて言うのである。

グリーン「キモ!」イエロー「キモ!」ブルー「キモ!」

   ●

ドラロンとピチ4、魔王親衛教会、世界安全保証教会。

それぞれの思惑でデストロイヤーを中心に物語は進んでいく。

「ところで88、今回のコラボでのギャラは発生しないのかしら?」

「忘れていたよ、一人頭金貨50枚(50万円)でいいかい?」

「やったぁー問題ないわ!」

ナイス、スーザン!

正直何もしてないけど、ギャラもらわないと生活できないからね。

いや~しかしどんどん音楽活動から遠のいていくね~、ロックンロール。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ