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デストロイヤーの捕獲を手伝え

「ところで、こちらのお三方は?」

身長は普通150センチ。黒装束の忍者服に赤いベスト。

ベスト背中には白字で大きく(飛)の1文字。足は素足。

「モンモンだキー」

身長は190センチ。全身は白で金属製の赤い首輪を2個装着。顔は秋田犬。

服装は神社の宮司。足袋と草履。

「ワンゼブンだワン」

サンリオ系ゆるキャラ状態の河童。

「サゴチッチだカッパ」

「・・・えっと・・・なるほど、ピーチグローリー4の方々でしたか」

「よくわかったキー」

「皆さんは有名な冒険者パーティですからね」

いや、違う。えっと・・・というあの短いタメの時間で

イシカワは彼らの頭の中を読んだに違いない。

「あ~ん!サゴチッチじゃーん」

スーザンがサゴチッチを抱かかえ高い高いした後、胸元でギュっと抱きしめた。

「こら!やめろ!痛ててて。硬い物が顔に当たってるカッパ!」

「魔琴ちゃん、解毒剤散布ご苦労じゃったぞえ」

「グワシグワシ」

魔琴ちゃんの顎あたりと思わしきところをナデナデしている彩姫。

「八様、これでよろしいでしょうか?」

「うん、ありがとう彩姫」

「シュコー、シュコー、お腹が空いただべ」

「ザンスー、その変な生き物はなんじゃ?」

「サゴチッチ~、可愛いでしょう?」

「クソっ、抜け出せないカッパ・・・」

「その皿みたいなところに毒を塗ってもいいかえ?」

「駄目に決まってるカッパ! おい、放せカッパ!」

「シュコー、シュコー、のど渇いただべ」

「何があったんっすか?」

「モモのすけがさらわれたんだキー」

「私が説明しようワン」

ワンセブン曰く、ベルリンゲンで俺っち達と別れた後、

ピチ4はアニーという女性が運営する孤児院にいたところを

魔王親衛教会の五将星ごしょうせいの一人、

ドグロックと名乗る男の襲撃を受け、モモのすけは連れて行かれたらしい。

ワンセブン、モンモンともに奥義を発動し応戦したが

全く歯が立たなかったとのこと。

説明が終わった頃、額にサークルクロス、転生前なら女性記号の

跡がくっきり付いたサゴチッチがやってきた。

「痛ててて・・・あの女、何気に天敵だカッパ」

「ドグロックが出張でばってくるとは珍しいな」

ドラロンが俺っち達の話に参加してきた。

「ドラロン、知ってるんっすか?」

「ああ、知ってるぜ。やつのリフレクトシールドを作ってやったのは俺様だからな。

 ちなみに、ほれ、あのベイベェーのドグマも五将星の一人だ」

「ドラロン?ドラロンって、あの魔族の名工ドラロンキー?」

「ああそうだが。俺様がいかにもそのドラロンだが」

ドラロンがドヤ顔してる。

「握手して欲しいワン」

「俺も握手して欲しいカッパ!」

デスパラの握手会とは違うプチ握手会?が始まる。

嬉しそうにドラロンと握手をするピチ4の3人。

ドラロンってやっぱりすごい有名人なのね。

「やつは俺様が作ったリフレクトシールドを体内に取り込んでいると言ったんだな。

 となると追跡可能ではあるが・・・多分、モモのすけとかいう奴は

 今のところ無事だと思うぞ。ドグロックは見た目はああだが大変な紳士でな。

 無益な戦いはしなかったはずだ」

『ものわかりがよくて助かる。私は無益な殺生は好まぬ。

 我々に協力すればすぐに解放してやる』

と言っていたことを思い出すモンモン。

「確かにキー」

ドラロンはニヤッと笑い

「お前達は運がいい。俺様は魔王親衛教会にか・な・り・顔が利く」

   ●

適度な調度品が置かれてある応接室と書かれた部屋の中。

革張りのふかふかなソファーの背もたれに両腕をのせ

左足を右足の上にのっける形で組みダレ気味に座っているモモのすけ。

「牢屋とか拷問とか覚悟してたけど意外と紳士的じゃね?」

「他の五将星の連中はどうか知らぬが私は無益な殺生は好まぬ。

 私には私のやり方、流儀がある」

「その蛇みたいなイカツイ見た目からは想像できねーけどな」

ドグロックは怒るのかと思いきや

「よく言われる」

と特に気にしていないそぶりで返答した。

「我々の欲しい情報をお前が素直に提供してくれれば何もせずすぐに帰してやる」

なぜ、ドグロックは無益な殺生を好まぬのか?

ドグロックはヒューマンとエルフの脳を移植し生成したキメラの研究の過程で

偶発的に生まれたドグレッタをベースに生成に成功した4体のうちの1体である。

ドグロックの生成に使用したヒューマンの脳は

ある高名なモンク(武闘派の僧侶)の脳であった。

このモンクは専守防衛せんしゅぼうえい守主攻従しゅしゅこうじゅうを重んじた。

このモンクの考え方、流儀がドグロックの人格に大きく影響を与えている。

ドグロックが武器ではなくリフレクトシールドを選択したのはそのためであった。

「しばらくここで待っていてくれ」

ドグロックはそう言うと応接室を出ていった。

   ●

「ピチ4とか言ったな。お前たちの返答次第で俺様が魔王親衛教会に

 モモのすけとかいう野郎の件、今この場で教会に話をつけてやってもいいぜ」

「返答次第ってどういうこときー?」

「俺様たちに協力して・・・」

1カメ2カメ3カメみたいにピチ4の3人のカットが入る。

「協力してキー?」「協力してワン?」「協力してカッパ?」

「デストロイヤーの捕獲を手伝え」

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