人を呪わば穴二つ
(えっ?何であんなところに・・・)
大きな口を開けて俺っち目掛けて飛び降りてくる5メートル級のナブルモサザウルル。
終わった・・・これは終わった。こんなシーンというか主人公が飲み込まれて、
ほれ、あれ、ええっと・・・進撃の・・・どっしーーーーーん!
地面に着地と同時に大きな口で俺っちをパクリ。
目を閉じて鼻をピクピクさせていたワンセブンが目を開く。
「あっ・・・レニーの反応が消えたワン」
●
ベンチに座っていたプロポーズ予定のカップルは恐怖の顔で逃げる。
公園内を恐怖の表情で逃げ惑う沢山の人々。
その中に一人だけニヤけ顔の男性がいた。
(やった!やったぞ!誰かは知らんが、このクソ状況を破壊してくれてありがとう)
「カチュアちゃんスゴーい! あんな大きな物を動かせるんだね~」
ピンク達と合流するイエロー。
「私もこんなの初めての経験よ、アシュミット」
「色っぽいカチュアが初めての経験とか言うと何かエロくね?」
「我々も安全な位置に避難するぞ、ご安全に~!」
ピンクを先頭にグリーン、イエロー、ブルーの順番で走りながら避難する。
「たいちょー、そのご安全に~っていうやつ、ダサくね?」
「いや、ダサくないぞ、グリーン」
ピンクは速度を落とし最後尾を走るブルーに横並ぶ。
「ブルー、女神像の攻撃は公園内の人々の避難が終わってからにしてくれ」
全力で走っているため息使いが荒く
はぁ・・・はぁ・・・と顔が少し赤い状態のブルーは
「ごめんなさい隊長・・・5人とやるなんて初めての経験なの。制御できないわ」
「5人とやる、とかマジエロ発言じゃん」
ニヤついているグリーン。
「5人とやるのが何でエロ発言なの~」
「そのくだりはもういいから! とにかく安全な場所まで避難するぞ。ご安全に~!」
デストロイヤーの前に仁王立ちする女神像。
右手をグーにして大きく振りかぶりデストロイヤー目掛けて振り下ろす。
女神像のパンチを斜め上に飛び避けるデストロイヤー。
ズゴガゴーン! ビリビリビリビリ! と揺れる地面。
現在の女神像の体勢は
左手にソフトクリームを持って
地面に落ちてあるコインをしゃがんで拾っている
と言えばわかりやすいか。
女神像の右手は拳1個分地面にめり込んでおり、
その周りは半径5メートルほどのクレーターが出来ていた。
上からすう~っと女神像の顔に前に降り、空中で静止するデストロイヤー。
女神像は眉間にしわを寄せ立ち上がりながらデストロイヤー目掛けて
トーチを持った左手でフック気味に振りぬく。
ブフォフォフォと空気が震える音がする。
女神像の左フックを避け女神像の背後へ旋回し、空中で静止するデストロイヤー。
そして女神像を見ながら後ろ側へ移動し距離を取る。
ピンク達は公園内にある小高い丘の上にたどり着く。
ピンク達から見て逆正三角形に右にデストロイヤー、左に女神像。
正三角形の1辺は約500メートル。
ピンク達の対辺、デストロイヤーと女神像を結ぶ辺の向こう側には海が広がっている。
女神像はデストロイヤーの方へ体の向きを変えながら
野球のピッチャー、サウスポーの構え、
右足を上げ左手を大きく振りかぶってトーチを投げた!
「マジか、トーチって投げれるのかよ!」
大きく口を開け目を丸くするピンク。
普通自動車ほどの大きさのあるトーチはボフウウという空気抵抗の音を出しながら
空中で静止しているデストロイヤー目掛けて飛んでいくが
デストロイヤーのはるか頭上を飛んでいったトーチは
放物線を描きながら公園内に落ちていく。
その先には一人の男性が背中を向けて逃げ走っていた。
(これでプロポーズは失敗だ。ざまあ見ろ。ははは、ははははははははぁ)
ボフウウという音に気がつき振り向く男性。
人を呪わば穴二つ。ズガガガーーーン。男性の上に落ちるトーチ。
ちなみにこの数日後、ベンチに座っていたカップルのプロポーズは成功する。
「なかなかの破壊力だ」
空中で腕組みをして女神像を見る
顔はパンダ、体はヒューマンだがパンダ柄の細マッチョ。
「今度はこちらからいかせてもらおう」
デストロイヤーは両手を真横に広げ胸の前でパンと合わせ合掌のポーズを取る。
「試してみたい技がある」




