セーフティレンジャー出撃!
転移室と書かれた部屋。
薄暗く青白い光の照明の床には転移魔方陣が描かれている。
転移魔方陣の上にいるのはセーフティレンジャー
ピンク、イエロー、ブルー、グリーンの4人。
(この面子で本当に出撃して大丈夫なのか・・・)
ピンクは顔には出さないが内心は不安でいっぱいだった。
「ええ、本当に。今度の日曜日、ええ、いいわよ。
リーズナブルでおいしい料理を出すお店を見つけたの」
(これは彼氏への通話だな・・・多分。出撃前だから注意した方がいいか・・・
いや、もう考えるのはやめよう)
ピンクはブルーの通話の内容をあれこれ詮索するのをやめた。
グリーンはネイルの手入れに余念が無い。
「ジャネットちゃんっていつもネイルの手入れしてるね~」
「女性としての身だしなみじゃん。
そう言えばアシュミットはネイルやってないけど」
「アシュミットはネイルとかメイクとかあんまり興味ないのー」
安全保証教会の科学ちっくな司令室。
科学チックなモニターに写っている赤い点が停止する。
インカムをつけた司祭服の女性オペレータが
「対象物、止まりました。場所はアメチャンコ大陸の北東
ブロードウェイウェイ国のニューゴック湾にあるリベリオン島
自由のツイン女神像があるオールドジャージ公園です」
女性オペレータのすぐ後ろに立っていた
安全第一と書かれた黄色いヘルメットを被っているコルベットは
右手中指でメガネを真ん中を押さえながら
「転送準備に入ってください」
●
「じゃ、何に興味があるんだよ」
「美味しいものとか可愛いものだよ~」
「それじゃダメじゃん。今度、私がネイルを教えてあげるか・・・」
転移室に赤いパトランプの光が点灯する。
「ウィーン、ウィーン、転送準備に入ります。各位転送準備態勢に入ってください」
「ウィーン、ウィーン、転送準備に入ります。各位転送準備態勢に入ってください」
ピンクは目を閉じ3人に忠告する。
「いいかよく聞いてくれ。ここから先は実戦であり何が起こるかわからない。
死ぬかもしれない。しかし我々には使命がある・・・」
「え~別に興味無いからいいよ~ジャネットちゃ~ん」
「世界の・・・」
「ダメだって、アシュミットは可愛いんだからもっと自分をアピールしな!」
「世界の安全を・・・」
「えっ?でも悪いわ、そんなお高いお店でご馳走してもらうなんて。でも、うれしいわ」
「世界の安全を守る・・・って」
ピンクは目を開け懇願するような表情で
「ちょっとみんな、やる気だそう!じゃなきゃみんな死ん・・・」
プシュン!という音とともに一瞬で転移室からいなくなる4人。
●
自由のツイン女神像があるオールドジャージ公園では
2体ある自由の女神像の1体がデストロイヤーに破壊され、
海水に落ちた右手のトーチによる水しぶきが公園全体に降り注いでいた。
ベンチに座っているカップルから10メートルくらい離れた場所に転移魔方陣が展開される。
転移魔方陣からセーフティレンジャーの4人が出現した。
「ここどこ~」
右手で敬礼のポーズを取りあたりを見渡すアシュミット。
いきなりの水しぶきに
「うわっ、冷た!何だこれ。磯クサ!海水じゃね?」
ジャネットが不機嫌そうに言っている。
「ええ、そうですわね・・・うん」
カチュアはまだ通話中。
ピンクだけは倒壊した女神像の上に降り立つ
顔はパンダ、体はヒューマンだがパンダ柄の細マッチョをじっと見つめている。
「いたぞ、デストロイヤーだ」
ゆっくりとベンチのカップルの前まで歩いて行く全身戦闘タイツ姿の4人組。
そしてピンクは深呼吸した後、大きな声で
「デストロイヤー!お前の破壊もそこまでだ!」
「何者だ?」
「我々はセーフティレンジャー!世界の平和を影で支える名も無き戦士たちだ!」
「名前ありまーす!アシュミットちゃんでーす!」
「うん、ごめんね。すぐ帰るから。うん、愛してる~」
「たいちょ~やっぱ私グリーン嫌だわ。やる気でないから帰るわ」
「ちょっとみんな、やる気だそう!じゃなきゃみんな死んじゃうよ」
その様子を海上から見ている白いイルカが一頭。
「ピュロロヒュロ(何とか見失わずに追跡できたわ、お母様に連絡しなきゃ)」
●
「なんだ、ドグミーナ。ふむ、ふむ。
そうだな、お前の言うとおりタイミングを見計らって我々が転移する方が良かろう。
その場で待機し転移のタイミングを教えてくれ」
目を開けたドグレッタはドグザーヌとドグロックに告げる。
「ドグミーナから念話で連絡があった」
ドグロックが
「では、早速転移でしょうか」
「いや、先客がいたようだ」
ドグザーヌが
「先客ですって?」
「世界安全保証教会のセーフティレンジャーどもだ」
「ああ、あのご安全にとかいう妙な集団のことですわね」
「今転移しても、セーフティレンジャーとデストロイヤーの戦闘に巻き込まれかねん。
まずは様子見だ。そしてタイミングを見計らって転移、捕獲するぞ」
ドグザーヌとドグロックは同時に返事をする。
「はい、お母様」




