セーフティレンジャー集結その4
世界安全保証教会第一会議室。
「何と言われようとも私は隊長として君達の実力を知っておく必要がある。
どうしても帰りたくば、私を倒して行け!私の屍を超えていけ!」
今日は絶対に引かないとピンクは心に決めていた。
ピンクから見て左側に座っているグリーンが
「めんどくさ!ここじゃ狭すぎて実力を見るも何も無理があるっしょ」
ピンクの右隣のイエローが
「じゃあ、アシュミットがお部屋へ招待してあげる」
イエローの横のブルーは通話中である。
「うん、じゃあ明日のこの時間にいつもの場所ってことで」
「じゃあ、いくよ~。アシュミットちゃんの恋バナチャットルーム!」
パステルカラーの乙女空間へイエローとグリーン以外のピンクとブルーが転移する。
ドーナツやらキャンディやらぬいぐるみやら。古く言えば不思議の国のアリス。
今風に言うならサンリオちっくなメルヘン空間。
どこまでも広がっており空間の区切れが見えない。
「ここはどこだ・・・」
驚いた表情で周りを見渡すピンク。
「あら? 通信が切れちゃったじゃない。
アシュミット、いきなりチャットルームに招待しないでちょうだいな」
天の声状態のイエローことアシュミットが
「カチュアちゃん、ごめんね~」
ピンクの頭の上にピグミンのアンテナ?みたいな先っぽに卓球の玉くらいの大きさの
丸い玉がついたものがついている。
「何だこれは?」
と引っ張ろうとしたピンクにイエローは
「それをちぎったりしちゃダメだよ~。元の世界に戻れなくなるよ~」
ささっと手をアンテナから離すピンク。
「アシュミット、私用事があるから部屋から出して欲しいのだけど」
「わかったぁ~」
「ちょっと待てブルー!君の実力を確かめてからだ!退出は許可しない」
「ふ~、困ったわね・・・わかったわ。でも今日は無理。
明日の夜20時にしてくださいな。
アシュミット、お願~い」
「わかったぁ~、カチュアちゃんバイバーイ」
カチュアの前に水色のドアが現れる。
カチュアはドアを開け
「それでは隊長、ごきげんよう」
バタンとドアを閉めるとドアは上から粉上になり蛍が霧散するように消えていった。
「くうぅぅぅぅ・・・仕方あるまい。ではグリーン」
グリーンを探すピンク。
「あれ?何でグリーンはいない・・・」
天の声のイエローが
「ジャネットちゃんは別アカを持ってたみたいだから拒否されちゃったの」
「何? その別アカって? おじさんわかんないんだけど」
「じゃあ、私達帰るから。1時間後に部屋から出れるようにしておくね~バイバーイ」
「何? 1時間後? 今すぐ出しなさい! ドアを出しなさい、隊長命令ですよ!
アシュミット、アシュミットちゃーん!」
会議室のホワイトボードの前で仁王立ち&目を開けたまま立っているピンクを横目に
会議室から出ていくイエロー、グリーン、ブルーの3人。
「アシュミット、おめーすげーじゃん、見直したぜ」
「えへへ~ジャネットちゃんも別アカ持ってるなんてすごいね~。
アシュミットの精神操作を1発で回避した人初めてだよ~」
「明日の20時、めんどくさいわね・・・でもあのピンクの人
しつこいからここで私の通話に文句を言わせないようにするいい機会かしらね」
アシュミットの恋バナチャットルームで体育座りにしているピンクの左肩を
ピンクのうさぎのぬいぐるみがポンと叩く。