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1,序想
狂ってる――
そう、言われたことがある。
いつ言われたかなんて覚えてない。なんで言われたのかも覚えてない。
ただ、自分がその言葉に対して何も感じなかった、ってことだけは覚えてる。
――おかしな話だ。何も感じなかったら覚えているなんてはずがないのに。
けど、だからこそ、狂っていると言われたのかもしれない。狂っていることに何の感情も抱かないことこそが、最高に狂っているのだと。
まあ、だからどうしたって話なんだけど。
だって、たとえ仮に狂っていたとしても、何かが変わるわけでもないのだから。