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嘘つきなカノジョ

作者: RYUN

基本的に、おもしろそうな題名を考えてから内容を決める自分。しかし、今回は普通のようで、ええ。

彼女は僕に嘘をつく。

いつも、いつも。


理由は分からない。


絶対見破られると分かっている嘘を、わざと言う。


理由は分からないーーー。


「ね。俺の家の鍵知らない?」

「…知らない。」

「…嘘。今俺ので遊んでたじゃん。」


ホラ


嘘をついた。


僕は、嘘つきな彼女の研究をした。


『彼女が嘘をつく時の癖』



結果は、『僕と目を合わさないで喋る時』だった。



今回も。鍵知らない?って聞いたら、目をそらした。


ウソツキ。


僕は、彼女に聞いた。


「俺、お前のこと好きなんだ。…付き合ってくれる?」


すると彼女は、まっすぐと僕を見て答えた。


「あたしも好きだった。…あたしでよければ。」


彼女は、へへっ、とかわいく笑った。

僕はそんな彼女のことを愛おしく思う。



僕の彼女は、

わざと僕にだけ分かりやすい嘘をつく彼女。



いや、わざとなんだろうか?


最近になって、彼女はわざと嘘をつくわけではない気がしてきた。



付き合って、丁度一年が経った。


僕達は、「一年記念日」をする。

ホントは毎月、「一ヶ月記念日」をする。

だから、今回は「一年記念日」と「一ヶ月記念日」のミックスだ。


毎月、僕は彼女と、ある「確認」をする。


「お前が好きだ。」


と、僕は言う。これはつまり、「俺はお前のことが好きだ。お前は?」ということだ。

彼女は、毎月まっすぐに僕をみて答えてくれる。


「あたしも…」


と。


そして、今回も聞いた。


「お前が好きだ。」


と。彼女は、微笑んだ。なのに…


「あたしも…」


と、目をそらして言った。


しばらく流れる沈黙。


“俺たちもう終わりだな”


長い沈黙を破り、僕は彼女に告げた。


言われる前に言った。僕は卑怯な男だ。


“ごめんなさい。…さようなら。”


彼女は、僕をまっすぐに見据(みす)えて告げた。


嘘をつく所を間違えた、と言ってほしかった。


「冗談だよ」と言ってほしかった。


本当に、僕達は終わった。



彼女の嘘を、初めて憎んだ。

何か、「好き?」って聞いた時に嘘ついて「うん」って言われるの、悲しいですねぇ。(ホロホロ 別れは突然です。(は

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― 新着の感想 ―
[一言] これが一番好きかも! たしかに悲しいな;
[一言] いいですね…… それでも引き留めたりせずに自分が好きで無くなった彼女を解放するあたりのズルい優しさがジンと来ました
[一言] 短いながらも悲しい物語でした。 彼女はいつも本当のことを知って欲しいからこそ、嘘をついていたのでしょうか… 終わりの時でもそれを貫き通すのは、ほんの少しの優しさが残っているようにも受け取れま…
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