執事2人組
「なにか、起きたみたいだね」
「きっと何かの間違いよ」
そして、警報は10秒間鳴り響いて止まった。
「ほらね、きっと誤作動が起きたのよ」
すると突如、複数の爆発音が僕たちの耳を刺した。
「そうでもないみたいね」
「なんか、私もそんな気がしてきた」
意外と、焦ってない2人に驚いていると、こちらに向けて強力な魔法が打たれ、そして僕は、防御魔法である、バリアを展開し、相手に向かって魔法を跳ね返した。
すると向こうで、「ぐはぁ!」と苦痛の叫びが聞こえたが、それには一切耳を貸さずに、僕はすぐに2人に心配の声をかけた。
「大丈夫だった?」
そう声をかけると、エリサはいいものを見たような顔になり、マリアはポカンとした顔でこちらを見ている。
「あの、どうかした?」
僕は疑問に思いながら聞いてみると、エリサは感心した様子でこちらを見ている。
「へぇ、女の子っぽい見た目だけど、男らしいのね」
「えっ、今のってまさか…」
エリサは、大人な雰囲気で、マリアは慌ててる様子だった。
こうして、一旦、状況は落ち着いた。
そして僕には違和感があった。
敵はもっと居たはずなのに、そのほとんどは倒されていたのだ。
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そのあと、この国の騎士団が駆けつけて、僕たちや、この場にいた人達から、事情聴取が行われた。
そして、この事情聴取から解放されると思いきや、僕だけ「残りなさい」と言われ、仕方なく、案内された部屋に残る事にした。
すると、執事服の男2人が部屋の中に入ってきて、早速、僕は残された理由を聞こうとすると、執事服の男2人は、僕に向かって「いやー助かったよ」と軽く礼を言った。
「あのー、あなた達、何者なんですか。宿から出た時からついてきてましたよね?」
そう言い返すと、執事達はキョトンとした顔になる。
「まさか、僕たちの隠密ですらバレていたとは…流石、もう1人の推薦枠…」
2人でヒソヒソとしばらく話していると、ようやく執事達は、語り始めた。
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どうやら、この人達はマリアとエリサの護衛的なものらしい。
と言うことは2人は貴族か何かなのだろう。
さっきのトラブルでは、敵が思ったより、多く、僕達の方に、半分敵が移動しちゃったらしい。
そのことで、礼を言いにきたらしい。
僕は「そんなことないですよ」と自分の立場を下げて、対応するのだった。
すると執事は「別にお嬢様方だけで、どうにかなったんですけどね〜」
と、場の空気を壊すのだった。
じゃあ、なんで礼にきたんだと、疑問に思ったが、考えるのをやめて、その場を去ったのだった。
そしてその帰り道、僕はウィンリーさんとの約束をを思い出し、走って宿に戻るのだった。