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Turquoise Attacker  作者: 池田修
宿生活編
7/17

企み

朝になると、僕は部屋にある水道を使って顔と歯を洗った。


「トントン」


ドアの方からノックが聞こえてきたので、「はーい」と返事をした。


「朝食をお持ちしました」


僕はウィンリーさんの声だと気づき、「今行きまーす」と言ってたドアの方へ向かった。


ドアを開けると、そこにはワゴンを持ったウィンリーさんが居た。


「おはよう、エリン」


「おはようございます、ウィンリーさん」


挨拶を交わすと、ウィンリーさんが、ワゴンに乗っているバスケットを取り出した。


「これがサービスの朝食ですか?結構豪華ですね」


「昨日は迷惑かけちゃったし、少し多めに持ってきたんだよ」


そして僕はバスケットを受け取ろうと手を伸ばすと、ウィンリーさんがバスケットを横に動かして僕の手から遠ざけた。


「え…」


「ごほん…受け取る前に頼み事があるんだけど、良いかな?」


するとウィンリーさんが耳に口を近づけた。


「今日の夕方、この宿の宣伝を手伝ってほしいんだけれど」


僕は頬を真っ赤に染めて、ウィンリーさんから急いで距離を置くのだった。


「な、なんでそんなことしなくちゃいけないんですか!?」


もちろん僕は反論した。


「実はねぇ、職員1人が風邪ひいちゃってさ〜」


「だからと言って、客に普通頼みます?」


僕は少し強目に言った。


するとウィンリーさんがニヤッと笑って「へぇー良いのかな、そんな事言って」と何か企んでいるように言った。


「な、なんですか」


「実はねぇ、昨日お風呂で倒れたお客様さんがいるって、2人の女の子達が伝えてくれたの…もう分かるわよねぇ」


僕はしばらく固まってしまった。


「だいじょぶ!他の人には言ってないから、ははは」


どうやら断るのは無理そうだと判断し、「…はい」と返事するのだった。


「じゃあこれ、約束の朝食だよ」


そう言ってウィンリーが、バスケットを僕の前に持っていき僕は、震える手でそれを受け取るのだった。


「それじゃあ、夕方にねー」


そう言ってウィンリーはドアを閉め、そして僕はなんとも言えない気持ちで朝食を食べるのだった。


<>


しばらくすると、またノックの音が聞こえたきた。


しょぼくれた気持ちで開けると、そこにはエリサとマリアが立っていた。


「どうしたの?」


「そろそろお出かけしたいんだけど、いいかな?」


僕は昨日のことを思い出し、顔を赤く染めながら、「ううん、いつでも良いけど…」と、照れながら言った。


「じゃあ昨日渡した袋に入ってる服を着て出発だぁ!」


マリアは朝からテンションが高いので、こっちも明るくなってきた気がする。


「分かった、ちょっと待ってて」


そう言うと僕は部屋に戻り、袋の中を取り出した。


そして僕はまたしばらく、フリーズしてしまうのだった。










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