お詫び
「んん……あれ、ここは?」
「あ、目を覚ましましたか」
どうやら僕は彼女たちの部屋で看病されたそうだ。
「たまにいるんですよね、あそこで倒れちゃう人」
じゃあなんで作ったんだよ!とツッコミたくなるが、怒っても仕方ない。
「すみません、迷惑かけて…」
「い、いいのよ別に」
しっかり謝ると何故かエリサの顔は真っ赤に染まっていった。
「あの、どうかしました?」
僕は疑問に思い聞いてみた。そして言葉を返される前に悟ったのである。
そう、僕は今、服を着ている。
つまり…
「あの…その…男の子……だったんですね…」
僕はゆっくりとベッドから起き上がり、床に向かって膝と手を置いた。
「すいませんでした」
僕は体をプルプルと震わせながら、土下座をした。
「ちょ、ちょっと何してるんですか!」
「あ、エリサが土下座させてる」
その時にマリアが乱入してきた。
そして僕は謝罪の言葉を述べ始めた。
「本当に、すいませんでした!僕もこの宿のこと、知らなくて…」
僕は思わず泣き顔になってしまった。
するとエリサが鼻を手で覆い始めた。
「い、いいのよ、別に、こっちも良いもの見たし…」
「エリサ鼻血出してるじゃん!さては…」
「ま、待って、言わなくていいからっ!」
エリサはマリアの口を抑えようとしたが、失敗に終わった。
そしてマリアは僕に向かって顔を近づけ「別に良いよ」と明るく言った。
「それとエリサは、可愛いものを見ると鼻血が出る癖があるの」
マリアは笑いながら言った。
するとエリサは顔を真っ赤にして、膝から崩れて落ちるのだった。
そして僕はもう一度謝り、最後に「お詫びになんでもさせてください」と言った。
すると2人はニヤニヤしながらこちらを見てきた。
「じゃあ〜明日、この服を着て一緒にこの街を観光しましょ」
そう言って1つの高そうな袋を手渡された。
「え、それだけですか?」
「うん!それだけ」
正直僕は、裸でこの街を歩く覚悟もあったが…やっぱりこの2人、とっても優しい!
「あ、それと、明日の朝まで絶対袋の中を見ないでね」
「わかった!もちろん!!」
そして僕は自分の部屋に戻るのだった。