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Turquoise Attacker  作者: 池田修
学園編
14/17

それっぽいメイド

「ちょっと、やめてください!」


僕は声を上げ抵抗し、すぐに師匠を振り払った。


「良いじゃないか、別に〜」


そして師匠は、優しい顔で、僕に「久しぶり」と囁いた。


僕は、少し懐かしい気分で満たされた。


「ここ最近は、冒険者として、無心で頑張ってましたから」


「無心とは…お前らしいな」


師匠があきれたように、答えると、僕は「何か話があったんじゃないですか?」


と師匠に聞いてみた。


「知っていると思うが、私は掃除ができないのだ」


僕は何かを悟りながら、「それで?」と話を進めた。


「しかも今回雇ったメイドが『この部屋ぐらい自分で掃除したらどうですか?』と言われてしまったんだ!なんと生意気なメイドなんだ!!」


僕は顔にシワを寄せながら、「それで?」と同じように進めた。


「まだ、わからないのか?」


師匠があきれた顔でこちらを見ると僕は「掃除なら、しませんよ」と真顔で答えた。


すると師匠は、泣きながら僕に抱きついた。


「頼むよぉ〜頼める奴が、君しか居ないんだよぉ〜」


「ダメなものはダメです!そのメイドの言う通り、自分の部屋ぐらい自分で掃除してください!!」


すると師匠が1つの鍵を見せびらかした。


「これが無いと、入寮できないぞ〜良いのかな?」


『なるほど、そうきたか…なら、無理矢理にでも、鍵を取らなければ』


僕は心の中で、そう答えを出すと、師匠が、「なるほど、君がその気なら…」


と、偉そうに言うと、師匠は、反射魔法を展開した。


「これで、お前も、掃除をせざるを得ないな、ハハハ!」


なんて汚い大人なんだ、と僕が怒りの苦笑いしていると、突然、師匠の周りに展開されていた、反射魔法が消え去った。


「何しているんですか、メアリ様?」


そこにはいかにもそれっぽいメイドが扉の前にいた。


すると師匠は、顔の色を悪くして、「いやーちょっと、遊んでいただけだよ…あはは」と弱く言った。


そしてそのメイドは物分かりがよく、師匠に向かって、「鍵をその子に渡してあげなさい」


と、静寂が広がる中で言った。


一体、このメイドは何者なんだ、と僕が考えていると、師匠が悔しいような、悲しいような顔で、僕に鍵を渡したのだった。







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