ようやく
そのあと、僕は、急いで宿へ向かい、元の服に着替えようと部屋に入ろうとすると、ウィンリーさんと、出くわした。
「よし、よく逃げずに来たね、偉い!」
「もし逃げていたら、何されるか分かりませんから…」
「え、なんだって」
僕は一瞬ウィンリーさんが殺気を放った事に気づき、「…なんでもありません」と弱々しく言い直すのだった。
「それより、何か用事があったんじゃないですか?」
「あ、そうだった」
そうウィンリーさんが言うと1つの袋を差し出してきた。
「なんですか、これ?」
「何って制服だけど…」
そう言われると、僕はなんだか嫌な予感がしたので、ウィンリーさんに聞いてみた。
「もしかして、これって女性物の服じゃあ?」
「もちろんそうだけど…」
僕は、膝から崩れ落ち、もう抵抗すると気力ががなくなっていた。
そして僕はこの多忙な1日をなんとか乗り切ったのだった。
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翌朝になると、昨日の出来事を思い出しては、過去の自分を恨んだ。
『まぁ、師匠といた時はもっと攻めた事をしてきたしな〜』
と、心の中を整理すると、ドアの方から、ノックと共に、マリアとエリサの声が聞こえてきた。
僕は、ドアを開けると、そこには、気合いの入った服装の2人がいた。
「あれ、どうしたの?」
僕が聞くと、エリサが、「今日は、試験の日でしょ」と僕に言った。
「それとみんなで行こうと思ったから、呼びに来たのよ」
「僕は別に構わないけど…いいの?」
「もちろんいいよね、マリア」
「当たり前じゃない」
こうして僕たちは試験を受けに学園に向かうのだった。