第七話
なんとか週1ペース守れてますが、やはり書きだめはありません。ペース変えてももう少し長い文章の方がいいのでしょうか·····?
薄暗い地下室で
胡散臭い科学者が
薄ら笑いを浮かべながら
だが視線は冷たく
問いかけてくる·····
「だから選んでもらおうか。生前と同じ姿と、ある程度の記憶を持ったリラではない彼女か、姿は変わるがリラのパーソナリティを持った彼女か。叶えられるのはどちらかだけさ。」
選べだと?巫山戯るな!フザケルナ!ふざけるな!リラが居ないと!俺は!おれ達は!違うだろ!おれ達じゃない!俺だ!
あぁ、くそ、頭痛てぇ·····リラがこうなってから感情が落ち着かない、自分が何人も居て、それぞれが言いたい放題言ってるような、それを俺は不自然だと思えないような·····。
「選べないかい?じゃあ助言でもしてあげようか。君が単純に彼女に会いたいなら、複製の方がお勧めだね。ビジュアルは以前と同じ。記憶欠損の度合いにもよるが、恐らくではあるが君の事も知っているだろう。あとは君が彼女をリラではないが、リラのような女性だと認めるだけでいい。まぁ、技術として既に確立している手法だ。施術にトラブルが起きることもまず無いだろうしね。」
そんなこと、認められるわけないだろ·····。あぁ、だめだ、冷静に、なれない。りらはオレに、いつも、おちつけっテ、言ってたのに。
目の前にいるはずのオウルの顔が歪んでいく。
世界が崩れていく。
自分がどこにいるのか、立っているのかすら曖昧になっていく世界なかで、声だけが聞こえてくる。
「落ち着きたまえ。人の話は最後まで聞くもんだよ。」
「おちツけだト?おちツけルわけなィだロ!おまえがイきカエラセラレルッテイウカラココマデリラヲモッテキタンダロウガ!アァ、アタマガワレソウダ!マドウシハコロサナイト。リラガモドラナイナラ、コイツニヨウハナイ。マドウシハドコダ?イヤ、マドウシハコロシタンダッタカ。ソウダ、ホウシュウノコウショウハリラニヤッテモラワナイト。アレ、リラハドコダ?リラガシンダ?ウソダソンナハズ·····アァ、デモシンダンナラオウルニイキカエラセテモラエバイイノカ。イキカエラセラレナイッテ?ジャアホントニリラハシンダノカ?シンダ?シンダ?シンダシンダシンダシンダあぁああああアアアアア!!!」
「ふむ、思いのほか依存度が高かったみたいだね。今の君の状態を鑑みるに、再構成の方が良さそうだ。彼女をリラとして再現することは出来ないだろうけど、君がリラと認識でき――」
バス!バス!バス!
「ウルサイ!シネ!リラヲモドセナイナラオマエハイラナイ!シネ!シネ!」
赤く染まり、輪郭しか分からない世界の中で、オウルに向かって引き金を絞る。
この至近距離で、魔導師でもない、ただ頭のおかしいだけの人間を殺すために。だが、弾丸はオウルの目前で壁に阻まれるようにとまり、地に落ちた。
「馬鹿かね、君は。こんな辺鄙な所でもここは私のラボだよ?銃如きで私を殺せるわけないだろう?話は最後まで聞けと言っただろうに。しかし、君の精神も相当参っているようだ。彼女をどうこうする前に君の調整が必要そうだね。」
手元のコンソールを叩きながらオウルはつぶやく。
「まぁ取り敢えず一眠りしなよ。なに、悪いようにはしないさ。」
その言葉を聞いた瞬間、胸が熱くなり、意識が、遠く、なっていった。
崩れ落ち、それでも睨みつけるようにオウルを見上げる。トーレを見下ろすオウルは·····楽しげに笑っていた。
ついに次回タイトルに追いつきます!(未定)
乞うご期待!(してくださいお願いします)
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