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怪しい技術で死者蘇生  作者: しおこんぶ改め孟是素
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第五話

やっとプロローグが終わりそうです。


短い間隔でゴリゴリ書いてる皆さんの凄さを身をもって体感してる俺でした。

「戦略級・・・」


まだ遠い・・・が、全てを飲み込む津波が迫ってくる。津波をやり過ごせるような丘もなく、河までたどり着いたところで船ごと飲み込まれるだろうな。


だが足をゆるめることはしない。魔力で創り出されたさた津波だ。術者から離れれば離れるほど威力は落ちて、助かる可能性も・・・ほんの僅かだが上がるはずだ。


「あー!クソ!しんどい!タスケテー!!」


「うっさい!いいから走るの!川岸の段差で凌ぐわよ!」


確かに直撃するより段差に潜り込んだ方がダメージは少ないだろうけどな、誤差レベルじゃねぇかなぁ・・・とはいえ、川岸まで逃げるのは賛成だ。むしろそれしかない。

切り札切るにしても出来るだけ術者から離れたい。


ただひたすらに走る。目的地?の川岸が近付いてくる。

肩越しに津波を見る。かなり近くまで来てるな・・・規模は・・・少し小さくなってる気がする。・・・なってるといいなぁ。


川岸まではたどり着けるかてところだな。

なら、やるならここか。

俺は足を止めて振り返る。


「ちょっと!なに止まってんのよ!」


振り返り怒鳴るリラを追い払うように手を振り、魔導師殺しの銃を抜く。


「ここであれを止める。川岸にたどり着いたところで、あの規模の津波を凌ぐのは不可能だ。お前は予定通り走れ。完全に止めれなくても1人分の隙間を作るくらいはできるさ。だからさっさと行け!2人で留まる意味なんか1個もねーぞ!」


認められないのかリラは口を開きかけるが、対案もなく、時間もないことはわかっているのだろう。


「あー!もう!わかったわよ!あんたが死んだら呪うからね!」


怒鳴って走り去る。

さて、やるか。


この銃が魔導師殺し足り得るのは俺が使った時だけ。


魔導師の障壁は、身体の周囲で魔力を高速循環させその流れで外部からの衝撃を弾いている。俺の平凡サイズの魔核から抽出される『停滞』(ステイシス)の魔力を銃に組込まれたよく分からない回路が増幅し、弾丸に付与することで弾丸が到達した周囲の魔力の流れを停滞させて障壁を抜いているのだ。

つまり、魔術に撃ち込めば魔術の進行を一時的に食い止めることが出来るし、魔術を構成している術式自体に撃ち込めれば、魔術式の更新速度に部分的な齟齬が発生し、魔術自体を崩壊させられる。と言っても、俺は術式なんて見えねえし、弾ばらまいて、運く術式を捉えることが出来たとしても戦略級の魔術なんて規格外なシロモノにはどれだけ効果があるか分からない。

だからこそ、魔導師から少しでも離れて僅かでも魔術の構成に隙を作りたかったのだ。


銃に僅かしかない魔力を流し込み、構える。

最良は魔術の崩壊。次点で俺とリラを結ぶ直線上の無力化、最低でも魔術全体の減衰だな。

ある程度近付けてから撃たなければ、魔術を減衰出来ても俺達を津波が通過する前に再度魔術を補強されるかもしれない。


押し寄せる水の壁が俺の10mほど前まで迫ったところで、トリガーを引く。

ばら撒かれる弾丸が津波に飲み込まれ、部分的に消滅させた。魔術としてのバランスが崩れたのか、その波は勢いを無くしたが、消滅まではいかず俺を河に向かって押し流していく。


くっそ、やっぱ術式の崩壊なんて無理か。とはいえ、これなら運が良ければ俺は助かるし、あいつも問題なくやり過ごせるだろ。


既にどっちが上なのかも分からない。波にもまれ、あちこちに体をぶつけながら考えている俺の脚が掴まれた。リラだろう。


痛い痛い、なんか色々流れてきたのが当たってるから!鼻ん中にも水がゴリゴリ入ってきてるから!むしろ一緒に流されてた方がダメージ少ないよこれ!てか、この流れの中で男の足だけ掴んで踏ん張れてるリラさんマジ怪力!


そのまま、体感的にどれだけたったか分からない数秒が過ぎて静かになる。


・・・・・・・・・・・・・・・生きてた。

痛む身体にムチ入れて無理やり立ち上がる。


「や、なんとか生き残れたな。」


まだ俺の脚を両手で握りしめるリラに目をやり、声をかけた。


「ホントに『なんとか』ね。まだきっと追撃来るでしょ。早く逃げる――」


半目で俺を睨み、立ち上がりながらつぶやくリラの左腕と、左脚が、ナニカに切断された。


「は?ナニ、コレ?え?脚、手が?」


片脚で身体を支えられなくなったリラが崩れ落ちる。痛みが無いのか倒れたまま血に塗れる自分の手に残った手を伸ばそうとした所で、再びナニカに胸を貫かれた。


「ふん、何やら俺の魔術が干渉受けたと思ったが魔力もない屑が2人か。この距離で制御ミスるって、気を抜きすぎたか?」


リラは動かない。流れ出る血液にも勢いがない。

・・・・・・死んだ?・・・・・・誰が・・・・・・?


「なぁ、ちょっと気が抜けてるみたいだから、お前で気ぃ引き締め直すわ。ほら、撃って来いよ。逃げてもいいぜ?殺し会おうや。」


ダレかガなにカしゃベッてるのがキコえルけどナニイッてルカワからナイそれよリあいツヲタスケナイトアンナニチガデテルカラトメナイトイケナイオレノジュウデウテバコノママテイタイサセラレルからハヤクハヤクハヤクハヤク


「もしもーし、聞いてる?抵抗しないと死んじまうぞ?」


リラガイナイトオレハダメダダッテリラガオレヲヒトニシテクレタンダカラアレリラッテナンダッケワカラナクナッテキタオチツケオチツイテオモイダスンダアァソウダオモイダシテキタオレハマドウシヲコロサナイトイケナインダ。ダイジョウブ、オモイダシタラアタマガスッキリシテキタ。


「あー、こりゃダメか?まぁさっさと殺して帰るか。どうやって言い訳すっかなぁ・・・」


「オマエマドウシダナ?」

マドウシノコロシカタハシッテル、オレガコノジュウデウテバイイ。


「お、なんだよわかってんじゃねぇか。さぁ、かかって来いよ!」


「ナラシネ」


残弾の無いはずの銃から放たれたそれは戦略級魔導師を一撃で消し飛ばした。


今回なんか伏線ぽくなってますが、壮大なお話にはなりません。

チートっぽく見えるかもしれませんがチートにならないはずです。

きっとク〇ピカさんの、ジャッジメン〇チェーン的ななにかです。


おれ、プロローグ終わったらほのぼの系に移行するんだ・・・

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