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怪しい技術で死者蘇生  作者: しおこんぶ改め孟是素
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第三話

プロローグその2です。

「さて、状況を整理すっか。今のとこ確認出来る魔導師は4人。増援はないんだよな?」


俺の問い掛けにリラ目を閉じ、魔導師の存在を探る。


「そうね。うち2人は物資漁ってるみたい。残りの2人が生き残りの殲滅にかかってるよ。増援も今のところは無いわ。まぁ、魔導師4人も投入したならよっぽどのことがなければそんなの送らないわよ。」


「そりゃそうか。むしろ過剰戦力だわな、」


まだ爆発音や銃声が聞こえる。殆どやられたってのに、勝ち目の無い戦いをよくやるよ・・・。だが、その無駄な抵抗のお陰でこっちに意識は向いてないらしい、逃げるにしろ、戦うにしろやるなら今か。


「奴らの配置は?」


「えっと、戦闘中の2人組は正面から少しずつこっちに近付いてる

、物資漁りの2人は相変わらずね。」


目を開いたリラが「どうするの?」と首を傾げて聞いてくる。かわいい・・・じゃない。


「そりゃまぁ、一当てしますよ。2人ならさっくり片付けて、装備ぶんどって超逃げる。これで行こう。」


魔導師の装備は高く売れるし、やるだけやったアピールのためには戦利品も必要だしで、回収しないことはありえない。


「ふーん。私はあいつら相手だとまともな戦力とは言えないからトーレに任せるけどね、」


さて、やるにしても敵は2人組か・・・こっちの強みはまだ向こうに俺たちの位置がバレてないことと、魔導師を殺し得る武器を持ってることだ。とはいえ、ふつうにやり合えば勝ち目はない。まず、1人を奇襲で片付ける。んで、もう1人が連絡飛ばす前にそっちも仕留める。2人が組んでいる以上、それしかないか。


「よし、1人をノールックで狙撃、もう1人は目視で狙撃。これで行こう。1人目の位置頼んだ。襲撃を伝えられるとキツイから、ヘッドショットでヨロシク。」


彼女の索敵能力が異常なのは広範囲での索敵だけじゃない。見えなくても狙撃が可能なほどの精度だ。この銃自体は俺しか使えないが、塹壕から照準の微調整すら可能にする。


「簡単に言ってくれるわね・・・それって失敗したらアウトなやつじゃない。」


「失敗しなきゃセーフなやつさ。リラならできるだろ?2人目は俺がきっちり仕留めるから心配すんな。」


呆れたように睨んでくるリラになんでもないように返す。奇襲に失敗すれば俺の生存は厳しくなるが、このまま逃げて傭兵業界でハブられても結局はのたれ死ぬことになる。どちらもハイリスクならリターンのでかい方を狙うだけだ。それに、リラの生存だけを条件にするのなら、失敗してもリカバリーはできる。


「さて、お仕事始めますか。」


塹壕から銃身だけを出し、頭のさらに上で構える。


「はぁ、ホントにやる訳ね・・・もっと左よ。そうそう、あと少し・・・ストップ、んで少しだけ上。オッケーそこで3秒後よ。で、相方は向かって右隣ね。」


リラの指示で照準をつける。俺には土の壁しか見えてないが、まぁ大丈夫だろう。頭の中で3秒をカウントし、引き金を絞ると同時に立ち上がる。2人のうち1人が後ろに倒れていくのを何となく視界に入れながらその男に手を伸ばそうとしているもう1人の頭に狙いをつけ・・・撃つ。


魔導師殺しの弾丸は逸れることなく、同僚に手を伸ばした男の頭部を完全に破壊した。

一般的に戦闘状態に入った魔導師の障壁を抜けるのは戦略級の兵器か、より上位の魔術だけだ。

数少ない例外の1つが俺と俺の銃な訳だが、こっちにも魔術を防ぐ手段はない。故に撃たせたら負けだ。簡単に仕留めたように見えても余裕なんて一切ない。

そっと安堵の息を吐き、なんでもないようにリラに声をかける。


「うし、んじゃご褒美タイムだ」

書きだめなんてなかったんや・・・

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