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怪しい技術で死者蘇生  作者: しおこんぶ改め孟是素
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第一話

第一話です。あらすじとつながってない感がありますが、もう少し後にプロローグが入ります。とりあえず雰囲気だけでも感じてもらえれば幸いです。

『以前お前は死者蘇生ができるとか言ってたな。ならリラを生き返らせろ、金はある。』


薄暗い部屋で目の前のくたびれた男に俺は銃を突きつけている。男はそんな事に興味を抱いていないように脇にある淡く光る水槽を撫でて飄々とこたえた。


『なかなか昔の話を持ってくるね。君と私の仲だ、そんなものを突き付けずとも君の要求にこたえようじゃないか。でもね、生き返りとはなにを再現したものだと思うんだい?身体の複製なんて何百年も前に確立した技術だ。非合法ではあるが、そうだね、車1台買うよりも安く複製しようじゃないか。でも君も知ってるよね?そこに脳を移し替えても、魔核を移し替えてもまるきり別人になるか廃人になるかのどちらかだ。つまり、パーソナリティを決定付けてるのはそのどちらでもないということだ。それじゃ生き返りとは言えないよね。ここからはまぁ、自分で言うのもなんだが科学者らしくない推論だ。笑ってくれていいよ。()()()()()()()()()()どうか?ねぇ君、魂ってなんだと思う?どこにあって、どうすれば再現できると思う?』


男が撫でる水槽の中には美人といって差し支えない顔と、非常に均整の取れた所謂男好きのする身体の若い女性が沈んでいる。満たされた薄緑色の液体により、はっきりは見えないが穏やかに眠っているように見える。片腕、片足が無いことを除けば、であるが。


『ありがたいお前の推論なんかいまはどうでもいいんだよ。できるんだろう?やれ。』


『いやいや、これは大事なことなんだよ。君が求める蘇生っていうのが彼女の()()()()()()()()であるのか、()()()()()()()()()()()()()であるのか。まぁさっきは廃人になるとかいったけど、うん。私なら脳を移植して彼女の記憶と身体を持った女性を完璧に仕上げて見せるとも。さて、どっちをお求めかな?』


男は水槽を撫でるのをやめ、突き付けた銃を面倒くさそうに払いのけながら問いかける。


あぁ、イラつく。こいつは俺が撃てないことも、他にこんなことを依頼できるやつがいないことも理解している。

だが実際俺はこいつに縋るしかないのだ。人類が魔法と科学の粋を集めてなお届かず、そのあまりにも非人道的な行いに遂には禁忌としたモノ。-死者蘇生と不老不死-それに魂という確認できない存在を用いることで近づいたことで学会から追放され、危険思想の持ち主として全世界から追われても尚、研究をやめない狂った科学者。オウルと名乗っているが、当然偽名である。


『決まり切ったことを聞くな。()()()。ちぎれた腕も足もちゃんと持ってきてる。お前の言う魂とやらがどこにあろうと問題ないだろうが。』


『両方とはまた贅沢なことを言うね。うん。結論から言おうか。()()()()()()()()()()()()?それができるなら聞かないよ。私だってただの人間さ。神さまとやらじゃない。もし仮に、彼女の身体が欠損なく揃っていて、生命活動を停止した数分以内にここに来れば、まぁかなりそれに近いことはできただろうけどね。』


『何を言っている…記憶があって、その上で狂わないように出来るんならそれでいいだろうが。』


『ふむ。ではここは科学者らしく一つ講義と行こうか。彼女の今後を決める大事な選択を他人の君がするんだ。おとなしく聞いてくれたまえ。あぁ、質問があれば後でまとめて聞こう。だから口をはさむんじゃないよ。』


どこぞの教授よろしく立てた人差し指をくるくる回しながら語り始める。


『脳を移植したその複製体が廃人になってしまう。この現象はね、記憶があってもそれを自分のものだと認識できないから起こるんだ。君が歴史上の偉人の伝記を読んだところで、その人になれないことと同じだね。自分がどう生まれてどう生きたか知っているが、実感できない。じゃあ私は誰なんだ?ってね。アイデンティティが確立できないのさ。廃人にならないようにするっていうのは、記憶はあくまで情報であり、その情報を持った他人だと認識させることができれば回避できる。つまり、基となった脳の持ち主とは体は同じの別人が新たに誕生するってわけだね。

私はこの自己同一性こそが魂ではないかと考えたのさ。つまり、身体がかわろうと、記憶がなかろうと、自分を自分だと認識できるのならばそれは生き返りといえるのではないか。とね。そこで最初の質問に戻るわけだ。

魂って、どこにあるんだろうね?記憶は脳に、魔力は魔核に宿る。じゃあ魂は?。簡単だよ。そこ以外の全てさ。情報を書き込む脳ではなく、生命を構成する魔核でもなく、身体すべてに染み込んだ経験値。それこそが魂さ。つまり、私が言う死者蘇生は複製を作るのではなく、身体すべてを再構成することで、魂をそのまま新しく構成された身体に定着させることなのさ。

だから、欠損がなく、死後すぐであれば、脳と魔核を取り除いたうえで再構成した身体に戻すことで、ある程度記憶を保持したまま生き返れるってことなんだよね。でも、一度欠損した腕や足には魂は残っていないし、死後時間がたってしまっているから、記憶情報の欠損も多い。不完全な記憶はパーソナリティの再現を妨げる。つまり脳も使えない。まぁ、複製した身体に脳と魔核を移植する方法をとるのであれば記憶が欠損していても問題ないのさ。なんといっても他人の記憶なんだからね。』


こいつは何を言ってるんだ?リラの身体をした誰か?記憶も身体も違うけど魂はリラ?わけがわからない。


『なんだよ、それ…。それじゃあどうやってもリラは生き返らないってことかよ…。』


『生き返るさ。遺伝子情報は100%同じ、記憶があるかないかや、魂があるかないかってだけでね。あとは君が何をもって生き返ったとするかだよ。』


呆れたように肩をすくめて、だが鋭い視線で俺を見つめて狂った二択を突き付けてくる。


『だから選んでもらおうか。生前と同じ姿と、ある程度の記憶を持ったリラではない彼女か、姿は変わるがリラのパーソナリティを持った彼女か。叶えられるのはどちらかだけさ。』


なんだ、なんでこんなことになってるんだ…。

ノリと勢いだけでかきました。

うん、会話ばっかだね。知ってる。済まない。

次からはやや会話以外の描写も増えます。

週に1〜2回の更新のつもりで進めて行きます。遅筆で申し訳ないです。

そして私には登場人物わかっこよかったり可愛く能力がありません。脳内で適当に補完してくれると助かります。

では、読んで頂きありがとうございました、

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