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詩*あなたと*

Rain

作者: a i o

わたしたちが同じように

ぬれ鼠になるには

君の傘は隔たりでしかなく

軒下のわたしは臆病者


街路樹の葉先から

零れる雫

薄く張ったアスファルトの

水たまりには

新たな雨粒が足され

ふいに巻き上げた風が

ほんの少しわたしの肌を湿らせる


透明が深くなれば

君の傘の上で跳ねようとも

この想いは濁りなく

落ちたでしょうか


君の本気が雷雨であれば

わたし丸ごと

はちゃめちゃになる程

巻き込んでくれたでしょうか


君は何に傷つきますか

雨はそれに沁みますか

冷やした音が

君の傘を貫く

安全地帯でなお

怯えるふたり


防水加工じゃ

涙は耐えられませんか

相合傘じゃ

誰も守れやしませんか


重い雲が流れて行って

熱気の中で

わたしたちは

密かに濡れた

つま先ばかり気にしていて


雨どいから伝う

最後の一滴

濡れた緑に降り注ぐ光

傘を閉じた君が

その手を差し出せば

ささやかに

触れる指先


乾いたふたりでいるのなら

日向の道を

干からびるまで







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