2話
背中と後頭部に冷たい感触を感じ創は目を覚ます
「ん?・・あれ?」
周りを確認すると見たことのない森だった、
太陽は見えないが周りは明るくなっている、
「寝てたわけないよな、拘束もされてないし拉致られたわけでもないのか?」
立ち上がろうとしたとき「トストストス・・・」と
何かが駆けながら近ずいてくる気配を感じる
「?なんだ?・・っと」見慣れた影が自分の足に飛び掛かってきた
実家で飼っているコロだった、一切吠えず「ハッッハッ・・・」と
尻尾を振り、舌を出しながら前足を創の足に絡ませながら掴まり立ちをする
「なんでお前が?リードもないし・・コロ、お前ここどこかわかるか?
ってわかるわけないよな、っていうかコロ獣臭いな、ふろに入れないと」
コロを撫でた手を臭いながら独り言のつもりで呟くと
「風呂はいっやっす、そんなに臭くないっす」
聞き覚えのない声が聞こえ慌てて周囲を確認するが人影も気配もしない
困惑しながらコロへと視線を向けると
「どうしたっすか創ちゃん、もっと撫でてほしいっす」っと
コロが尻尾を振りながら話しかけてきた、一瞬愛犬が話したことにびっくりするが
「・・・創ちゃんはやめてくれ、普通この状況だと『ご主人様』じゃないのか?」
「『ご主人様』はお父さんじゃないっすか、それに母さんにいつも創ちゃんって
いつも呼ばれてるし、『創ちゃん』か『兄さん』どっちかっすけどどっちがいいっすか?」
「お前の中でボスは父さんなのか、わかったところで家の中の順位ってどうなってんの?」
「お父さん、お母さん、美優紀姉さん、おいら、創ちゃんっすよ」
「なぜ妹が姉さんで俺がちゃん付けなんだ」
「家にいないかっらっすよ」
「あ、そうなんだいればお前より上なんだな?」
「兄弟なんで同列っすよ」
「は?ふざけんないつも遊んでやってるだろうがそれにおやつも結構与えてるだろ」
「パシリとは言いませんがただの遊び相手というかおやつ献上してくる人ってイメージっす」
「・・・俺って犬にこんな認識されてたの?なんか泣けてきた・・・」
「犬じゃないっすコロっす、家族に向かってなんて口きいてるんっすかお父さんに言いつけますよ」
「もういいや、話題を変える、ところでなんリードを付けてない?あとここどこかわかるか?」
「起きたら邪魔な紐はありませんでしたよ?それより腹減ったっ。さっさとおやつくれ」
「ラノベやアニメでよくある状況だから驚かんし突っ込んでやらんからな
あとおやつは持ってない、どうせ臭いでわかるだろう」
「だからオタクで変な女につかまるんっすよさっきの幸恵と創ちゃん超面白かったっすよ(笑)」
「もう勘弁してよ、疲れてるんだからっていうかお前がいるってことは幸恵も近くにいるのか?」
「かなり離れてるっすけどこの森のずーーっと奥に匂いを感じるっす」
「マジかよ、もう会いたくないな、おい、違う方向で人の臭いとかないか?そっちにつれってってくれ」
「それより腹減ったっす」
「とりあえずテンプレで村か町に行ったら何か何か食えるだろうから我慢しろ」
腹減ったと何度も訴えるコロをわかったからと急かしながら創は森を抜けるために
歩き出そうとしてふと振り返る
「・・・テンプレで言えば殺すか許して合流しなきゃいけないんだろうけどなぁ・・
短絡的にヤってしまって帰れませんとかめんどくさいしなぁ・・・」
そのご一切振り返ることなくコロのあとをついてあるいっていった